今日は、フジサワ中央1でなんと若松孝二監督の講演つきで『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の上映があり、ただし開映が09:40と早かったので、朝の弱い私は起きられたら行き、寝過ごしたら行かないという優柔不断な予定を立てた。
結果は、珍しくパッと起きることができて、余裕で開映時刻15分前ぐらいに到着。
フジサワ中央は昔ながらの劇場スタイルの独立系の劇場で、昔は藤沢まで電車に乗って時々来ていたのだが、来るのは2001年に『日本の黒い夏 冤罪』を観に来たとき以来。
というのも、ちょっと前まではここで上映される映画は邦画メジャーの作品がほとんどで、近所にシネコンができてからはそっちで観るようになってしまったからだ。
しかし、藤沢にもう1つあった映画館が閉館して以来、そっちで上映されていた『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』のようなミニシアター系の映画も上映するようになった。
とはいえ、これはシネコンと競合しないような映画を上映せざるをえないという理由からだろうが、私にとっては鑑賞作品の選択肢が広がるという意味で、これからありがたい存在になるかもしれない。
劇場に入った時の印象は、とにかく接客の暖かさだけでもシネコンに負けないように気を遣っているようだった。
映画が始まり、190分間の上映時間は短く感じた。
終映後、若松監督が山崎順役の椋田(ムクタ)涼を連れて現れ講演が始まる。以下、要旨を箇条書き。
-製作動機は『突入せよ!「あさま山荘」事件』に怒ったから。
(でも、あれは連合赤軍を「悪く描いていた」というより「全然描いてなかった」という方が正しいから良い悪いの問題以前。
「描いていない」こと自体を批判する人もいたが、実話を描いた映画が一部分だけではなく常に全貌をえがかなけれならないというのなら、例えば第二次大戦で日本人を被害者として描いている日本映画は、「加害者としての視点が欠けている」という理由で全部ダメ映画になる理屈が成り立つが、もちろんそんなことはない。
連合赤軍を描いた映画を観たいのなら、それは別の映画が果たせばいいだけ、だと当時から思っていたので、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』が作られたことはもちろん大歓迎。)
-さらに、世の中を変えようとした若者を描きたかった。
-映画の内容は80%は事実で、残り20%、あさま山荘内部の様子など想像するしかない部分は創作。
-監督が2日前にピョンヤンでよど号ハイジャック犯にこの映画のDVDを見せたら、初めて映像で見て「こんなことだったのか。」と言った。
-若松監督作品の上映を手伝っていた遠山美枝子(坂井真紀)が行方不明になって後に殺されたことを知ったので、彼女に対する思い入れが現れているかもしれない。
-一人一人が勇気を持たなければいけない。
-文化庁の映画支援は国に都合のいい映画を作らせるため。
-「嫌なことは嫌」が心情
講演終了後、「実録・連合赤軍」の書籍を買った人対象のサイン会が開かれたが、私は映画でおなかいっぱいだったのでそのまま帰る。