シネサルの「映画のブログ」

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 『オーメン』リメーク、あれこれ

 ご存知のように、オーメン(1976年、米)が30年ぶりにリメークされ、それが今年の6月6日(火)に公開されました。
 日本での映画の初日は通常土曜日であるところ、わざわざ火曜日にしたのは、映画に登場する不吉な数字「666」にちなんで、2006年の6月6日(06/06/06)ということで、このことにウケている人は結構多いようです。
 好きですねぇ〜。そんな人たちは、小田急で平成6年6月6日とか、平成2年3が4日付けの入場券を駅員が一生懸命売っていたけど、多分買ってることでしょう。
 それはともかく、一見1000年に1度のチャンスのように見えるけど、そもそもオリジナルでのダミアンの生まれたのが、19xx年の6月6日午前6時だったので、(年/月/日)を6で揃えたところで何の意味も無く、本当は(月/日/時)を6で揃えて6月6日午前6時に映画の上映を合わせないといけないんですどねぇ。早朝から『オーメン』を上映していた映画館って、あったんでしょうか?
 まあ、ローマの現地時間で6時として、時差7時間で日本では13時と考えることもできるけど。
 さて、2006年版の『オ−メン』は観てないんだけど、脚本はオリジナルのデヴィッド・セルツァーのをそのまま用い、テレビで見た断片の映像では、
  乳母が首を吊るところ
  ダミアンの母が2階から落ちるところ
  ダミアンが教会に車で向かうところ
  ダミアンが動物園に行くと動物たちが騒ぐところ
などが、構図やカット割りがほとんどオリジナルのまんま。
 つまりこれは、モノクロをカラーにしただけでほとんどオリジナル(1960年)の焼き直しに過ぎないモノをわざわざ作ったガス・ヴァン・サントの『サイコ』(1998年)と同じなんだけど、あのひんしゅくを買いまくった『サイコ』とは違って、『オーメン』には罵声が少ないのはどうして?
 『オーメン』は『サイコ』ほどは丸写しではないってこと?
 でも、予想としては2006年版『オーメン』には、ジェリー・ゴールドスミスの音楽も無いし、私の好きなデヴィッド・ワーナーも出ていないし、だから映画で変な役の数々を演じてきた彼ならではのあのヘンテコリンな凝った死に様も無い訳で、どう考えてもオリジナルにかなうとは思えない。
 それに両者の最大の違いは、オリジナルのダミアンは見た目はイノセントな子供なのが正体とのギャップで怖さを強調していたのに対し、2006年版は常に見るからにおどろおどろしい表情で、つまりこれって解りやすく作ってあげないともはや通用しなくなった程、30年の間に人々はバカになったということなのだろうか?