シネサルの「映画のブログ」

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『ミックス』(2015) ★☆

公式サイト:https://www.facebook.com/MIXShortMovie/
2015年、日本、カラー、1:1.78、日本語、24分
【監督&脚本】松本動
【出演】咲音、古澤裕介、他
2018/10/16(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/10/16(火)鑑賞
【ストーリー、ネタバレあり】
 5歳の女の子の夕日(咲音)は、一人で目覚まし時計で目覚めて、リュックを背負って家を出て保育園を通り過ぎ、別れた父親と行った思い出の場所に行って父を思い出そうとしたが、行き方が判らず河原で途方に暮れていた。
 そこに、離婚した元妻子から養育費の催促を受けているオジサン(古澤)が通りかかって彼女を気にかけて話しかけ、富士山の絵を見てその場所に連れて行ってあげることにした。
 2人は、絵に描かれた展望台に行き、その後やはり父と行ってアイスクリームを食べた思い出がある湖畔の店に行った。
 しかし、そこに刑事たちが現れて、オジサンは誘拐容疑で拘束され、保護された夕日はパトカーの中で泣きじゃくった。
【感想】
 咲音が夕日を演じる短編作品を、彼女が20歳になる15年後までに5年毎に4作品撮り、最終的に編集し直して1本の長編作品にするという、『6才のボクが、大人になるまで。』(2014)的なプロジェクトの1作目。
 でも、このやり方って、そんなに効果があるのかが上手く実感できない。
 人生、明日にでも何が起こるか判らないから、別な俳優で一気に完成させちゃう方がリスクが少ないと思うが。
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 クレジットを除いた尺が22分なので、単純計算だと約90分の短めの長編になるが、実は短編版はかなりのシーンを端折っていて、もっと長い長編になるのではないかと思う。
 その理由は、展開が唐突で抜けている情報が多いと感じたから。
 夕日ちゃんのお母さんはどこにいるの?
 スーツ姿で外出して夕日ちゃんに付き合うことに予定を変更したオジサンは、どこに行こうとしてたの?仕事をサボったの?
 オジサンは、夕日ちゃんの絵を見ただけで、なぜ彼女がそこに行きたがってると気づけたの?
 刑事は何故2人の行動と夕日ちゃんの名前を知ってたの?(まるで誰かが通報したかのように)
 普通は警察官が対応するような現場に、なぜ刑事(それもいかつ過ぎる感じの)が現れたの?
などなど。
 これらとは別に、「離婚してからしばらくたっていたので、2人とも所見では気づかなかったが、オジサンが夕日ちゃんの名札の名前を見て実の娘だと気づいた」かもしれないと思って観ていた。
 それに関しても情報不足(もしくは敢えて隠した)で、親子か他人か判別できないままの時間がしばらく続き、夕日ちゃんの父親との思い出の場所にオジサンは行ったことがないみたいだったことで、やっと他人だと判った。
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 あと、ストーリーが『シベールの日曜日』とそっくり。
 仮にパクったとしてもそれが悪いとは思わないが、似ていると気づいたらどうしても比べてしまう。
 比べられる作品が名作中の名作だったりすると、分が悪いだけで良いことは何もなさそうなので、偶然であっても似てしまうのは避けた方が良いかな?
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 そんな感じで、つまらなかったというより色々と細かいことが気になり過ぎた。
 この作品の本番は、あくまで2030年完成予定の長編版の方かもしれない。
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 1日で全編撮影したと思うが、最初はてるてる坊主がぴったりくる曇り空だったのが、肝心の富士山の方に行ってからは天気が良くなった。
 ただ、富士山が雲に隠れていたのは残念だったかな?