シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 『七夜待』 ★★

2008年、日、カラー、1:1.85、35ミリ上映、35ミリ撮影、ドルビーデジタル、90分、日本語/タイ語/フランス語
【監督&脚本】河瀬直美、他
【出演】長谷川京子村上淳、他
2008/11/02(日)12:30-14:10鑑賞、新宿武蔵野館2、約20人/84席
 結論から言えば、河瀬監督の前作『殯の森』と同じテーマの映画だと思うが、ショットの冴えという点で前作に比べて劣る。
 両作品とも、「客観的な現実」とか「相互理解」よりも、「主観的な信念(=思い込み)」の方が重要だと言っている映画だと思った。
 そのために、前作では認知症、『七夜待』では言葉が通じない&他人のことをすぐ決めつける人々という設定で、登場人物同士のコミュニケーションを絶っている。
 その上で、主人公たちが各自にとっての現実に対するイメージやフィーリングを自分自身で獲得していく姿を描いている。
 イメージやフィーリングといった、言葉では表現できないようなことを映画で表現しようという監督の思い入れはいいのだけれど、描く対象が「当人が獲得した、当人のみが感じ取れて、当人以外の人には同じように感じることが難しいモノ」になってしまっては、そんな観ても理解できない映画の存在意義って果たして何なのか?さらには、何を表現しようとしているのかを、演じる長谷川京子、そして監督すらちゃんと理解しているのかすら疑わしく思える。
 そのくらいはクリアしてなきゃいけないような気がするんだけど…。
 現状、あまりにも取り付く島がなくて…。

 2008/11/02(日)〜2008/11/08(土)の日記 (『七夜待』、ドイツ映画際、『トロピック・サンダー』、『GSワンダーランド』、怒りオヤジ3)

【11/02(日)】
 ドイツ映画祭(http://www.germanfilmfest.jp/)の『巨人ゴーレム』(★★)に行く。
 その前にハシゴする映画に、時間的に一番都合のよかった七夜待』(★★)に決める。
 ただし、『七夜待』は前日初日を迎えたばかりで、満席で観れないことを想定していくつかバックアッププランを考えながら、開映時刻の12:30の5分前ぐらいに新宿武蔵野館2に着くと、整理番号18番で入れた。
 最終的にお客さんは20人ぐらい。
 よくよく考えたら、河瀬監督の前作『殯の森』はカンヌで受賞しての単館上映だったのに対し、出品してなくて無冠で都心で2館で上映してる『七夜待』は、大盛況ということにならなくても不思議ではなかった。
 おかげで、先着プレゼントのシンハービールをもらえた。
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 終映は14:10頃で、まず『巨人ゴーレム』の会場の新宿バルト9に行き、上映後のシンポジウムの無料指定券をもらって(『ゴーレム』は指定前売券購入済み)、外に出て時間をつぶすためにドトールに行く。
 「ブレンドのS」と注文したつもりが、アイスコーヒーのSが出てきてしまったのだが、気の小さい私はそのままそれを受け取る。
 (それにしても、「ブレンド」と「アイスコーヒー」って聞き間違えるような言葉か?)
 開映時刻15:05の10分ぐらい前に劇場に戻るが、前の作品の上映が押していたので、お客さんの退場と準備を待ってスクリーン6に入場し、15:15頃から開演。
 お客さんは半分ぐらいの入りで約200人。
 サイレント映画を伴奏つきでの上映で、アリョーシャ・ツィンマーマン(ピアノ)さんとサブリナ・ツィンマーマン(バイオリン)さんが紹介されて、本編の上映が開始。
 上映されたのは、国別に異なる複数バージョンを元にオリジナルに近づけるべく復元されたモノクロの着色版で、ビデオ素材をプロジェクターで上映。
 時々色ずれが気になるのは、原版のせい?バルト9のプロジェクターのせい?
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 終映後、シンポジウムの開演時刻17:30までにはまだ1時間ぐらいあったので、さっき行ったドトールにまた行って、今度はちゃんと「ブレンドのS」と言って注文どおりのもので一服。
 10分ぐらい前にスクリーン6に戻って、開演時刻とともにシンポジウムの前の短編映画『兄弟』(★★☆)の上映が始まる。
 10分ほどの上映時間の後、映画祭に出品した新作映画のドイツから来た関係者8人ぐらいに1人ずつインタビューが始まるが、シンポジウムは18:30までの1時間ぐらいなので、駆け足気味で進む。
 私が観ていないそれぞれの上映作品について質疑応答が繰り返されたが、映画の内容が解らないながらも色々と面白かった。
 18:30の終演とともに、サイン会には出席せずにそのまま帰宅。
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 先週第1回目を観たフジテレビ21:00からのエチカの鏡だけど、あの番組が有益な人はいるだろうが、私にとっては今更あのような番組に感化されることがなさそうなのと、気がつけば他にも美談番組が増えてきた胡散臭い状況が嫌になってきたので、今日は観なかったし、今後も観ることは二度とないかもしれない。
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【11/04(火)】
 今日は朝から都内で仕事だったので、慣れない朝電車のため、いきなり女性専用者に乗ってしまって、言われて隣の車両に移ったりした。
 通勤ラッシュがひどくなさそうなルートを選んで、問題なく都内で下車。
 夕方、仕事が終わって、ヤクルトホールで18:30からの『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』(★★)の試写会に向かうが、思いっきり時間に余裕があったので、品川駅の駅中でしばらく暇をつぶす。
 それにしても、駅ナカ、店多過ぎ。絶対やりすぎ。
 暇をつぶし終わって新橋駅まで東海道線で行き、さらに一暇つぶしてから会場時刻の18:00ごろにヤクルトホールへ。
 お客さんは定員550人の50%ぐらいの入り。
 終映は20:20頃で、ハシゴはせずにそのまま帰宅。
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【11/05(水)】
 九段会館で18:30からの『GSワンダーランド』(★★★☆)の試写会に行き、開映時刻の5分前ぐらいに入場。お客さんは1階席はほぼ満席。
 いやあ、思ったよりかなりいい映画だったが、いい映画だから出演者がみんな輝いて見えるのか?出演者全員を素敵に描いているからいい映画なのか?
 栗山千明はいつにも増して笑顔が輝いていて良かったのだが、さらに絶妙なキャスティングだったのがマナカナマナカナ史上一番カワイイかも。
 武田真治杉本哲太高岡蒼甫もその他みんな良かったけど、卑怯なのは岸部一徳だよな。なんたってホンモノだもの
 時代考証もほとんど問題無かったと思うけど、唯一気になったのは1967年にはUHFのテレビアンテナってまだ無かったんじゃないの?(UHFのテレビ放送が始まったのは確か1972年頃からで、更に東京だと開局間もないMXTV以前はUHFアンテナは皆無だったかも。)
 終映は20:15頃で、ギリギリまでハシゴの映画を探していたが、結局そのまま帰宅。
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【11/06(木)】
 いつも隔週で買っていた「Weeklyぴあ」が、今日発売分から隔週の「すすめる!ぴあ」に変わったので、先週買ったにもかかわらず買う。
 一見して、映画のタイトルインデックスが無くなったり、新作紹介と上映スケジュールのページが離れたりして、ますます使えなくなった。
 ひょっとしたら、「○○ウォーカー」とかの方がいいかもしれないので、再来週のタイミングで検討し直すことにしよう。
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 深夜、テレビ東京怒りオヤジ3」(★★★)アイドル志望の母VS野々村真
 面白いなあ。やっぱり「ココロにキク」とか「泣ける○」とか「感動××」とかみたいな、人間像を作りモノっぽく見せる番組より、生っぽいこっちの方がいい。絶対いい。
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【11/07(金)】
 深夜、『すっ飛び駕』(★☆)の録画を観る。
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 NHK「SONGS」矢野顕子の回の再放送を観る。
 清水ミチコのかつてのギャグ「10年前の矢野顕子」っていうのが、おそらく1970年代後半あたりの「私は天才ミュージシャン」みたいに生意気な歌い方をしていたころのことだから、あのギャグも20年ぐらい前のものなのか…。
 でも、久しぶりに「達者でな」を耳にしたら、やっぱり今だに桁違いの天才だと思う。
 糸井重里や本人は「あれはオカシイ」って言ってたけど。
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【11/08土)】
 名もなく貧しく美しく』(★★)の録画を観る。
 いろいろと、隔世の感がする映画だった。