シネサルの「映画のブログ」

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「刑事コロンボ『黄金のバックル』」 ★★

【原題】Old Fashined Murder(意味「古風な殺人」)
1976年、アメリカ、カラー、1:1.33、吹替、75分
【監督】ロバート・ダグラス
【出演】ピーター・フォークジョイス・ヴァン・パタン、他
2017/03/10(金)鑑賞、2014/09/02放映(NHK-BSプレミアム)
<ストーリー>
 赤字の美術館に愛着を持っている館長のルース(ヴァン・パタン)は、弟で理事のエドワードに展示品の売却を申しだされた。
 ルースは、姪ジェイニーの恋人の弟でガードマンに雇ったシェイファーが借金苦で展示品を盗んでいることをネタに脅し、彼に今夜美術館に忍び込んで展示品を盗んで逃亡し、自分は保険金を受け取ることを持ちかけた。
 シェイファーは、兄に借金取りに追われてると電話をした後に美術館に忍び込むと、ルースが彼を撃ち殺し、駆けつけた弟も撃ち殺して、相撃ちに見せかけた。
 コロンボ(フォーク)は、美術館の照明が消えていたことから、真犯人が2人を殺して照明を消して逃げたと推理した。
 ルースは、展示品の金のバックルをジェイニーの部屋に隠し、コロンボに2週間前に盗まれたと言って、部屋から発見されたことでジェイニーは逮捕されたが、エドワードが殺された夜には美術館にあったとの録音テープがあり、ルースは犯人だと認めた。
<感想>
 NHKで初放映された時より長いノーカット版で、カットされた部分に対して小池朝雄風のモノマネで吹き替え。
 全体的に地味目で、コロンボが投げかける疑問に対し、応対した犯人が乗り気で推理する不自然さが本作でも感じられた。
 でも、犯人の婚約者が姉と駆け落ちして、それ以来独身を貫き、ポンコツの姉を養いつつ、親が遺した美術館を支え続けようとする意志の強さやが、コロンボとのやり取りの中で明晰さが現れたとも思え、節約のため照明をこまめに切る几帳面な性格などと合わせて、全編通せば犯人のキャラをきちんと厚みを持って表現した点ではよくできた作品と思う。
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