今やどの映画賞も、邦画の作品数が年間200〜400本ぐらいあると思われるので、選者が観てなくて賞に引っかからない傑作もあるだろうし、それどころか選者にふさわしい数の邦画(ざっと100本以上)も観ていないような選者が選んでいるという疑いもあったりするので、満足な結果など出るはずもないから、賞の結果に対してコメントする意味もない。
よって、問題にするのは賞を選ぶ過程について。
まずは、報知映画賞の結果は以下の通り。(http://cinemahochi.yomiuri.co.jp/h_award/index.htm)
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作品賞:『おくりびと』(★★)
対立候補:「歩いても歩いても」(★★★)、「クライマーズ・ハイ」、「トウキョウソナタ」(★★★)、他
主演男優賞:堤真一(『クライマーズ・ハイ』『容疑者Xの献身』)
対立候補:本木雅弘、藤田まこと、香川照之
主演女優賞:小泉今日子(『グーグーだって猫である』『トウキョウソナタ』)
対立候補:蒼井優、吉永小百合
助演男優賞:堺雅人(『アフタースクール』(★★)、『クライマーズ・ハイ』、『ジャージの二人』(★★☆))
対立候補:津川雅彦、他
助演女優賞;樹木希林(『歩いても 歩いても』)
対立候補:夏川結衣、余貴美子
新人賞:長渕文音(『三本木農業高校、馬術部』)
対立候補:綾瀬はるか、吉高由里子、リリー・フランキー
監督賞:橋口亮輔(『ぐるりのこと。』(★★★☆))
対立候補:滝田洋二郎『おくりびと』、黒沢清『トウキョウソナタ』
作品賞 海外部門:『ダークナイト』(★★★)
対立候補:「ノーカントリー」(★★★☆)、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(★★☆)
【対象作品】2007/12/01〜2008/11/30に首都圏において有料で1週間以上公開の新作
【選考委員】稲垣都々世、内海陽子、大久保賢一、小野耕世、齋藤安弘、品田雄吉、野村正昭、福永聖二、渡辺祥子、スポーツ報知映画担当記者5人
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まず一番解らないのが、作品賞の有力候補でもないという『ぐるりのこと。』の橋口監督がなぜ監督賞なのかということで、これほど両賞が一致しない結果って普通は考えられない。
『ぐるりのこと。』に賞をあげたくない(例えば、『おくりびと』のような有名作品を選んだ方が、賞に対して注目度が上がるから、とか。)か、滝田監督に賞をあげたくないという思惑が働いているのでは?と勘ぐってしまう。
あと、細かい部分では、
『容疑者Xの献身』の堤真一は主演じゃなくて助演じゃないの?
『ジャージの二人』の堺雅人は絶対助演じゃなくて主演。
綾瀬はるか、吉高由里子って映画デビューは数年前だから新人賞の対象にはならないんじゃないの?
など。