原題:La bataille de Solférino
2013年、フランス、カラー、1:1.85(オリジナル) 1:1.78(放映版)、98分
フランス語、日本語字幕:本多茜、日本未公開
監督&脚本:ジュスティーヌ・トリエ
2025/04/28(木)05:45 WOWOW ch191放映
2025/05/23(金)鑑賞
【あらすじ】
テレビレポーターの仕事が忙しい女が、
幼い子供2人をベビーシッターに委ねて、
大統領選の結果を待つ群衆がいるソルフェリーノ通りにテレビ中継に行くが、
元夫が彼女の家に行って、
子供達と会う権利があるから中に入れろと言っていざこざが始まり、、
シッターからの電話を受けた母は、
家は危ないから子供をソルフェリーノ通りに連れて来いと言った。
【感想】
中道右派のサルコジ大統領と、
社会党のオランド候補とで争われた、
2012年のフランス大統領選における実際の群衆の中で、
劇映画のゲリラ撮影を行った作品。
映画を観た上では、
それぞれの支持者達たちが激しく相手をののしり合っていて、
「分断」と言えそうな状態。
そんな社会の分断についてを描くために、
子供に会いたい男と、
会わせたくない女(子育てがおぼつかない)と、
それぞれの関係者達が、、
相手の話を聞かずに、一方的に悪口を怒鳴り続けて𠮟責するといった、
話し合いができない様子を描いて重ねている。
そんな元夫婦たちの罵り合いは、
夜になって、街も静けさを取り戻した時に、
何となく収まるストーリー展開になっていることで、
社会の分断も解消可能だという願望を示しているのだと思う。
とはいっても、
劇中の人達が「関係性が良くなった理由は何か」は、
具体的には全く示していないから、
現実世界にはほとんど役に立たない作品なのだが。
結局、登場人物がほぼ全員、
「相手の話を聞かない人」
「自分のミスを認めない人」
で、
その状況のひどさをいやというほど味わうことができて、
「特に他国にはそんな人が多いから、
やっぱり話し合いや相互理解は期待できない」
という感想になった。
この「一方的に罵るだけのバカな人達による成立しない会話」が
観ていてウンザリさせられるのだが、
そう思わせるように上手く作られたのだったら凄いけど、
あれが一般的なフランス人の実態でしかない可能性もあるので、
「監督の成果か?」は不明で、評価は保留。