【原題】The Golden Compass
2007年、米、カラー、1:2.35、35ミリ上映、35ミリ撮影、ドルビーデジタル/DTS/SDDS、字幕(稲田嵯裕里)、112分
【監督&脚本】クリス・ワイツ【原作】フィリップ・ブルマン「黄金の羅針盤」【主題歌】ケイト・ブッシュ
【出演】ニコール・キッドマン、ダコタ・ブルー・リチャーズ、サム・エリオット、エヴァ・グリーン、クリストファー・リー、ダニエル・クレイグ、イアン・マッケラン、キャシー・ベイツ、他
2008/04/24(木)18:40-20:40、WMCつきみ野4、約10人/126席
ひどい映画ではないんだけど、この手の壮大なストーリーのファンタジーにありがちな、見せ場は大掛かりだが同時に大味でインパクトが弱く、それでいて映画全体が見せ場頼みで、ストーリーが右から左に流れていくだけの、あっという間に忘れてしまいそうな映画になってしまった。
この映画の鍵になっている宇宙を覆う「ダスト」は、それに触れた子供は純粋さを失うことから、それは正邪共に含んだいわゆる「世間」の象徴で、子供の健全育成のために汚いものから引き離そうとするのがニコール・キッドマン一派で、彼らは日本で青少年フィルタリング推進をめざす人たちを意味し、そんなことをしても事態は良くならないどころか、子供の情緒や成長を奪うだけだとして戦いを挑むという、つまりは『ライラの冒険』って「青少年フィルタリング反対映画」ってことだろう。
でも、そんな主張はフィルタリングをしようとしているような頭の悪い人たちには象徴的な描き方では通じないので、3部作の残り2つはハッキリとケータイの話にしてほしい。