シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 『地獄でなぜ悪い』 ★★★

【監督&脚本&音楽】園子温
【出演】國村隼堤真一長谷川博己星野源二階堂ふみ友近坂口拓成海璃子ミッキー・カーチス、渡辺哲、でんでん、つぐみ、深水元基神楽坂恵板尾創路水道橋博士岩井志麻子石丸謙二郎諏訪太朗江波杏子、ペ・ジョンミョン、他
2013/09/28(土)鑑賞、渋谷HUMAXシネマ
 これ観ちゃうと、映画について細々語ることなんて無意味に思えてきちゃう。
 良い映画とは何かと言えば、「観客が満足感を得るもの」ということに尽きる。
 そして作り手の側から具体的に言い直せば、観る者の心に爪跡を残せるかどうがにかかっていて、技術的なこと云々は二の次だから。

 映画の中の台詞で何度か言及しているように、最近の邦画のつまらなさに対する問題提起になっている。
 興行的には邦画が洋画を圧倒しているとはいえ、ヒット作の大半はテレビやベストセラー小説の映画化やリメイクばかりの知名度頼み、表現的にも万人受け狙いの無難なものばかりで創造性に欠ける、そして結局は1年もすれば誰にも語られなくなるような作品が量産されている。
 ビジネス重視でリスク回避ばかり熱心な保守的な芸能は、そのうち人心が離れて見向きもされなくなるかもしれない。
 そんなぬるい邦画とは真逆の方針で『地獄でなぜ悪い』は作られている。
 表現には気後れせず、徹底的にやり抜く。
 金勘定ではなく、観客に見せたいもの、自分自身が作りたいと思う「想い」で映画を作る。
 そして、邦画の現状打破を後押しする上で必要なのは、計算なんかではなく狂ったような「がむしゃらさ」であるというのも、個人的には同意するところである。
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