シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『奇跡の心臓移植』」 ★★

【原題】The Miracle(意味「奇跡」)
シーズン6、第6話
1971年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レナード・ホーン【脚本】ダニエル・B・ウルマン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレッグ・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパスジョー・ドン・ベイカー、ビリー・ディー・ウィリアムス、他
2018/02/06(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/02/06(火)鑑賞
<ストーリー>
 11月10日に大量のヘロインを陸揚げする海岸がどこかを知っている麻薬業者のボスのテイナーと殺し屋のフランク(ベイカー)を、ヘロインと共に警察に引き渡す指令をIMFが受けた。
 ジム(グレイヴス)は、カリフォルニアの売人組織の人に扮してテイナーに接触し、ヘロインを回すように頼んだが断られた
 レストランのウエイトレスに扮したケイシー(ジョージ)にフランクが色目を使っていたところに、ウィリー(ルーパス)が彼を銃撃したとみせかけて麻酔銃を撃ち、目覚めると医師に扮したバーニー(モリス)が心臓の移植手術をしていると見せかけている最中だった。
 入院中のフランクにバーニーは治療と称して薬で意識をもうろうとさせ、ケイシーと愛し合ってるなどのウソの記憶を植え付けた、
 ジムは、テイナーの製材所での取引現場を襲って現金を奪った後、フランクの病室を訪ねて自分に寝返るように持ち掛け、テイナーには2人が関係があるかのように見せかけた。
 退院したフランクは、食べ物の趣味が変わったり、ケイシーの家に行っては彼女が妻だと思ったりするなど、奇妙な言動をするようになり、ラジオで聞いた「移植手術で元の人間の人格が乗り移る」という説を信じ始めた。
 ジムからの面会希望の電話を受け取ったフランコは、テイナーからの依頼通りに彼を殺そうとして向かうが、会う直前にIMFメンバーのスリに不発の銃にすり替えられ、ジムの射殺に失敗した事が、自分の心に殺し屋らしからぬ善意があるせいだと思い、心臓の持ち主を知るIMFのニセ神父に会って、善良な神父だったと聞いた。
 フランクは、幼少期に教会で育てられ嫌になって飛び出した過去によって隠されていた信仰心が目覚め、銃撃されたことでテイナーから見捨てられたと思い、ケイシーと共にヘロインが隠された桟橋に一足先に行って、逃走資金のために横取りしたところにテイナーが現れ彼を殺そうとするが、警官隊が包囲して彼らを逮捕しヘロインを押収した。
<感想>
 ターゲットのフランクに対し、心臓移植が実際に行われたと見せかけるために、手術中のテレビカメラの映像をVTRの録画で差し替えてモニターに映して手術受けてる本人に見せたり(その必然性あるかな? 全身麻酔に決まってるし、事後報告で十分だと思うが)、催眠術のような暗示をかけるシーンがごくわずかで暗示の実態が解りにくい。
 以上は、全体をぶち壊すほどのことでもない些細な問題なのだが、「スパイ大作戦」の特徴である緻密さとは逆の、らしからぬ雑な表現方法だとの印象を与える。
 ターゲットを演じたジョー・ドン・ベイカーといえば『突破口!』(1973年)の不敵な殺し屋役が印象に残っているが、それを彷彿とさせる芝居を2年先立ってこの作品でも見せていて、彼に支えられたという印象が強い回だった。