シネサルの「映画のブログ」

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 『ムード・インディゴ うたかたの日々』ディレクターズ・カット版 ★★

【原題】L'ecume des Jours (意味:日々の泡) / Mood Indigo (デューク・エリントンの曲名))
2013年、フランス、カラー&モノクロ、1:1.85、131分、フランス語(日本語字幕)
【監督&脚本】ミシェル・ゴンドリー、他【原作】 ボリス・ヴィアン(「うたかたの日々」「日々の泡」)
【出演】ロマン・デュリスオドレイ・トトゥ、ガッド・エルマレ、オマール・シー、他
2013/11/07(木)鑑賞、シネマライズ
【感想】
 同じ原作の映画化作品では、利重剛監督の『クロエ』(★★★)も観たが、あれも本作ほどあからさまではないが、現実感が薄くファンタジーが支配している作品だった。
 でも、両者で明らかに異なっているのが、『クロエ』では病気になってからファンタジー色が強くなって、暖色で軟調の画面のシーンが多かったのに対し、本作ではハッピーな前半の方がファンタジー色が強く、発病後の後半は彩度の低い硬質な画面になって、ファンタジーの印象は弱まった。
 好みの問題かもしれないが、『クロエ』と比べて本作の方がバランスが悪いと感じた。
 つらい状況にありながらも愛し合う2人を描く後半こそ、ファンタジーが似合うと思ったからからである。
 前半の幸せの真っただ中でウキウキ状態の2人を描くのに、わざわざファンタジー色の強い凝った映像表現をする意味があったのか?
 むしろ、あの表現自体が目的で、ストーリーは二の次だった?などとも思ってしまう。
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