シネサルの「映画のブログ」

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 『ブリングリング』 ★★☆

【原題】The Bling Ring(意味「(劇中の実在の窃盗団の愛称)、派手な宝飾品」)
2013年、アメリカ、カラー、1:1.85、90分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本】ソフィア・コッポラ
【出演】ケイティ・チャン、イズラエル・ブルサード、タイッサ・ファーミガ、クレア・ジュリアン、エマ・ワトソンパリス・ヒルトンキルスティン・ダンストリンジー・ローハン、他
2013/12/17(火)鑑賞、丸の内TOEI2(約25人)
<感想>
 日本で言えば、バイト先の飲食店で冷蔵庫に入ったりした写真を自らネットにばらまいてしまう「バカッター」事件のように、羽目を外して軽い気持ちで犯罪(窃盗)に走る若者を描く。
 実際にこんな事件があると「何故そんなバカなことを…」と思うものだが、その理由として「楽しいことを追求するノリの延長」という風に描かれていて、そんな楽しい気分や、歯止めのない状態を犯人側目線で感じさせてくれる。
 とはいえ、決して犯人たちに同情的ではなく、全体的には客観的に出来事を描いていて、むしろ突き放している印象。

 以前のコッポラ監督作品の『マリー・アントワネット』でも、感性に対して従順に振る舞う彼女を描いていた。
 ただし、前作ではその志向を肯定的に描いていたと思うが、本作では好意的ではない点では一致していない。

 監督の興味のポイントは、感性に突き動かされてハッピーになろうと行動することそのものなのかもしれない。
 あくまで、そんな人の是非は置いておいて。
 特に、エマ・ワトソン演じるメンバーの1人がラストに見せるような歪んだキャラに対しては、「こういう人間もいる」という冷めた描き方をしているように思えた。

 ともかく、感性に対して真摯なスタンスで切り込んで人間を描いていることには共感を覚える。