シネサルの「映画のブログ」

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 『戦場でワルツを』 ★★★

【原題】Waltz with Bashir(意味「バシール(レバノン大統領)とのワルツ」)
2008年、イスラエル⁼ドイツ⁼フランス⁼アメリカ、カラー、1:1.85、90分、ヘブライ語&アラビア語&独語&英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作&声の出演】アリ・フォルマン、他
<ストーリー>
 1982年にレバノンでの戦争に従軍していたイスラエル人の監督自身が、当時の記憶がなくそれを思い出すためにかつての戦友たち等に会う様子を描いた、一部再現ドラマも含まれるドキュメンタリー的作品。
 彼らと話し合ううちに、親イスラエルバシール大統領を暗殺したPLOへの報復として、レバノン人がパレスチナ難民に虐殺を行いイスラエルが後押しした「サブラー・シャティーラ事件」に関する記憶がよみがえってきた。
<感想>
 従軍時の記憶が曖昧な監督自身がそれを取り戻そうとすことが作品の中心になっているので、イメージの曖昧さを表現するために実写映像を元にアニメ映像に置き換えた手法は狙い通り上手くいったと思う。
 特に、一部の実写映像との対比にはドキッとさせられた。
 作品の大半が曖昧な記憶を元にした回想シーンなので、戦争を直接的に明確に描いているのではないのだが、逆に記憶を自分に都合よく作り変えてしまわなければならない程の過酷な体験だったことは感じられた。
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