シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 『アバター』 ★★★

【原題】"Avetar"、(英語、意味「分身」)
2009年、アメリカ、カラー、1:2.35(IMAX以外)/1:1.78(IMAX版)、ビデオ上映 3D(Real D)、ビデオ撮影、162分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作&編集】ジェームズ・キャメロン、他
【出演】サム・ワーシントンゾーイ・サルダナシガニー・ウィーバースティーヴン・ラングミシェル・ロドリゲスCCH・パウンダー、他
2009/12/25(金)17:35-20:35鑑賞、WMCつきみ野1、約50人/約300席
 「『アビス』(★★★☆)の人物設定」 + 「『もののけ姫』(★★★☆)の舞台設定」 + 「『ダンス・ウィズ・ウルブス』(★★★☆)のストーリー」といった感じ。
 3つの映画の共通点である『大自然などの、人知を超える大きな存在に対する畏れ』、解りやすい言葉でザックリ言えば「エコロジー」は、『アバター』でも描かれている。
 とはいっても、10年以上前の3作品と似た映画を改めて作る必然性が無いかと言えば、問題の重要性がむしろ益々問われる状況になってきているので、『アバター』の存在意義はとても大きい。
 3作品との違いは、エコロジーと敵対する相手が、資本主義とそれの手先と化している軍隊(つまり帝国主義)であることはまさに現実そのままなのだが、それを名指しで非難している形になってこと。
 そして、資本主義などの西欧的な考え方に対抗するものとして、八百万の神のような東洋的思想を示している。
 難点としては、環境破壊の危機という内容はまさに今の地球上の問題なのだが、未来の他の惑星の話にしているので、描き方が直接的でないこと。
 (それでも、ブルドーザーが森林をなぎ倒すシーンは、まさに今の地球上の映像そのものだったけど。)
 さらに、『もののけ姫』で描かれていたように人間の営みと環境破壊の間の葛藤は一個人の中にもあるもの、つまり人間誰もが環境破壊者なのだが、『アバター』ではエコに敏感な善玉とエコに無関心な悪玉がすんなりと分かれ過ぎで、葛藤のプロセスは描かれてないに等しい。
 そのため、環境破壊は誰か悪い奴のせいであって、自分は全く無関係だと思うという、間違った考え方に結びつきやすい。
 映像的には、複雑さを表現できるテクノロジーやテクニックの向上はあるのかも知れないが、印象的なショットは少なかったと思う。
 これって、CGは生身の人間などと比べて被写体として質感で劣っているからだろうか?
 (さらに更新された感想をこちらに載せるかもしれない。)
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