シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『秘密の島(殺しのジェット空輸)』」 ★★☆

【原題】The Connection(意味「繋がり」)
シーズン6、第14話
1971年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ガリー・クレイン【脚本】エドワード・J・ラクソー、ケン・ペタス【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ・ピーター・ルーパス、アンソニー・サーブ、他
2018/03/06(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/03/06(火)鑑賞
<ストーリー>
 アメリ東海岸でのヘロインの供給主のドーラン(サーブ)が、ニューヨークのバイヤーのクレッグに、百万ドル出資すればアヘンからヘロインへの精製を始めて、前任者の4割引きで供給すると持ち掛けた。
 ドーランとバイヤーとアヘンの入手先の摘発の指令を受けたジム(グレイヴス)は、精製工場の為にアフリカ北西海岸のマロ島にある屋敷を提供したフランス犯罪組織のマダムの写真をケイシー(ジョージ)の物にすり替えてドーランに送り、ジョージア州にあるニセの島にドーランを連れて来ようとした。
 出資金を手にしたドーランと部下2人は経由地のローマに行き、マダムが手配したプライベートジェットの乗務員に成りすましたジムとバーニー(モリス)に迎えられたが、ドーランの監視を命じられたクレッグの部下のフィンチも貨物室に忍び込んだ
 客室に催眠ガスを噴霧して、眠ったすきにドーランたちの腕時計を進めてマロ島に到着したように見せかけたが、フィンチは自分の腕時計を見て飛行時間が9時間と長かったことに感づいた。
 ドーランは、イスタンブールのアヘンの入手先の男に電話をかけ、男は翌日マロ島にアヘンを運んで、金と引き換えに渡すと言った。
 ドーランたちは、屋敷のケイシーとジムとウィリー(ルーパス)に迎えられたが、部下の1人が庭に出たところ、フィンチが襲って場所を問いただしたことに対し「ここはマロ島」と答えたことで、ローマから近いマロ島なはずがなく部下がウソをついていると思い、彼を刺し殺した。
 アヘンは行先をローマに変えさせたことでそこで待ち構えたバーニーとイタリア当局にパイロットが逮捕され、アヘンはニセの島に運ばせた。
 屋敷に忍び込んだフィンチがケイシーを襲ったがジムが助けに入って逃走した。
 ドーランはニューヨークのディーラーに電話をかけ、出来た分のヘロインをすぐに部下にニューヨークに持って行かせることにしたが、部下を車で送ったウィリーが途中で部下を逮捕して、ヘロインを持ってニューヨークに行った。
 ヘロインと引き換えに渡した現金とパイロットが戻らないことで、イスタンブールの組織はニューヨークのクレッグに電話をかけ、ドーランの行動が怪しいと話し合った。
 ドーランの部下の代わりに、足元を見て高値で新規の取引を持ち掛けにヘロイン持参でクレッグの元に現れたウィリーが拷問を受け、「マダムとドーランと取引をして、ヘロイン受け取りの飛行機がローマで待っている」と白状したふりをした。
 クレッグはウイリーを伴ってローマに行き、待っていたバーニーのジェット機に乗り、再度ガスで眠らせてニセのマロ島に行った。
 屋敷に来たクレッグに、ケイシーはドーランと裏取引していたことを白状した。
 島がジョージア州だと気づいて屋敷に忍び込んだフィンチがジムもみ合ってジムに射殺され、クレッグがドーランを問い詰めたところに、ジョージアの警官隊が現れ一網打尽になり、イスタンブールの組織も逆探知で正体がバレた。
<感想>
 島、ニューヨーク、イスタンブールの三か所にそれぞれ分かれた3つの組織を同時にだまし、ローマも拠点にプライベートジェットも使った、世界的な広がりのある作戦。
 そのため、ストーリーが盛りだくさんで込み入っているのだが、実は3つの組織のお互いの信頼関係を崩して、焦らせて迂闊な行動をさせる作戦の基本だけ押さえておけば、細部まで丁寧にストーリーを追わなくても問題なく楽しめる。
 もっと言うと、正体不明だったニューヨークとイスタンブールの組織に電話をかけさせて電話番号さえつかめば、敵の所在が判って任務完了で、ニューヨークの組織を島まで連れて来させる必要はないのだが、そのストーリーの穴は観ている間は気にならない。
 作戦の「緻密さ」「スケール感」を出すことに成功しながら、1回観ただけでは理解できないようなストーリーの複雑さもなく、よく出来ている。
 シーズン6に入って、ますますストーリーがネタ切れで不調だったのだが、復調を期待できる作品だった。