シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

「スパイ大作戦『敗戦国アメリカ(時間差で口を割れ)』」 ★★☆

【原題】Invasion(意味「侵略」)
シーズン6、第9話
1971年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レスリー・H・マーティンソン【脚本】ジェームズ・L・ヘンダーソン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ・ピーター・ルーパス、他
2018/03/05(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/03/05(火)鑑賞
<ストーリー>
 ミサイル防衛のための遠距離レーダー網が地震によって停止中で、国防省の顧問のチャニングがレーダー網のデータを盗んでロサンゼルスの某所に隠し、電話で知らせたパリにいる敵国のスパイが、翌日取りに来ることになった。
 データ受け渡しの阻止を命じられたジム(グレイヴス)は、やってくるスパイの暗号名と到着便をつきとめることにした。
 IMFは、隣の部屋から自宅にいたチャニングを感電事故で気絶したと思わせるために麻酔銃を撃って眠らせ、潜入して彼の腕時計のカレンダーを翌日に進め、部屋の中に細工をした。
 目覚めたチャニングは、ニセのラジオやビデオテープを仕込んだテレビにより、ヨーロッパ人民共和国がレーダー網の盲点をついて核ミサイルの先制攻撃と占領軍の派遣を行い、アメリカが降伏したと思わされた。
 占領軍の将校に扮したウィリー(ルーパス)が現れ、線量の拠点にした倉庫内にチャニングを連行するが、敵スパイがチャニングの口封じのために派遣した殺し屋が尾行して、警備の兵士役のIMFメンバーを襲って、彼の軍服を着て潜入した。
 チャニングと同室になったアメリカの将校役のバーニー(モリス)と秘書役のケイシー(ジョージ)が軍法会議で即座に射殺され、同様に射殺されそうになったチャニングは、自分の暗号名を名乗って味方のスパイだと判事役のジムに申し出て射殺を免れた。
 チャニングは、閉じ込められた部屋を抜け出して、スパイが乗っている到着便の航空会社に電話をかけてスパイに言づてを頼もうとしたところ、殺し屋に銃で狙われるが、間一髪ジムの銃が先に殺し屋を射止めた。
 便名とスパイの名前が判り、空港にいたウィリーが尾行して受け渡し場所の空きビルにたどり着き、遅れてきたジムたちに囲まれスパイは観念し、データは燃やされた。
<感想>
 テープの指令がいつもの「おはようフェルプス君〜」ではなく「こんばんはフェルプス君」で、その日の日中にアメリカの諜報員がチャニングの会話を盗聴して、翌日の午後5時にデータの引き渡しがあることを察知してからの「それを阻止せよ」の指令なので、かなりの緊急事態。
 一方、作戦の方は、アメリカが敵国に占領されたと見せかけるために、大量のエキストラを投入し、近隣の一般人は退去してもらうという、かつてないほど大掛かりだという、「短時間でそれを準備するのは無理だろ」の矛盾。
 でも、「スパイ大作戦」は、シリーズ初期に戻ったようなこの作品のように、ありえないことを堂々とやって見せる「大ボラ吹き」のストーリーの方が、独自性を発揮していて面白いと改めて思った。
 サスペンスを強化する目的で「作戦の想定にないこと」として殺し屋の役を設定しているのも上手く効果が出ていた。