1955年、日本、モノクロ、1:1.33、94分、日本語
【監督&脚本】家城巳代治【脚本】新藤兼人【原作】畔柳二美
【出演】野添ひとみ、中原ひとみ、多々良純、内藤武敏、加藤嘉、北林谷栄、殿山泰司、他
2013/09/22(日)鑑賞、NHK-BSプレミアム放映
<ストーリー>
キリスト教に傾倒する圭子(野添)と無邪気な俊子(中原)は、山の中の水力発電所に勤める父とその妻と三人の弟の元を離れて、松本市にいる伯母の家から女子校に通う高校三年生と中学三年生の姉妹。
彼女たちは、松本や地元で、家庭に問題を抱える裕福な同級生、夫に暴力を振るわれる女、体を壊しながらも働く顔見知りの家族などと触れ合う。
圭子は、発電所に勤める岡(内藤)とお互いに気があったが、首切りの恐れがありみすぼらしい生活をおくる彼と一緒になるより、お見合い相手と結婚を選び、岡もそれに同意した。
<感想>
まだ子供っぽくて善悪の区別が明確で悪を憎む表現がストレートな妹と、感情を抑えながらも不幸な人々を神様が救ってくれない理不尽に悩む姉の、2人を中心とした人々との関係を描いた映画。
でもベースには、就職難や労働者への圧力、当人ではどうでもできない貧困、不本意な結婚をさせられる女性、などの社会的な告発がある。
あくまで今の人間の目線でその社会性を見ると、不幸の表現が言葉中心で表層的なのだが、公開当時に観たら、今とは違って共通認識としてこれでも実感できたかもしれない。
また、時代が変わった今となっては、社会性はあくまで背景とはいえ、それでもメインのドラマを邪魔しているように感じてしまう。