【監督&脚本&音楽】園子温
【出演】國村隼、堤真一、長谷川博己、星野源、二階堂ふみ、友近、坂口拓、成海璃子、ミッキー・カーチス、渡辺哲、でんでん、つぐみ、深水元基、神楽坂恵、板尾創路、水道橋博士、岩井志麻子、石丸謙二郎、諏訪太朗、江波杏子、ペ・ジョンミョン、他
2013/09/28(土)鑑賞、渋谷HUMAXシネマ
これ観ちゃうと、映画について細々語ることなんて無意味に思えてきちゃう。
良い映画とは何かと言えば、「観客が満足感を得るもの」ということに尽きる。
そして作り手の側から具体的に言い直せば、観る者の心に爪跡を残せるかどうがにかかっていて、技術的なこと云々は二の次だから。
映画の中の台詞で何度か言及しているように、最近の邦画のつまらなさに対する問題提起になっている。
興行的には邦画が洋画を圧倒しているとはいえ、ヒット作の大半はテレビやベストセラー小説の映画化やリメイクばかりの知名度頼み、表現的にも万人受け狙いの無難なものばかりで創造性に欠ける、そして結局は1年もすれば誰にも語られなくなるような作品が量産されている。
ビジネス重視でリスク回避ばかり熱心な保守的な芸能は、そのうち人心が離れて見向きもされなくなるかもしれない。
そんなぬるい邦画とは真逆の方針で『地獄でなぜ悪い』は作られている。
表現には気後れせず、徹底的にやり抜く。
金勘定ではなく、観客に見せたいもの、自分自身が作りたいと思う「想い」で映画を作る。
そして、邦画の現状打破を後押しする上で必要なのは、計算なんかではなく狂ったような「がむしゃらさ」であるというのも、個人的には同意するところである。
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