シネサルの「映画のブログ」

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 『しんぼる』『ドレッサー』、インターネットで見かけた「勘弁してほしい」映画のレビュー ☆

『しんぼる』
 『しんぼる』について、下記のような内容の文章を目にした。(場所失念)
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  松本人志が着ているパジャマが、ものすごくセンスが悪かった。
  それを見て、松本監督には映画のセンスが無いと判ったので、『しんばる』を観るのをやめた。

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 さぞかし、「自分は『一を見たら十が判る』ほどの目利きのできる人」だと思い込んでいるのだろう。
 もちろん、映画の登場人物の中には「センスの悪い人」という役がありえるから、上記の考え方は通用しないことは誰だって解ることで、そんなことを言っちゃうなんて信じられないレベルの低さ。
 『しんぼる』のあらすじを見た人なら、理不尽に白一色の部屋に男が閉じ込められる話だから、理不尽に悪趣味なパジャマを着せられる設定だって普通に考えられる。
 実際、あのパジャマを選んだ理由についての松本監督のコメントは「自分では絶対に着ようと思わないもの」だった。
 どうやら世の中には、「いい映画がもっと増えて欲しい」とは思わずに、「悪口を言えるようなダメ映画」が現れると、待ってましたとばかりに張り切る「エセ映画ファン」【参照】がいるらしい。
 そのくせ、1人で悪口を言う度胸は無いのか、同じことを言っている人を探したりしているらしい。
 悪口を言うのが目的だから、相手が無名の映画監督なんかではなく、言い甲斐がある有名人監督の作品を専ら相手にするわけだ。
 そして有名人だからこそ、評判が悪いとか、ヒットせずに興行成績が低迷したとか、不幸な目に会ったときの落差の大きさが重要なわけだ。
 『しんぼる』は、同時期に火天の城TAJOMARUが公開され、この3作品はどれも公開スクリーン数が200ぐらいで、最終的な興行収入も同じぐらいだったはずだけど、良くも悪くも注目されたのは圧倒的に『しんぼる』。
 他の2作品は『しんぼる』より多額の制作費がかかっているはずだから、コケたという意味ではそっちの方がヒドいはずなのに、『しんぼる』ほど話題にもならない。
 作品はまず人々に注目されないことには作った意味が無いようなものだから、その意味では『しんぼる』の圧勝。
 そして、『しんぼる』をコキおろしてやろうとしていた人々こそがその圧勝の功労者なわけだから、まさに「アンチもファンのうち」の言葉通り、『しんぼる』を負かすつもりが逆に負かされたことになる。
 まぁそもそも、『しんぼる』に対して負けたかどうか以前に、数々の映画をフラットに扱えなかった時点で、その人は自分自身に負けてたことになるんだけどね。
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『ドレッサー』(1983 英、監督:ピーター・イェーツ、主演:アルバート・フィニー)
 『ドレッサー』の登場人物の設定を知りたくなって、映画のデータベースなどを見たのだが不十分で、Amazonでビデオパッケージの販売ページにあるあらすじでも見ようと思った。
 すると、そこにあった『ドレッサー』(VHS)のカスタマーレビューの中の1つが、本当に酷い内容だった
 どう酷いかというと、10行ぐらいかけて偉そうな物言いで書いている割には、『ドレッサー』に関する内容は「失望」「つまらない」の2文字分だけ。
 何に失望したのか、どこがつまらなかったのか、具体的な内容は一切無い。
 「失望」「つまらない」以外の残りの文章から感じられるのは、「イギリス映画は総じて駄目」と言い切って偉ぶってみせたいという下心だけ。
 しかも、こんな奴にAmazonの「ベスト500レビュアー」の称号が付いているのが、Amazonの読者のレベルの低さも表している。
 私は、「口コミサイトは、ポピュラーなところほどレベルが低い」という説を唱えている。
 初期の少人数のうちは、目的意識が高い人が揃って、敷居が高い状態。
 でも、人数を増やそうとするために敷居を低くするか、もしくは人数が増えると自然に敷居が下がるのか、「鶏か卵かどっちが先?」みたいな話だが、とにかく書き込み人数が多いところほどレベルが低くなり、Amazonはその最たるものか?
 あと、Amazonのベストレビュアーは比率ではなく数によるランキングだから、たくさん書いている暇人じゃないと上位にランキングできないというのもあるだろうな。
 ある意味、「暇人ランキング」と言えるか?
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