2018年、日本、カラー、1:1.78、日本語、6分
【監督】デトロイト城ケ崎
参照リンク:https://www.youtube.com/watch?v=QhboW7svXJI
https://www.ashitanoshow.net/blank-37
2018/12/25(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/25(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
バイトの面接を受けに来た大学生のフカスギが、店主の質問の意図を裏読みしすぎて、奇妙なリアクションを取る。
【感想】
芝居の形式は「コント」と変わりなく、芸人がライブで演じる代わりに、映像作品を作ってYouTubeに投稿するという、「発表の方法が違うだけ」に見える。
形式上は確かに「ショートムービー」なのだが、そのままライブでもできちゃう感じで、映画らしさはほとんどなく、映画である必然性や映画への想い入れは果たして…?
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『ラヂオ幽霊』 ★★☆
201?年、日本、カラー、1:1.78、日本語、7分
【監督】森田博之
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-35
2018/12/11(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/12(水)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
ラジオDJの仕事にやりがいが感じられなくなり、仕事中も体調不良に悩まされる小梅の前に、彼女だけにしか見えない青年の幽霊が現れた。
ファンだった小梅とラジオ番組の「妄想デート」のコーナーを体験すれば成仏すると聞かされ、自分のアパートでやって2人とも楽しんだ。
幽霊は消え、小梅は仕事にやる気を感じるようになった。
【感想】
始まって間もなく、突然幽霊が現れた時の小梅の怖がり方が、他のいかなるホラー作品よりもオーバーで直前の静かな芝居からの振り幅も大きく、ここだけで「良いものを見せてもらった」と大満足。
最大の見せ場が冒頭に来てしまい、後半は雰囲気が変わってしまったのは、見せ場を最後に持ってきてキッチリ落ちをつける作品より損している気がする。(ホラーならなおさら。)
TVドラマの「怪談新耳袋」とかは、5分間で作品が成立出来ていたから、ホラーは短編と相性がよさそう。
『海をわたる象』 ★☆
201?年、日本、カラー、1:1.78、アニメ、日本語、7分
【監督】植田千湖
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-35
2018/12/11(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/12(水)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
仕事にかかりっきりで帰宅しない父のことを砂浜で想っていた少女レベッカのところに、足輪をつけた象が海の向こうから泳いできて、仲良く過ごした。
象に乗って海を渡り父のいる島に行って久しぶりに再会を喜ぶレベッカの姿を見た象は、小象の頃に仲良くしてた少年のことを思い出し、それを察したレベッカは一緒に少年を探すために海を渡って行った。
【感想】
別の短編映画に対して、良し悪しは置いといて「雰囲気しかない映画」と評したが、数分ぐらいの尺だとストーリーは限られるのでむしろ「雰囲気を前面に出す」のは自然で宿命とも言える。
この作品も甘くて優しい雰囲気で貫かれているが、そうなると「クラシック(の雰囲気)が好きか嫌いか?ロックはどうだ?」といった次元の話になってしまう。
雰囲気以外の「独特なもの」が何かあったなら、好き嫌い以外の感想が出ると思うが…。
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『ボクのワンダー』 ★★
201?年、日本、カラー、1:1.78、日本語、5分
【監督】渡邉高章
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-34
2018/12/04(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/04(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
3歳になった息子に妹ができた前後の彼の心象を想像して独白を付けた、映像詩的作品。
【感想】
映像は、息子と彼の周囲の風景が中心。
「ホームビデオとして撮っても、監督の意識が働いて『作品』になった」との意味のことを監督が発言しているので、他人から注文つけられる筋合いはない。
『salome』 ★★
201?年、日本、カラー、1:2.35、日本語、15分
【監督】白尾聡一朗
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-34
2018/12/04(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/04(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
ツバキは半同棲しているサラに内緒で合コンに行ったり他の女をデートに誘って帰宅が遅れがちになり、サラの心は壊れていった。
サラを大事にするように先輩に言われたツバキは、デートをキャンセルしてサラの家に帰るが、受け身だったサラが反撃をし始めた。
【感想】
15分しかないので、会話や芝居を描くことが大半で、ストーリーは(敢えて)あいまい。
よって、「雰囲気しかない作品」ではあるが、「作品として必要最小限の物(ここでは雰囲気)は備わっている」とも言える。
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『さよならファンタジー』 ★☆
2015年、日本、カラー、1:1.78、日本語、20分
【監督】木場明義
2018/11/27(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/11/27(火)鑑賞
参照サイト:
http://www.inazmasha.com/?tag=%E3%81%95%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC
http://fidff.com/com/2016-038.html
【ストーリー、ネタばれ有り】
4年半前に突然行方不明になった洋平が、戦士のいで立ちで弟の修平のアパートに現れた。
出社途中で異次元世界に飛ばされ、魔王と戦って勝って帰ってきたという洋平の話を弟は信じなかった。
妻は再婚し、再就職の活動も上手くいかないところに、こっちの世界に来たものの魔力を発揮できず人並以下のバイト生活をしている魔王と再会し対決して再び倒す。
観念した魔王は自分を異次元に連れ戻すことができる石を洋平に渡すが、こっちの世界で彼女ができた魔王を残して、自分だけが旅立つことにした。
【感想】
低予算でファンタジー映画を作ると、見た目や空気感がスカスカに見られがちなので、最初の2分間を全カットしたり、元と妻会ったり面接したり弟にバカにされたりするなどの「流れを止めるようなシーン」も極力カットするなどして、テンポを速くしてスカスカ感を感づかれないようにすればいいのに、と思いながら観ていたのだが、実はその「充実感を感じられるファンタジー世界とは真逆の、グダグダした想いを抱きながら生きる(現実)世界」を描く方が主眼の作品だと、終盤に入ってからやっと解かった。
でも、(タイトルの「ファンタジー」と冒頭の雰囲気に騙されて)前半に「ダルい展開」だと悪い印象を感じた事は、避けられれば避けるに越したことはなかったのではないだろうか?
『くずと接吻』 ★★
2018年、日本、カラー、1:1.78、日本語、47分
【監督】武子直樹【原作】江戸川乱歩「接吻」
2018/11/13(火)04:00 & 2018/11/20(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/11/20(火)鑑賞
参照サイト:https://www.ncws.co.jp/mh18/mh18-ob.html
【ストーリー、ネタばれ有り】
山名宗三は、世の中のあらゆる人間を見下し、心の中で罵倒し続けていた。
彼の妻が画面に接吻したスマホを盗み見ると、彼の上司で妻とサークルで一緒だったムラヤマ課長とのツーショット写真だった。
宗三の疑惑は膨らみ、ついに課長に向かって爆発して会社を辞めたが、ただの勘違いで浮気はしてないと妻に言われ、さらには他人に対して冷淡な夫の態度を罵った。
【感想】
冒頭から、世の中のあらゆる人間への憎悪を独白で罵りまくる主人公。
表現力と勢いだけは持ち合わせているが、言葉の中身からはいかにもポンコツ人間が自分を棚に上げて他人を見下したいムチャクチャなキャラだと解る。
そんな主人公の心象風景を、都会の風景を切り取ったモンタージュによるクールっぽい映像との組み合わせで見せるのは、ユニークで面白いと思った。
『フォーリング・ダウン』のように、異常な主人公を中心に異常性が尻上がりに増していく作品を無意識に期待したのだが、結果は逆だった。
社会全体に向けていた主人公の憎悪の矛先は、妻とその浮気相手の自分の上司の2人だけに矮小化される。
冒頭ではユニークだった映像表現も、終盤になるにしたがって徐々に普通っぽくなっていく(妄想のチャンバラシーンも含む)。
実は、江戸川乱歩の原作のストーリーは、妻の浮気疑惑が妄想で膨らんでいって押さえきれなくなるという典型的な物なので、普通っぽくなるのがむしろ自然なのかもしれない。
ならば、「冒頭で飛ばし過ぎた結果、尻すぼみに感じてしまった」ように感じたペース配分が問題で、「それだけでかなり損したのでは?」と思った。