シネサルの「映画のブログ」

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 『クローンは故郷をめざす』 ★★

2008年、日本、カラー、1:1.85、110分、日本語
【監督&脚本】中嶋莞爾【エグゼクティブプロデューサー】ヴィム・ヴェンダース 【美術監修】木村威夫
【出演】及川光博石田えり永作博美嶋田久作品川徹、他
2013/07/17(水)鑑賞、NHK BSプレミアム放映
<ストーリー>
 子供の頃、自分のせいで双子の弟を事故で亡くし、悲しむ母のために弟のふりをしたりしていた男が、宇宙飛行士になって宇宙空間で事故死する。
 しかし、生前万一の時のために作られたクローンが、彼の記憶を吹き込まれて、生前の彼として目覚める。
<感想>
 冒頭のSF的雰囲気が『ガタカ』っぽかったり(兄弟の話だし宇宙が出てくるし)、現在と回想と妄想を区別せずに混ぜ込んで、現実と観念が入り混じるのは『惑星ソラリス』っぽい(妙に雨が降ったりモヤってたりするし)。
 でも、どうやらメインテーマは、肉親を亡くした喪失感をうめるという、生っぽいことのように思える。
 そして、それを前述のSF的設定い溶け込ませるために、クローン(双子含む)がオリジナルの霊と共振する説を唱える科学者を登場させたりの、(基本的にSFと相性が悪い)オカルト的設定まで用意されている。
 そんなわけで、設定とか表現スタイルなどがテーマと合ってなくてうるさく、統一感がなく頭でっかちな印象の作品だった。
 表現が説明的でないところはちょっと気に入ったんだけど。