シネサルの「映画のブログ」

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 『愛のメモリー』 ★★

【原題】"Obsession"(意味「強迫観念」)
1976年、アメリカ、カラー、1:2.35、98分、英語&伊語(日本語字幕)
【監督&原案】ブライアン・デ・パルマ【脚本&原案】ポール・シュレイダー
【出演】クリフ・ロバートソンジュヌヴィエーヴ・ビジョルドジョン・リスゴー、他
2013/09/24(火)鑑賞、WOWOW放映
<ストーリー>
 妻(ビジョルド)と娘エイミーを誘拐され、警察の指示通りニセの身代金を渡した結果、2人を乗せて逃走した犯人の車が橋から水中に落ちてしまったことを悔いているマイケル(ロバートソン)は、15年後に不動産開発会社の共同経営者ロバート(リスゴー)と共に、妻と出会ったフィレンツェに出張に来た。
 思い出の教会に行くと、そこで絵画修復助手の仕事をしている、妻に瓜二つのサンドラ(ビジョルド二役)と出会い、間もなく2人は相思相愛になって、サンドラを連れてアメリカに帰った。
 マイケルがサンドラとの再婚を急ごうとする中、15年前と同様にサンドラが誘拐され、ロバートに相談して身代金を工面して渡したが、お金は贋札にすり替えられていた。
 ロバートを追及して、2つの誘拐は彼がたくらんだことだと知ったマイケルは彼を殺し、逃げた共犯のサンドラを殺そうと空港に向かったが、彼女がロバートによって父親を恨むように育てられたエイミーと知って、再会した2人は抱き合った。
<感想>
 デ・パルマ監督が『悪魔のシスター』(1973)でメジャーデビューし、『ファントム・オブ・パラダイス』(1974)に続く3作目で、ヒッチコックタイプ作品としては『悪魔の〜』に続く2作目。(『ファントム〜』にも『サイコ』のパロディがあったけど。)
 ストーリーは『めまい』とかなり似てるし、ラストのクルクル回るカメラも『めまい』だし、『ダイヤルMを廻せ!』もあるしで、やはりこれはヒッチコックの(おちゃらけてない)パロディと見るのが正解かな?
 パロディとしての最大の武器は、映像的なことよりも音楽にバーナード・ハーマンを起用していることで、単にヒッチコックっぽいというより、聴いていてウットリすることで気分的にヒッチ作品を観ているように感じる。
 あと、デ・パルマはやっぱりスローモーションになると魅せてくれる。
 ヒッチコックはスローをほとんど使ったことのないので、これはモノマネとは言わせない。
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 でも、以上の要素がない普通の映画として観たら、ただの強引なストーリーの作品と思っちゃうかな?
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