シネサルの「映画のブログ」

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「刑事コロンボ『第三の終章』」 ★★☆

【原題】Publish or Perish(意味「出版するか、滅びるか」)
1973年、アメリカ、カラー、1:1.33、吹替、73分
【演出】ロバート・バトラー
【出演】ピーター・フォークデヴィッド・キャシディ、他
2015/10/29(木)鑑賞、2015/10/29(木)17:00、BS-TBS放映
<ストーリー>
 出版社社長のグリーンリーフ(キャシディ)の指図で気に入らない作品を書かされていた人気作家のマロリーが、契約切れが近づいたのを機に執筆中の作品から他の出版社に乗り換えると言い出した。
 グリーンリーフは、彼に爆弾製作本の出版を売り込んできたテロリスト気質の持ち主のケインに、出版を条件にマロリー殺しを依頼した。
 マロリーが夜に口述筆記をしているところにケインが忍び込んで射殺し、その時刻にグリーンリーフは酒酔い運転で事故を起こしてアリバイを作った。
 グリーンリーフはケインの単独犯に見せかけるために、ケインが9か月前にグリーンリーフに売り込んだ小説のあらすじを不利な条件でマロリーの新作として出版しようとしたことに怒って、グリーンリーフの車から拳銃とマロリーの部屋の合鍵を盗み出し、射殺して証拠を残してグリーンリーフに罪をきせようとしたように工作した。
 そして、口封じにケインを彼の自作爆弾の暴発で事故死したように見せかけて殺した。
 その現場に、マロリーの口述筆記のテープ起こしをしていた男を通して入手していた新作のあらすじをケインの作品に見せかかるために残したが、そのあらすじの結末が最近変更された物であったことから、9か月前に売り込まれたというグリーンリーフのウソがばれた。
<感想>
 トリックの作りこみがものすごく念入りで、ぼんやりと観てたら何故ウソがばれたか理解できないほど。
 おまけに、1974年に放映された時の日本語訳で、トリックのキーである「あらすじ」のことを「梗概(こうがい)」という聞き慣れない用語で訳していたので、余計に解りにくかった。
 隠ぺい工作が混み入るほど、犯行の綱渡り的な要素が大きくなるのに、さらに他人に殺人を依頼することは思い通りの手筈で殺すかどうかに関して不確定要素が大きくなるので、ストーリーの非現実性は増すのだが、こんな手の込んだストーリーを考えた努力に対しては評価してもいいかな?