【原題】"The Fourth Kind"、(英語、意味「第4種(接近遭遇)」)
2009年、アメリカ、カラー、1:2.35、35ミリ上映、ドルビーデジタル/DTS/SDDS、99分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本&原案】オラントゥンデ・オスサンミ、他
【出演】ミラ・ジョヴォヴィッチ、他
2009/12/28(月)17:00-18:55鑑賞、WMCつきみ野9、約15人/約500席
ストーリー的には実際の録画と録音を素材に作られた実話となっているが、映像的には紛れも無く劇映画。
劇映画として面白くしようとしている形跡があまり感じられないのは、実話っぽさを強調させたいがためにドラマチックな展開を避けたからだろうか?
そのせいか展開が唐突だったので、普通の劇映画のように盛り上がるような展開にするとか、とにかく面白さを目指した方が良かったと思う。
日本映画でこの手の題材の映画なら、ビデオ撮りと再現フィルムの両立ではなく、登場人物が常にビデオ撮影をしている設定にして、その記録を編集して作品を作ったという形にするだろうが、この方が自然だろう。
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『アバター』 ★★★
【原題】"Avetar"、(英語、意味「分身」)
2009年、アメリカ、カラー、1:2.35(IMAX以外)/1:1.78(IMAX版)、ビデオ上映 3D(Real D)、ビデオ撮影、162分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作&編集】ジェームズ・キャメロン、他
【出演】サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ミシェル・ロドリゲス、CCH・パウンダー、他
2009/12/25(金)17:35-20:35鑑賞、WMCつきみ野1、約50人/約300席
「『アビス』(★★★☆)の人物設定」 + 「『もののけ姫』(★★★☆)の舞台設定」 + 「『ダンス・ウィズ・ウルブス』(★★★☆)のストーリー」といった感じ。
3つの映画の共通点である『大自然などの、人知を超える大きな存在に対する畏れ』、解りやすい言葉でザックリ言えば「エコロジー」は、『アバター』でも描かれている。
とはいっても、10年以上前の3作品と似た映画を改めて作る必然性が無いかと言えば、問題の重要性がむしろ益々問われる状況になってきているので、『アバター』の存在意義はとても大きい。
3作品との違いは、エコロジーと敵対する相手が、資本主義とそれの手先と化している軍隊(つまり帝国主義)であることはまさに現実そのままなのだが、それを名指しで非難している形になってこと。
そして、資本主義などの西欧的な考え方に対抗するものとして、八百万の神のような東洋的思想を示している。
難点としては、環境破壊の危機という内容はまさに今の地球上の問題なのだが、未来の他の惑星の話にしているので、描き方が直接的でないこと。
(それでも、ブルドーザーが森林をなぎ倒すシーンは、まさに今の地球上の映像そのものだったけど。)
さらに、『もののけ姫』で描かれていたように人間の営みと環境破壊の間の葛藤は一個人の中にもあるもの、つまり人間誰もが環境破壊者なのだが、『アバター』ではエコに敏感な善玉とエコに無関心な悪玉がすんなりと分かれ過ぎで、葛藤のプロセスは描かれてないに等しい。
そのため、環境破壊は誰か悪い奴のせいであって、自分は全く無関係だと思うという、間違った考え方に結びつきやすい。
映像的には、複雑さを表現できるテクノロジーやテクニックの向上はあるのかも知れないが、印象的なショットは少なかったと思う。
これって、CGは生身の人間などと比べて被写体として質感で劣っているからだろうか?
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『コネクテッド』 ★★★
【原題】保持通話 / Connected(意味「電話がつながった状態」)
2008年、香港=中国、カラー、1:2.35、35ミリ上映、ドルビーデジタル、110分、広東語&北京語&英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作】ベニー・チャン、他【原案】ラリー・コーエン
【出演】 ルイス・クー、バービー・スー、ニック・チョン、リウ・イエ、他
2009/12/22(火)16:20-18:10鑑賞、新文芸坐、約40人/約250席
これまでのベニー・チャン作品は、大破壊&大爆破の見せ場で押しまくる「やり過ぎ映画」の感があった。
それがここでは、「やりまくり」ではあっても「やり過ぎ」ではなくなっている。
つじつまが合ってなかったり、展開の都合が良過ぎるなど、程々の荒っぽさがむしろ映画を面白くしようという作り手の意気込みを感じさせる。
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『3時10分、決断のとき』 ★★★
【原題】3:10 to Yuma(意味「3時10分発のユマ行きの汽車」)
2007年、アメリカ、カラー、1:2.35、35ミリ上映、DTS/SDDS/ドルビーデジタル、122分、英語(日本語字幕)
【監督】ジェームズ・マンゴールド【原作】エルモア・レナード
【出演】ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル ダン・エヴァンス、ピーター・フォンダ、他
2009/12/22(火)14:00-16:10鑑賞、新文芸坐、約40人/約250席
『決断の3時10分』(1957年 ★★)のリメイクで、地味な作品だったオリジナルを、上手い具合に広がりのある映画に作り直せていた。
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2009/12/20(日)の日記 (『スター・トレック』(2009年)、M-1GP)
【12/20(日)、晴】
午後に『スター・トレック』(2009年 ★★☆)の録画を観る。
言わずと知れた往年のテレビと映画のシリーズの新作で、その主要登場人物たちの新米時代のエピソードを、新たなスタッフ&キャストで描いている。
こうした多数の固定ファンが既に存在する題材の新作は、大ざっぱに「内向き」と「外向き」の2種類に分けられる。
前者は、固定ファンを満足させることが第一の目標で、門外漢のことなど考えていないどころか、「無知」だと見下す取り巻きがいたりする。
こうしたシリーズの先行きは、「ゴジラ」のように高齢化&ジリ貧と決まっていて、「ガンダム」もそうなりつつあるだろう。
その点、この『スター・トレック』は見事に外向きで、何の知識のない人が観ても、見せ場が手際よく展開していく良く出来た新作の1つとして楽しめることが素晴らしい。
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夜に「M-1グランプリ」(★★)が放送されていたが、そんなに乗り気でない私は、録画して裏番組の「ショーケンの告白」(何故みのなんかに偉そうに言われなきゃいけないんだ?)や「松方弘樹の巨大マグロ釣り」の方を観ていた。
深夜に「M-1」の録画を観る。
乗り気でない理由その1は、前にも書いたけど1組4分は短すぎてせわしないこと。
その2は、コンペという番組スタイルへの疑問。
出演者たちは、1位になることに並々ならぬこだわりを見せる。
それは、優勝賞金1000万円が2位では0円という落差、1位のみ特別に注目されることと、それによる仕事量の増大、さらにはたとえ金銭が絡まないとしても、肩書きだけでも欲しいとか実力を認められたいとかいうモチベーションもあるだろう。
でも、視聴者の立場では「面白い漫才で2時間半楽しめること」が番組に対する純粋な目的であると思う。
だから、視聴者と出演者の温度差はあって当然だと思うのだが、何故か視聴者側が出演者たちのようにホットになっていることに疑問を感じる。
ホットになっているということは、視聴者も1位が誰かにこだわって観ているということだが、私に言わせればそれこそ、
「2位じゃダメなんですか?」
と蓮舫みたいなことを言いたくなる。
「1位を特別に崇めるということは、相対的に2位をおとしめることになるんじゃないの?」
「2位が悪かったなんて言い切れないでしょ?」
さらには、「9位だって悪いとは言い切れないでしょ?」
「面白い漫才が観たい」という純粋さとは別のところに番組が行ってしまったことで、何か大事なものを失っているような気がする。
個人的には、南海キャンディーズの漫才でピンとは違う山ちゃんの面白さを久々に楽しめたことが一番嬉しかった。
『キャピタリズム マネーは踊る』 ★★★
【原題】Capitalism: A Love Story(意味「資本主義:1つの愛の物語」)
2009年、アメリカ、カラー、1:1.85、35ミリ上映、ドルビーデジタル、127分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作&出演】マイケル・ムーア、他
2009/12/19(土)14:15-16:40鑑賞、TOHOシネマズシャンテ3、約200人/約250席
マイケル・ムーア作品は、一言で言えばとにかく明快で的確。
内容は、多くの人にとって身近で重要な問題。
作品はその問題解決の手段であり、目的第一なことが明確。
主張には必ず根拠も示す。
解決策も簡単(みんなで選挙に行く)。
はめを外す表現をしても、外し過ぎない。
そして、彼を批判したところで、彼の作品以上の代案も実績も出せていないことで、優位性を示せている。
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