2007年、日本(東宝)、カラー、1:2.35、119分、日本語
【監督】森田芳光【脚本】菊島隆三、小国英雄、黒澤明【原作】山本周五郎「日日平安」
【出演】織田裕二、豊川悦司、松山ケンイチ、鈴木杏、村川絵梨、 佐々木蔵之介、風間杜夫、西岡徳馬、小林稔侍、中村玉緒、藤田まこと、他
2013/06/13(月)鑑賞、WOWOW放映
黒澤明監督作品のリメイク。
脚本や構図レベルで、ほぼオリジナルと同じ。
オリジナルが、面白さで言えば世界映画史上5本の指に入るような超有名作品なので、そんな前作を基本的になぞっただけのリメイクなら、比較される宿命にあるという巨大なハンデ。
なおかつ、オリジナルの面白さの最大の要因が、主要登場人物約20人全員のキャラが立っているという奇跡のキャスティングにあるので、彼らをタイムマシンで呼び戻さない限り、オリジナルを越える期待度は限りなくゼロ。
そんなわけで、「あぁ、思った通りダメだった」ということを確認しながら観ることになるだろうという、予想通りの結果だった。
ただ、改善の努力の跡を挙げると、中盤の斬り合いのシーンで、三十郎が無抵抗の男たちまで斬り殺したのはオリジナルの欠点だったけど、リメイクでは全員抵抗するように変わっていた。
赤と白の椿の花の設定が、オリジナルのモノクロ映像では黒と白にしか見えなかったのを、カラーになったことで赤と白はもちろん、ビンクも見分けられることも強調してみせている。
クライマックスの1対1の真剣勝負は、オリジナル脚本でも「想像を絶することが起きる」といったことだけで、具体的なことは何も書いてなかったので、リメイク版も脚本通りなのだが、さすがにここはオリジナル通りにするのは芸が無さすぎなので、全く別の殺陣にしていた。
ただ、オリジナルは動きが速すぎて何が起きたか判りにくいのに対し、こっちはアップとカット割りが激しすぎて判りにくいので、それは見せ方が悪いということになるのでは?