シネサルの「映画のブログ」

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 『ブレス』 ★★☆

2007年、韓国、カラー、1:1.85、35ミリ上映、35ミリ撮影、ドルビーデジタル、字幕(根本理恵)
【監督&脚本】キム・ギドク
 夫は浮気をしていて、一人娘も心にポッカリ空いた穴を埋めてくれず、生きる目的を無くしたような人妻が、自殺を図った死刑囚のニュースを見て自分の気持ちを重ねて彼に面会し、恋愛感情をお互い強めていくが、そもそもそんな恋が叶う筈もなく…という物語。
 夫婦と死刑囚、同じ雑居房のゲイ囚人、それに人妻に恋心を抱いているような刑務所長も含め、全員の恋心が相手と交わることがない一方通行で、自分が想っているように相手は自分を想っていないという、「想いの独善性への批判」といった感じのこれまでのキム監督作品の流れをくむ。非現実的で象徴的な作風も相変わらずだが、どうも最近「ファンタジックに気持ちよく良く騙す」というより、策に溺れていると感じてしまうほど作為的過ぎるのが気になる。