2011年、日本(角川)、カラー、1:2.35、102分、日本語
【監督&脚本&出演】板尾創路、他
【出演】浅野忠信、石原さとみ、前田吟、國村隼、六角精児、津田寛治、根岸李衣、平田満、木村祐一、宮迫博之、矢部太郎、木下ほうか、柄本佑、他
2013/09/06(金)鑑賞、WOWOW
<ストーリー>
記憶喪失の復員兵(板尾)がいきなり寄席の高座に上がったが、彼が持っていたお守りから、真打昇進目前だった天才落語家「森乃家うさぎ」であることが判った。
師匠(前田)が彼を落語家として甦らせようしていたところに、復員兵の戦友だった本物のうさぎ(浅野)が帰ってきて、板尾に気持ちが傾いていたいいなずけっだった弥生(石原)も戸惑う。
浅野は板尾にうさぎの名前を譲り、うさぎとして口座に上がった板尾は、客席を大爆笑と狂騒の世界にする。
<感想>
板尾が冒頭からボソボソつぶやいていたのが聞き取れなかったのだけど、どうやら古典落語の「粗忽長屋」だったらしい。
1つの名前の人間が2人存在するというストーリーが、「お前が死んでたぞ」と言われて死んだ自分自身に会いに行って愕然とするという不条理落語にかかっているということだった。
板尾が通い詰める太った女郎の部屋の床下からトンネルを掘り進むエピソードは何だったのか?みたいに、ストーリーは意味不明のことを解消しないまま色々放置してあって、「解りやすい」映画ではなく「何か引っかかる」映画を狙っているのか?
冒頭の奇妙な荒野、満月が映る夜の池、そしてクライマックスと、映像で観る者の印象に残そうとしていることが感じられ、そうした所は上手くいっていると思う。
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