シネサルの「映画のブログ」

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『初春狸御殿』 ★☆

1959年、日本(大映)、カラー、1:2.35、84分、日本語
【監督&脚本】木村恵吾
【出演】市川雷蔵若尾文子勝新太郎中村玉緒水谷良重中村鴈治郎(二代目)、菅井一郎、トニー谷江戸家猫八三遊亭小金馬左卜全楠トシエ、他
2015/01/08(木)13:00 NHK-BSプレミアム放映、同日鑑賞
<物語>
 かつてカチカチ山でウサギにしてやられたタヌキの泥右衛門(菅井一郎)は、ニワトリを盗んで人間に追われ、娘のお黒(若尾文子)と共に逃げるうちに狸御殿に迷い込んだ。
 そこのきぬた姫(若尾、二役)は、無粋なタヌキより人間に憧れ、隣国の若君の狸吉郎(市川雷蔵)を御殿に招待しての見合いの直前に、人間と結婚すると言って屋敷を飛び出した。
 家老(中村鴈治郎)たちは御殿の存亡を賭けて、お黒を姫に仕立てて狸吉郎と見合いさせ、家臣や腰元たちによって狸まつりが盛大に始まった。
 一目ぼれした狸吉郎が頻繁に御殿に会いに来るようになり、お黒が良心にさいなまれ、泥右衛門の家に帰ってくると、人間界から期待外れで帰ってきた姫がお黒の出世の邪魔にならないように捕えられていた。
 2人は入れ替わって、姫は狸吉郎と結ばれた。
<感想>
 一連の「狸御殿」映画は、オペレッタ映画として一つのジャンルのようなものだと思われるが、『オペレッタ狸御殿』しか観たことなかったので、ほぼ無知。
 『初春狸御殿』は、今の日本にあてはめれば「NHK紅白歌合戦」に近い印象。
 ただでさえ万人受け狙いで温めな作りの紅白の、その先鋭的な部分も削ぎ落したような作りで、ゴージャスな映像と歌の雰囲気をより気楽に楽しめることを狙っているような感じ。
 よって、現在では成立しにくい映画で、娯楽の種類も限られていて、カラーテレビも無く映画の優位性を発揮できた時代ならではの映画だろう。