シネサルの「映画のブログ」

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 日本インターネット映画大賞2009<日本映画部門>投票

  日本インターネット映画大賞への投票、兼、私が選んだベストテンと個人賞です。
【作品賞】
  「愛のむきだし         」   4点 (★★★☆ 【感想】
  「余命1ヶ月の花嫁       」   4点 (★★★☆ 【感想】
  「ディア・ドクター       」   3点 (★★★ 【感想】
  「ロボゲイシャ         」   3点 (★★★ 【感想】
  「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」   3点 (★★★)
  「空気人形           」   3点 (★★★)
  「ポチの告白          」   3点 (★★★ 【感想】
  「オカルト           」   3点 (★★★ 【感想】
  「あんにょん由美香       」   3点 (★★★)
  「劔岳 点の記         」   1点 (★★☆ 【感想】

【コメント】
 ここ数年間、メディアなどでは
  「邦画が洋画のシェアを上回った」
  「毎週の興行収入ランキングで、邦画が半数以上を占めるようになった」
などと、邦画が好調で大衆に支持されているように報じられることが目立ちました。
 でも、その間でも私は常に
  「邦画はこのままでは(質的に、そしていずれは興行的に)危ない。」
と言い続けてきました。
 結果は、今のところ私の方が正しかった(というより、メディアが嘘つき或いは目が節穴)ようです。
 ベストテンを選ぼうとした結果、9本しか選べなかったことは、去年の不作ぶりを反映しているのか?
 (せっかくの10本の枠を有効利用するために、今の邦画の作り手に欠けている「志」「心意気」が素晴らしかった『劔岳 点の記』を加えたけど。)
 不作というよりは、「まともな映画」と「ダメ映画」の二極分化がハッキリしてきていると言った方が正確。
 『ディア・ドクター』や『空気人形』のような、つかみどころのない世の中を反映したような、日本ならではの作品が作られる一方、予告編程度の映像を見ただけでテレビドラマのような安っぽい見てくれの映画だと判るものや、何のために作られたのかが解らない映画が多数ある。
 そんな「ダメ映画」が存在できるのは、作品のクオリティに対して作り手が無頓着なだけでなく、上に述べたように真実を伝えるという本来の使命に代わってスポンサーの宣伝組織と化してしまった芸能メディアが諸悪の根源。
 日本の映画に対する不誠実さを象徴的に表しているのが、日米のアカデミー賞の違いですね。
 主に自国(時には自国を差し置いて他国)の映画の良さをありのままに示しているのに対し、日本のはイメージ捏造作業を見せられている感じ。
 まるで「大本営発表」か人民なんとか国の検閲みたいで、そんな世間を欺くようなことは間違いだということは歴史を見ても明らかです。
 映画ファンは、今こそ映画の存亡をかけて、これらダメ作り手やダメメディアを「敵」とみなして排除を訴えないといけない気がします。
 せめて映画賞だけは正直に、いい映画に脚光を浴びせようとする姿勢だけは見せて欲しいもんです。

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【監督賞】
   [ 廣木 隆一 ]  (『余命1ヶ月の花嫁』)

【コメント】
  「涙のために他人の不幸をネタにしているようなストーリー」
  「テレビっぽい映画を連発するテレビ局製作映画」
  「そんなテレビ局とつるんで儲ける東宝配給作品」
という悪い印象を抱く要因であふれている作品だが、それでも監督の真摯な姿勢と実力があれば全部ひっくり返すことが出来ることを示しました。
 今の日本は「監督なんて誰でもいい」みたいな感じで、テレビドラマの監督を安易に起用して、彼らの大半がものになっていない。
 やはり監督の人選は重要です。

【主演男優賞】
   [ 浅野 忠信 ]  (『ヴィヨンの妻』『劔岳 点の記』)

【コメント】
 本当は常連っぽい人はいまさら選んでもしょうがないと思うんだけど、特に『ヴィヨンの妻』では絶品でした。

【主演女優賞】
   [ 榮倉 奈々 ]  (『余命1ヶ月の花嫁』)

【コメント】
 俳優賞を決めるにあたって、「演出のおかげ」「作品に恵まれた」などの要因を排除すべきか?といえば、そんなことはなくて状況が芝居に影響するのは当然のことで、それら全部を含めて最終的に演技が良かった人を選べばいいと思う。
 彼女の演技は本当に良かったと思うし、賞ってこういうときにこういう人にあげるべきというタイミングがあると思う。
 (『下妻物語』の深田恭子とか。)

助演男優賞
   [ 新井 浩文 ]  (『劔岳 点の記』『蟹工船』(★★ 【感想】)『ヴィヨンの妻』『クヒオ大佐』(★★☆ 【感想】)『蘇りの血』(★☆ 【感想】))

【コメント】
 どんなにチョイ役みたいでも、ほとんどの作品で印象に残っているのは凄い。

助演女優賞
   [ 仲 里依紗 ]  (『パンドラの匣』(★★)『ハルフウェイ』(★★☆))

【コメント】
 『ディア・ドクター』『空気人形』の余貴美子でも良かったんだけど、やっぱり常連ははずして、新人賞的な意味も加えて。

【新人賞】
   [ 渡辺 大知 ]  (『色即ぜねれいしょん』)

【コメント】
 他の候補者は、
  金澤美穂 『はじめての家出』『60歳のラブレター』
  西島隆弘 『愛のむきだし
  高良健吾 『フィッシュストーリー』『蟹工船』『禅 ZEN
  AKIRA 『ちゃんと伝える』『山形スクリーム
 ちなみに、もし安藤サクラが2009年の新人賞に選ばれたら、既に2008年で投票済みの私には複雑な気持ちになるだろうから、一歩進んでいたことに対して「偉い」と言って欲しい。

【音楽賞】
  『愛のむき出し』

【コメント】
 今年一番印象に残った映画の中の音楽は、延々と鳴り続いていた「ボレロ」かなぁ、やっぱり。

【ブラックラズベリー賞】
  『60歳のラブレター』 (★★ 【感想】

【コメント】
 最初に断っておきますが、『60歳のラブレター』が最低の出来の映画ってことではないです。
 演出の面ではまだマシで、これ以下の映画はたくさんあったけど、それらはわざわざ取り上げる価値も無いだけ。
 『60歳のラブレター』の問題点は、最近の日本映画にはびこる、「客なんて泣けりゃいいと思ってるんだろ?」な発想でベタに作られている映画だということ。
 60歳ごろに直面する退職や老いなどの問題に対して、正面から向き合って現実を反映して作れば立派な人生ドラマになったはず。
 ところが、ここではそんな問題は単なる泣かせのための道具でしかない。
 突然ふってわいた不幸に登場人物が「これを見て泣け」と言わんばかりの泣きの芝居。
 それがご都合主義な展開で何もしないで解決して、一転笑顔でまた泣かせ狙い。
 現実社会では、困難に直面した人間は克服しようと努力したり、「自分が間違ってたんじゃないか?」と反省したり後悔したりで傷つくのは当たり前。
 ところがこの映画はそんな人生の深みやダークサイドには踏み込まないで、上っ面だけ見せてベタに泣かせを狙っているだけ。
 こういう感動の安売り映画って、ケータイ小説が原作の若者向け映画に多い印象だったけど、なんのことはないいい年した高齢者も一緒。
 『ALWAYS/三丁目の夕日』(★☆ 【感想】)なんかを観て「昔は良かった」と言っていた当人たちが、その悪くなったらしい今の日本を作った張本人だということを棚に上げていたことを思えば、そんな虫のいい人たち向けの映画はこうなっちゃうということか?
 ニワトリが先か?卵が先か?
 映画の作り手が悪いのか?受け手が悪いのか?

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【勝手に「この映画を見習え!」賞】
  『ドロップ』 (★★☆ 【感想】

【コメント】
 今の日本映画に見られる悪い傾向として、「良く出来た映画」を目指し過ぎるあまり、エモーションやスケール感に乏しい矮小化された作品が多くなった。
 (例、『フィッシュストーリー』(★★ 【感想】)、『重力ピエロ』 (★★ 【感想】))
 映画はウェルメイドであることより、『ドロップ』のように熱くなれることが絶対に重要。

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