シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『奴の死体はどこだ!(消えた汚染死体)』」 ★☆

【原題】A Ghost Story(意味「怪談」)
シーズン5、第21話
1971年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・バディ【脚本】ポール・プレイドン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、レナード・ニモイレスリー・アン・ウォーレン、グレッグ・モリス、ピーター・ルーパス、他
2017/12/19(火)17:58再放送、BSジャパン、2017/12/19(火)鑑賞
<ストーリー>
 東側に亡命したハワード・ベインブリッジが、開発中の神経ガスに汚染され、死ぬ前に息子のポールに会うために密出国して西側の自宅に戻って来るが、ナチズムに心酔している彼の父のジャスティンと揉み合いになって殺され、広大な庭に埋められた。
 ハワードが資料を破棄した化学兵器の情報を得るために遺体の回収を命じられたIMFは、ジム(グレイヴス)がポールの家庭教師になって屋敷に潜入し、ジャスティンをガスで眠らせたすきに、IMFメンバーたちが幽霊が映る3D映写機を部屋の中に、幻聴が聞こえる受信器をハワードの耳の中に仕込んだ。
 ハワードに変装したパリス(ニモイ)や、ポールを産んだ時に亡くなったハワードの妻に成りすましたダナ(ウォーレン)が、テレビカメラの前で幽霊になって「ハワードの遺体を燃やして」と言い、それがジャスティンの寝室に投影された。
 ジャスティンが遺体を掘り返しに行くと、そこにジムと、東側が送り込んで警備員として潜入していた殺し屋が鉢合わせになるが、遺体はなくなっていた。
 ポールが密かに入り浸っていたハワードの屋根裏部屋にダナが行くと、そこには実は生きていて地中から抜け出していたハワードがいた。
 やはり東側がハワードの遺体を狙って送り込んだ使用人の女がハワードを連れ去ろうとするが、ジムたちがかけつけ、「解毒剤を開発すれば生き延びられるかもしれない」とハワードを説得して、共に立ち去った。
<感想>
 ターゲットの心理をコントロールして思い通りの行動に誘導することを狙った「巧妙な作戦」が「スパイ大作戦」の特長なのだが、心霊現象でターゲットを脅すという手段は「簡単に何でもできてしまう」ものなので「巧妙な作戦」とはいえず、これは「魔法のような秘密兵器」と並んで、「スパイ大作戦」のやってはいけない禁じ手だろう。
 この作品では、謎の行動をする少年がいたおかげで、辛うじて「何でもありのストーリー」にはならなかったのだが、その効果はごく僅かで、大半は「安直な心霊頼み」の展開だった。
 他にも、今回のストーリーは穴が多かった。
 個人の邸宅内で殺人が起きて庭に埋めたことは、指令テープの人でも知りうる術はないと思うが、そこまで知っているとすると、埋めた場所だけ判らないのが不自然。
 東側の手先も、ジムと同様に逃亡したガス開発者の遺体を求めて使用人になって潜入したにしては、はるか以前からいる古株に見える。
 ターゲットはネオナチを信奉し、国防強化を主張して軍隊のような約20人で自宅を警備しているにしては、IMFが侵入した防空壕を放置していた無防備さも変。