2008年、日、カラー、1:1.85、35ミリ上映、35ミリ撮影、ドルビーデジタル、90分、日本語/タイ語/フランス語
【監督&脚本】河瀬直美、他
【出演】長谷川京子、村上淳、他
2008/11/02(日)12:30-14:10鑑賞、新宿武蔵野館2、約20人/84席
結論から言えば、河瀬監督の前作『殯の森』と同じテーマの映画だと思うが、ショットの冴えという点で前作に比べて劣る。
両作品とも、「客観的な現実」とか「相互理解」よりも、「主観的な信念(=思い込み)」の方が重要だと言っている映画だと思った。
そのために、前作では認知症、『七夜待』では言葉が通じない&他人のことをすぐ決めつける人々という設定で、登場人物同士のコミュニケーションを絶っている。
その上で、主人公たちが各自にとっての現実に対するイメージやフィーリングを自分自身で獲得していく姿を描いている。
イメージやフィーリングといった、言葉では表現できないようなことを映画で表現しようという監督の思い入れはいいのだけれど、描く対象が「当人が獲得した、当人のみが感じ取れて、当人以外の人には同じように感じることが難しいモノ」になってしまっては、そんな観ても理解できない映画の存在意義って果たして何なのか?さらには、何を表現しようとしているのかを、演じる長谷川京子、そして監督すらちゃんと理解しているのかすら疑わしく思える。
そのくらいはクリアしてなきゃいけないような気がするんだけど…。
現状、あまりにも取り付く島がなくて…。