「シネマトゥデイ」というサイトは、映画のニュース発信元としては、どうかと思うことが多い。
例えば、映画の宣伝手法として、タレントを試写会に招待したり宣伝担当に任命したりして、そのタレント目当てにプレスが集まってくるのを期待して、映画を広めてもらおうということをすることしているが、この場合映画メディアなら記事のメインはあくまで映画にすべきだろうが、シネマトゥデイはそこいらの芸能メディアみたいに、「タレントの○○が仰天発言」のようにタレントを見出しにすることがあったりする。
で、今回の『オーストラリア』(★、【感想】)について、泣いた人が続出したとの記事だけど、以下のようにいろいろと不可解な点が多い。
ちなみに、この“泣いて元気になれるレビュアー”試写会っていうのは、私が行ったやつだと思う。
(1)2月3日の出来事が、なぜ2月20日になって突然記事になったのか?
(2)「来場者から『こんなに泣けるとは!』とのコメントが続出した」と書かれているけど、アンケートなんか集めてなかっと思う。思い違いかな? 言えるのは、泣いている人も、スタッフに口頭で「泣いた」とか言っている人も目にしなかったということ。
(3)ハンカチの忘れ物が多かったからといって、それだけで映画を観て泣いていた人が多かったと言い切れるのか? 風邪で鼻水が出ていたのかもしれないし、成分分析でもしたのか?
(4)「…教えてくれる作品であることは間違いないようだ。」って書いてるけど、記者は映画を観てないってことか? 観てない映画の割にはやけに具体的に内容について書いてるけど、自分で確認しなくてもいいの?
以上の点から、なるべく合理的かつ失礼な憶測無しに実状を想像してみると、20日の直前の日に、3日の試写会の関係者が語ったエピソード(あくまで自己申告)を記者が聞いて、それ以上裏を取ること無しに、配給会社の売り文句も加えて逸話をそのまま記事にしちゃったということなのではないだろうか?
そうだとしたら、ずいぶん適当に記事を作っていて、ニュースと言えるのかさえ怪しいこんな記事すらボツにならずに通っちゃうんだぁ、と思う。
何か読者のためになるとも思えないし。
配給会社の宣伝としてはいいかもしれないけどね。
実際『オーストラリア』を観た私としては、この記事につられて観に行った人が現れたとして、「だましたな、シネマトゥデイ!」と文句を言われなければいいなと思います。
.