【原題】"Warm Bodies"(意味「暖かい体(複数形)」)
2013年、アメリカ、カラー、1:2.35、フィルム撮影、98分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本】ジョナサン・レヴィン【原作】アイザック・マリオン「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」
【出演】ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ジョン・マルコヴィッチ、他
2013/09/09(月)鑑賞、なかのZERO大ホール(35mm上映)
ゾンビの側からの視点で描かれたゾンビ映画が有りそうでなかったのはゾンビに人格がないからだが、ここでは青年ゾンビが人間少女に一目惚れするとか、人間の脳を食べることでその人間の記憶を得るなどの設定で、新分野に挑戦している。
感情の目覚めの表現が観念的な雰囲気を醸し出していたので、ゾンビ自身の目線で戸惑いながらも変化してゆく課程を描くことに専念していたら面白い作品になっていたかもしれない。
でも、そこに立ちはだかるのが「ジャンル映画」の壁で、デート映画として解りやすい面白さの万人受けする映画にしようという意図が働いたのか、途中で人間目線に変わってゾンビを茶化したりとか、極悪ゾンビ相手の勧善懲悪アクションとかの要素を入れて、結局は月並な映画になってしまった。
アメリカ映画も、以前は近々リメイク作が公開される『キャリー』(1976)などのスティーブン・キング作品のように、ドロドロした要素を貫き通す作品があったのだが、今はリスク回避の万人受け志向が強くなって難しいのだろうか?
ついでに、展開はものすごくいい加減。
例えば、防護壁で鉄壁の守りの人間居住区に簡単に忍びこめたり。
まぁ、面白かったらそんなの気にならないんだけど。
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