シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 『陽だまりの彼女』 ★☆

2013年、日本、カラー、1:1.85、129分、日本語
【出演】三木孝浩【原作】越谷オサム
【出演】松本潤上野樹里玉山鉄二大倉孝二谷村美月菅田将暉北村匠海葵わかな小籔千豊西田尚美とよた真帆木内みどり塩見三省夏木マリ、他
2013/10/02(水)鑑賞、一ツ橋ホール
 主人公の年齢が20代なのはちょっと違うけど、大林宣彦監督の尾道三部作を思わせるような作品。
 とは言っても、観る者にとって一生の宝になるような大林作品には全く及ばず、あっさり風味の作品になってしまっている。
 作品に対する作り手の思い入れの強さが、両者で違い過ぎるという印象。
 ひょっとして、30年前の映画の状況とは違って、今は入れ込んで作るよりあっさりとした作風の方が受け入れられるという判断によるのかもしれないが、そうだとしたら、そんな気心は余計なお世話。
 手加減なしの映画を選ぶ人の方が多いと思うのだが。

 そんな気合いの足りない作品でも、突出した表情の豊かさを見せるのが上野樹里で、かつての彼女の出演作の『チルソクの夏』(★★)や『虹の女神 Rainbow Song』(★★☆)と同様に、芝居の力で自力で作品を魅力的なレベルにまで引き上げて、結果的に「上野樹里を見るための映画」と言える作品として成立させている。
 やはり、彼女の才能はずば抜けて素晴らしい。
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 『ビアンカの大冒険』 ★★☆

【原題】The Rescuers(意味「救助者たち」)
1977年、アメリカ、カラー、1:1.85、日本語吹替
【監督】ウォルフガング・ライザーマン、ジョン・ラウンズベリー、アート・スティーヴンス【原作】マージェリー・シャープ「救助者たち」&「ミス・ビアンカの冒険」
2013/09/29(日)鑑賞、Dlife放映
<ストーリー>
 ニューヨークの国連本部のそばにある、ネズミによる国際救助組織本部に、救助を求める手紙が書かれたビンが流れ着き、ミス・ビアンカとバーナードが向かうことになった。
 捜索の結果、ニューヨーク郊外の沼地で、地中の穴の中の宝石探しのためにマダム・メデューサに監禁されている女の子ペニーを発見し、救出を試みる。
<感想>
 ディズニーの余り有名ではないアニメだが、ネズミなどの動物が独自に国連や航空会社を持っていたり、その航空会社でネズミたちを運ぶのが飛ぶのが苦手なアホウドリだったり、ボートを動かすエンジン役がブーンブーンうなってはすぐスタミナが切れる蚊だったりで、それらポンコツキャラがハラハラさせつつも必死に頑張る姿が面白かったりで、様々な面白さが詰まった作品になっている。
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 『パララックス・ビュー』 ★★★

【原題】The Parallax View(意味「視差視界」)
1974年、アメリカ、カラー、1:2.35、103分、英語(日本語字幕)
【監督&製作】アラン・J・パクラ【原作】ローレン・シンガー
【出演】ウォーレン・ベイテイ、ヒューム・クローニン、他
2013/09/05(土)鑑賞、WOWOW放映
<ストーリー>
 大統領候補が暗殺され、単独犯が死んでから3年後、新聞記者のジョー(ベイテイ)は真犯人は「パララックス社」という暗殺組織であることをかぎつけ、ひそかに入社し次の暗殺を阻止しようとする。
<感想>
 昔観て、冒頭のタワーとラストの会場の映像が強烈に印象に残っていた。(ついでに中盤の洗脳映像も)
 改めて観てやはりこの2つに代表される、70年代サスペンスならではの硬質な雰囲気は素晴らしい。
 ただでさえ最近の、見せ場といったら虚飾だらけの映像ギミックや、騒々しく鳴り響く音楽などに食傷気味になっているので、こういうクールな表現に出くわすと「やっぱりこっちだ」と思ってしまう。

 『必殺!』 ★☆

1984年、日本(松竹)、カラー、1:85、123分、日本語
【監督】貞永方久
【出演】藤田まこと菅井きん、白木万理、三田村邦彦、鮎川いづみ、中条きよし、山内敏男、ひかる一平山田五十鈴、中井貴恵、芦屋雁之助研ナオコ浜田朱里火野正平朝丘雪路草野大悟斎藤清六、たこ八郎赤塚不二夫石堂淑朗、大前均、片岡孝夫、他
2013/08/29(木)鑑賞、WOWOW放映
<ストーリー>
 出会い茶屋の隠れ女郎お君(浜田)が、殺されたネコの恨みを加代(鮎川)に頼むが断られ、知り合った(朝之助)が江戸の仕事を独占しようとする男の話を聞いたため殺されたお君の仕事をする。
 その後、主水(藤田)たちとその敵の仕事人たちの対決が始まる。
<感想>
 人気TVドラマシリーズの映画化第1作。
 エンドクレジットもその時の歌もTVと全く同じで、実質2時間スペシャル。
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 『ハチ公物語』 ★★

1987年、日本、カラー、1:1.85、107分、日本語
【監督】神山征二郎【脚本&原作】新藤兼人【音楽】林哲司
【出演】仲代達矢八千草薫石野真子柳葉敏郎尾美としのり春川ますみ殿山泰司加藤嘉、井川比佐志、山本圭山城新伍浦辺粂子高橋長英石倉三郎岸部シロー片桐はいり三木のり平菅井きん加藤登紀子泉谷しげる長門裕之田村高廣、他
2013/07/29鑑賞、WOWOWO放映
 大館で生まれた秋田犬のハチ公が東京の飼い主に飼われて、彼の死後も渋谷駅で待ち続けた実話の映画化。
 エピソードは誰もが知ってる程度に抑えて、犬と人間たちの心の交流を描いた作品。
 それ自体は悪くはないんだけど、『イルカの日』の音楽にそっくりなBGMが何度も流れるのがいちいち気になってしょうがない。

 『バーニー/みんなが愛した殺人者』 ★★☆

【原題】"Bernie"、意味:(主人公の役名)
2011年、アメリカ、カラー、1:1.85、英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作】リチャード・リンクレイター、他
【出演】ジャック・ブラックシャーリー・マクレーンマシュー・マコノヒー、他
2013/07/03(水)鑑賞、なかのZERO大ホール
 ジャック・ブラック主演だからおちゃらけたお笑い映画かと思ったら、淡々と展開する笑うに笑えない、むしろ社会派な映画だった。
 よく、アメリカは都市部を除けば内部に巨大な後進国があると言われるが、まさにそんな感じで、人々は論理的に他者を見ることができず、宗教さながらにこびりついた固定観念や思い込みにより、安易に善人か悪人かに決め付けてしまう。
 そして、そんな人々による陪審員制度で裁きが決まってしまい、弁護士や検察官も陪審員心理的弱さにつけこんで、イメージ戦略で評決を覆そうとする。
 こうして、裁判に感情論が入り込むという、あるまじき要素が多数存在し、宗教裁判にもなりかねない、アメリカの裁判の怖さが、ジワジワと感じられる映画だった。

 『はやぶさ 遥かなる帰還』 ★☆

2012年、日本(東映)、カラー、1:2.35、136分、日本語
【監督】瀧本智行
【出演】渡辺謙江口洋介夏川結衣小澤征悦中村ゆり吉岡秀隆石橋蓮司藤竜也山崎努嶋田久作近藤芳正モロ師岡ピエール瀧長嶋一茂織本順吉田中要次、他
2013/07/10(水)鑑賞、WOWOW放映
 これは、『はやぶさ/HAYABUSA』が避けようとしていた、「真面目だけど面白味のない作品」に、まんまとしてしまった感じ。
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