テレビ局のキャンペーンあるいはイベントのための番組と思って何の気なしに観始めたんだけど、番組のつくりがどうだろうと、死後10年ぐらいも経つというのにとにかく岡本太郎が相変わらずカッコいいのに圧倒されてしまった。
彼は自分を良く見せようと思わない、自分を一番認める人間である自分自身を信じていて他人の意見に惑わされない、人間が内に持つワイルドさを認めて世の中をきれいごとだけで見ない。
自分を規格内の善人グループに無意識に含め、そこからはみ出る人々を軽蔑し除外しようとする、「視野のせまいいい子ちゃん」がはびこる今の日本においては、失敗や逸脱を恐れない太郎のような人間がますます望まれる。
そんな太郎を紹介する番組なんだから、時々感動エピソードに落とそうとする番組の展開は、太郎のキャラの前では空回りに終わった。
でも、相変わらず美辞麗句を並べることに気持ちを100%注ぎ対象となるものには1%の想いも持たない、それに常にトークの前面に自分を出して番組内容に合わせて引いてみせることもしない、福沢朗の司会だけはホントじゃまくさい。そんなの太郎のキャラと正反対じゃん。
除幕前の出し物で、猫ひろし(ある意味「何だこれは!」の太郎に一番ふさわしい)、パラダイス山元、遠藤賢司など結構すごいメンバーで、締めは山下洋輔でこりゃまたカッコいい。