シネサルの「映画のブログ」

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 『女性の勝利』(1946年) ★★

1946年、日本(松竹)、モノクロ、1:1.33、81分、日本語
【監督】溝口健二【脚本】野田高悟、新藤兼人
【出演】田中絹代、桑野通子、松本克平、徳大寺伸、三浦光子、風見章子、他
2013/10/26(土) WOWOW放映
<ストーリー>
 弁護士のひろ子(田中)は、姉のみち子(桑野)夫の河野検事(松本)の世話もあって弁護士になったが、
司法の民主化に賛成の彼女と、プロが厳格に執行すべきという伯父との間で意見の相違があった。
 また、ひろ子の恋人だった教師の山岡敬太(徳大寺)を政治犯として投獄させたのが河野で、
病気で入院するために出獄した彼と結婚しようとするひろ子と、2人の関係を許さない河野との対立もあった。
 そんな中、再会した女学校時代の同級生の麻倉(三浦)が、夫に死なれて心神喪失状態で抱いていた
赤ん坊が死んでしまったことでひろ子の家を訪ね、ひろ子は彼女を助けると言って自首させた。
 この事件の裁判をひろ子と河野が担当することになり、ひろ子が河野の家に行ったときに、河野はひろ子に
自分の出世のために裁判は穏便に終わらせて欲しいと頼まれ、ひろ子は断り、みち子は妻の立場と夫と姑の
自分に対する冷たい態度との間で悩んだ。
 裁判が始まる直前、山岡が危篤状態になりひろ子が病院に駆けつけるが、彼は息を引き取った。
 裁判で、殺人を主張する河野に対し、ひろ子は女性が男の奴隷のように虐げられている社会のせいで
彼女は精神薄弱状態にあったとして無罪を主張した。
 ひろ子の言葉を聞いて、みち子は実家に帰り女性として自立することを決意した。
<感想>
 ストーリー的には男尊女卑、官尊民卑といった日本の古い考え方を批判する要素が十分過ぎるくらい盛られていて、GHQの影響が感じらなくもない1946年製作の作品。
 フィックスの長回しのシーンが多いのだが、そこでの芝居で魅せてくれる。