【原題】Live Bait(意味「生き餌」)
シーズン3、第18話
1969年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約46分
【監督】スチュアート・ハグマン【脚本】ジェームズ・D・バッカナン、ロナルド・オースティン【脚本&原案】マイケル・アダムズ【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、マーティン・ランドー、バーバラ・ベイン、グレッグ・モリス、アンソニー・ザーブ、マーティン・シーン、他
2017/05/18(水)再放送(17:58 BSジャパン)、2017/05/18(木)鑑賞
<ストーリー>
アメリカの工作員マルソーが敵国の国家保安長官ケラマン(ザーブ)に捕まって秘密の場所で尋問を受け、アメリカからの偽造脱出で敵国の情報機関員なってていた工作員のセルビイの正体がケラマンにバレそうになった。
「ケラマンは二重スパイなのでマルソーを引き渡さない」とセルビイが上層部に訴えた件の調査員に成りすましたローラン(ランドー)が現われた
ローランはホテルでケラマンから「セルビイが二重スパイで、セルビイの補佐をさせているケラマンの部下のブロック(シーン)を、アメリカの工作員を引き寄せる餌にする考えだ」と説明された。
シナモン(ベイン)がブロックに、ジム(グレイヴス)がブロックの恋人のステファニーと接触し、ケラマンの予想通りアメリカの工作員が彼らに食いついたと思わせた。
ジムは誘拐したステファニーに、ケラマンがホテルに来た時に撮影した後に細工したフィルムを見せ、ケラマンはアメリカ人と通じている二重スパイで、ブロックを消耗品として利用していると思わせ、脱走した彼女はブロックに電話でこのことを話した。
ブロックはセルビイに「ケラマンは二重スパイで自分とセルビイを消そうとしていて、スティファニーが証人になる」と言ったが、セルビイに「逃げろ」と言われ相手にされなかった。
ケラマンは地下にあるマルソーの監禁場所にローランを連れて行き、救出に来るアメリア工作員を捕まえる作戦と、マルソーの鎖で爆発する防止策を説明した。
国外逃亡を企てたブロックとステファニーが捕まってケラマンの所に連れてこられ、ローランはケラマンを「逃亡者は言い訳しても処刑される」とステファニーを脅すように誘導して、彼女はブロックに指図されたと裏切った。
ローランはガスで施設内の人を全員眠らせ、ジムたちが来て液体窒素で起爆装置を凍らせてローランを救い、空の監禁室に運ばれたケラマンを目覚めたブロックが見つけ、スパイへの制裁と保身のために彼を射殺した。
<感想>
敵のケラマンを「アメリカの出方を予想し察知する洞察力がある」という手ごわい相手に設定し、それに対し「敵に『状況はすべて把握してる』と思わせてその上をいくだまし作戦」で立ち向かうという、通常より複雑なストーリーの意欲作。
でも、ストーリーに凝り過ぎた一方で、つじつま合わせが難しいところは安直にご都合主義で乗り切ろうとしたみたいで、ストーリーの穴も多い。
一番判り易いのが、現場を見て初めて必要だと判る液体窒素を、アメリカ出国前に「念のため」用意させていること。
さらには、セルビイがローランの身元を確認しただけでローランを信用しちゃうのも、用心深いケラマンとは整合性がなく都合よすぎる。
結果的に、込み入ったストーリーがハイレベルな作品にはつながらず、難解なだけの作品になってしまった。
舞台の国は明示されていないが、表記がドイツ語?なので東ドイツがモデルかな?
ケラマン役のアンソニー・サーブは、他の作品でよく見た記憶があるが、作品名は不明。