『転校生 さよならあなた』を観て、大林監督はやっぱり他の追随を許さないすごさがあると改めて感じたのと、「日頃どの映画監督のことを考えることが多いか?」と聞かれれば大林監督だったりするので、思いついたときに書くようにすればブログ更新の頻度を上げることができるかもしれないと思い、ものは試しで大林監督シリーズを始めてみる。
とはいっても、こう書くとシンパがベタベタほめ言葉並べるのだと思われると困るから、最初は「悪口っぽい」内容から始める。
これまで監督をじかに見たのは確か2回で、いずれも映画上映前のトークショー。
それ以外にもテレビでインタビューを受けているところなどを何度か見たのだが、すごいのがどんな質問でも回答は即答で、しかも大量の言葉でしゃべり続けても、途中で支離滅裂になったり、言ったことが間違いで訂正したりなどということがない。
信じられないほどの頭の回転の速さだが、でもその言っている内容はというと、非科学的だったり観念的だったりで、現実世界ではなく空想世界に生きている人のようなことを平気で言ったりするので、ますます頭の中が気になる。
監督の本に書かれていたと思うが、監督の初期の作品では頭の中にあふれるイメージを好き勝手にちりばめたような映画ばかりだったので、奥さんの恭子さんに抑えるようにたしなめられ、その忠告がターニングポイントになった『転校生』(1983)だったとのこと。
そんなわけで、やっぱり頭の中はとんでもないのだろうと思えるが、大林監督はたとえ「変」な考えの持ち主でも、「モラルの高さ」がそれを超えているのが、単なる変人ではないゆえんだろう。