シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 『晴れ、ときどき殺人』 ★☆

1984年、日本、カラー、1:1.85、98分、日本語
【監督】井筒和幸【原作】赤川次郎
【出演】渡辺典子、太川陽介松任谷正隆、美池真理子伊武雅刀小島三児清水昭博浅見美那、九十九一、梅津栄江角英明、東山茂幸、鶴田忍、小鹿番前田武彦、神田隆、寺田農浅香光代、他
2015/06/10(水)鑑賞、2014/12/10 NHK-BSプレミアム放映
<ストーリー>
 大会社社長(浅香)が地鎮祭前日の建設予定地で連続コールガール殺人を目撃した。
 しかし、留学中の一人娘の加奈子(渡部)を殺すと脅され、嘘の証言をして無実の男を自殺に追いやり、帰国した加奈子に、真犯人は身近な人だと言い残して死んだ。
 加奈子は、別の被害者の幼なじみで、犯人と疑われている裕三(太川)を、偶然見つけた母の隠し部屋にかくまいながら、真犯人を探すべく密かに周囲の人々の様子をうかがった。
<感想>
 一番の特徴は、(駄洒落も含んだ)小洒落たジョークを会話に詰め込んでいること。
 企画の狙いは「おしゃれなアイドル映画」なのだろうが、今の目で見ると「ツッコミなしでボケまくるコントっぽい映画」。
 今だったら「大衆にウケる見込みがほとんどない」企画だが、バブル経済期の金銭的余裕と、「面白さの可能性は無限に広がっている」が信じられたことの2つの条件が揃った1980年代だからこそ実現できたチャレンジで、そのこと自体は間違いとは限らないものの、結果的には何も成功しなかったということだろう。
 (とはいえ、映画の大半が1つの家の中での出来事なので、お金はかけられてないかも。)
 井筒監督の演出も、オシャレ映画にもアイドルにも興味なく(代わりにやたらオッパイが映ってる)、ルーチンワーク止まりに思え、そのせいもあるかも。

『初春狸御殿』 ★☆

1959年、日本(大映)、カラー、1:2.35、84分、日本語
【監督&脚本】木村恵吾
【出演】市川雷蔵若尾文子勝新太郎中村玉緒水谷良重中村鴈治郎(二代目)、菅井一郎、トニー谷江戸家猫八三遊亭小金馬左卜全楠トシエ、他
2015/01/08(木)13:00 NHK-BSプレミアム放映、同日鑑賞
<物語>
 かつてカチカチ山でウサギにしてやられたタヌキの泥右衛門(菅井一郎)は、ニワトリを盗んで人間に追われ、娘のお黒(若尾文子)と共に逃げるうちに狸御殿に迷い込んだ。
 そこのきぬた姫(若尾、二役)は、無粋なタヌキより人間に憧れ、隣国の若君の狸吉郎(市川雷蔵)を御殿に招待しての見合いの直前に、人間と結婚すると言って屋敷を飛び出した。
 家老(中村鴈治郎)たちは御殿の存亡を賭けて、お黒を姫に仕立てて狸吉郎と見合いさせ、家臣や腰元たちによって狸まつりが盛大に始まった。
 一目ぼれした狸吉郎が頻繁に御殿に会いに来るようになり、お黒が良心にさいなまれ、泥右衛門の家に帰ってくると、人間界から期待外れで帰ってきた姫がお黒の出世の邪魔にならないように捕えられていた。
 2人は入れ替わって、姫は狸吉郎と結ばれた。
<感想>
 一連の「狸御殿」映画は、オペレッタ映画として一つのジャンルのようなものだと思われるが、『オペレッタ狸御殿』しか観たことなかったので、ほぼ無知。
 『初春狸御殿』は、今の日本にあてはめれば「NHK紅白歌合戦」に近い印象。
 ただでさえ万人受け狙いで温めな作りの紅白の、その先鋭的な部分も削ぎ落したような作りで、ゴージャスな映像と歌の雰囲気をより気楽に楽しめることを狙っているような感じ。
 よって、現在では成立しにくい映画で、娯楽の種類も限られていて、カラーテレビも無く映画の優位性を発揮できた時代ならではの映画だろう。

 『BUNGO〜ささやかな欲望〜 見つめられる淑女たち』

2012年、日本、カラー、1:1.85、94分、日本語
2014/02/21(金)〜2014/02/22(土)鑑賞、WOWOW放映
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注文の多い料理店」 ★★
【監督】冨永昌敬【原作】宮沢賢治
【出演】石原さとみ宮迫博之、他
<ストーリー>
 1970年頃、同じ会社に勤める不倫カップルの男女2人が山に狩猟に来たが、手切れ金を貰いたいのと払いたくないの思いで、2人とも別れ話を切り出せないでいた。
 夕暮れになって空腹を感じ、山中のレストランを見つけて入ったが、そこは獣が人間を食べるためのものだった。
<感想>
 ブラックユーモアのストーリーを軽く楽しめるように作られた作品。
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「乳房」 ★☆
【監督】西海謙一郎【原作】三浦哲郎
【出演】水崎綾女、影山樹生弥、他
<ストーリー>
 太平洋戦争の最中、乳房が膨らんできたことを悩んでいた少年が、出征した夫に代わって床屋を営む女の乳房を目にし、後日彼女に自分の悩みを打ち明けると、彼女は寂しさもあって自分の胸を触らせ、それから少年は元の男の胸に戻った。
<感想>
 どうもストーリーをなぞっているだけに見える。
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「人妻」 ★☆
【監督】熊切和嘉【原作】永井荷風
【出演】谷村美月大西信満、他
<ストーリー>
 昭和22年の住宅街、一軒家の2階に間借りした男は、気のいい家主の妻の夜の声に耳をそばだてて悶々とし、昼も彼女の白昼夢を見ていた。
 男が夜に帰ると、夫の留守中に空き巣に入られて縛られている妻を発見し、このことを2人の秘密にすることで2人は親しくなった。
<感想>
 本作も、作り手が制作意欲にあふれているという感じが、観る方には感じられない。

 『ビフォア・ミッドナイト』 ★★★

【原題】Before Midnight(意味「夜中前」)
2013年、アメリカ、カラー、1:1.85、108分、英語&仏語&ギリシャ語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作】リチャード・リンクレイター、他
【出演&脚本】イーサン・ホークジュリー・デルピー、他
2014/02/04鑑賞、ル・シネマ2(約60人/約150席)
<ストーリー>
 9年前、パリを発つはずだったジェシー(ホーク)は結局パリに居続け、セリーヌ(デルピー)との間に双子の娘ができていた。
 家族で旅行でギリシャにいたところに来ていた前の妻との間の息子がアメリカに帰国するのを見送ったジェシーは、息子の近くに居たいのでジェシーに仕事を辞めてアメリカに来てくれないかと言い出したことから、2人の間に波風が立ち始めた。
<感想>
 『ビフォア・サンセット』(2004年)の続編で、もう一度同じような展開で同じような手法だったら面白くないかもしれないと思っていた。
 前作は過去の恋愛と現在を見つめるような作品だったが、本作では家族に対する意識と、人生半ばを過ぎて死ぬまでの人生を意識し始めていて、続編の意義をちゃんと感じられた。

 愛し合う二人が、お互いの関係を明確にしようと話し合ほど、現実とかけ離れたところでの言い合いで気まずくなったり、非現実的な作り話がむしろ現実にとって有益だったりで、人間って自分たちが思っているほど現実をちゃんと見れているのか?恋って幻を見ているようなものなのか?などと、人間の面白おかしいところまで感じさせてくれる映画だった。
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 『ビフォア・サンセット』 ★★★

【原題】Before Sunset(意味「日の入り前」)
2004年、アメリカ、カラー、1:1.85、80分、英語&仏語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作&原案】リチャード・リンクレイター、他
【出演&脚本】イーサン・ホークジュリー・デルピー、他
2014/01/14鑑賞、NHK-BSプレミアム放映
<ストーリー>
 9年前に旅先で出会って一夜を共にした女性とのエピソードを元に書いた小説で世界的に有名になったジェシー(ホーク)がパリでサイン会を開いた時、その女性セリーヌ(デルピー)が訪ねて来て、ジェシーアメリカの妻子のもとに帰る旅客機が出発する夕方まで、2人でパリの街をさすらいながら会話をする。
<感想>
 『恋人までの距離(ディスタンス)』(1995年)の続編だが、そちらは未見のままで鑑賞。
 過去を振り返りながら「たられば」の想いにふけるという微妙な感覚を、ほぼ全部とりとめのない会話だけで表現するという繊細さを要求されそうな手法で描き、絶妙に上手く出来上がった作品。
 でも、この手法は一発ネタみたいなもので、同じことをやっても陳腐な二番煎じに思えてしまうのではないかと感じるのだが、果たして続編の『ビフォア・ミッドナイト』はどうなっているのか?
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 『ポール・ヴァーホーヴェン/トリック』 ★★

【原題】Steekspel(【蘭】勝ち抜き戦) / Tricked(【英】仕掛けられた)
2012年、オランダ、カラー、1:1.66、89分、オランダ語&英語(日本語字幕)
【監督&脚本】ポール・ヴァーホーヴェン、他
2014/01/31(金)鑑賞、ヒューマントラストシネマ渋谷2
 ヴァーホーヴェン監督が、冒頭4分間だけをまず作り、それ以降の脚本を公募で決めて作ったという中編で、それに加えて前半がメイキングになっている。
 後半のドラマ部分自体は良くまとまっていたと思うが、実験的な試みを取り入れてまで作ったことの成果はよく解らなかった。
 なにしろ肝心の決定稿を決めるまでのプロセスが、前半のメイキング部分でも「多数の公募の作品のそれぞれの良い部分を組み合わせるのは大変だった」と監督が語っている以外、何故か何も描かれていないのだから。

 まさか、世界向け原題が「Tricked」なのは、日本から帰国した女のことを指しているのではなく、本作そのものに仕掛けがあるということだったりして???
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 『HAZARD』 ★☆

2002年、日本、カラー、1:1.85、103分、日本語&英語
【監督&脚本&原作】園子温
【出演】オダギリ ジョー、ジェイ・ウエスト、深水元基、椋名凛、萩原明子、村上諭、石丸謙二郎池内博之、他
2014/01/30(木)鑑賞、Web
<ストーリー>
 日本や日本での大学生生活が「眠い」と感じたシン(オダギリ)は、危険を求めてニューヨークに行きそこで麻薬入りアイスクリームの製造販売やコンビニ強盗をしているリー(ウェスト)とタケダ(清水)と出会い、戸惑いながら仲間になっていった。
 しかし、彼らからピンハネしていた悪徳刑事たちと打ち合いになって仲間は捕まり、逃れて帰国したシンは渋谷のギャングたちと小競り合いを始めた。
<感想>
 『自殺サークル』の次の園子温作品のようだが、それ以前の彼の作品は専ら「窮屈な現状を打ち破ろうともがき苦しむ」もので、作り手と解り合えるタイプの作品ではなく、本作もその流れに一応当てはまりそう。
 一方で、日本に居づらくなってニューヨークに行ったはずが、そこでも戸惑い続けるのを見て、打ち破ろうというよりは及び腰なのは違うかな?と思った。
 でも、主人公の設定の意図を探る価値はなさそうで、これ以上興味がわかない。
 娯楽としては、主人公が及び腰のせいか、面白くなかった。