2008年、日、カラー、1:1.85、35ミリ上映、ドルビー、123分、日本語
【監督&脚本&プロデューサー&撮影&編集】塚本晋也、他【原作】塚本晋也「悪夢探偵2 怖がる女」
【出演】 松田龍平、三浦由衣、市川実和子、光石研、韓英恵、松嶋初音、安藤輪子、内田春菊、北見敏之、他
2009/01/02(金)14:05-16:10鑑賞、シネセゾン渋谷、約15人/約250席
他人の心が読めてしまうことや、他人の夢の中に入ってしまう能力をもった人間の苦悩の話だが、人と人とのコミュニケーションにおいて、本音を見せないこと、コミュニケーション自体が無くて相手のことを知りたくても判らないことなどの問題も描かれる。
塚本監督は、今回もカメラワーク、照明、編集、セット、衣装、俳優のヘアスタイルなど、ありとあらゆるヴィジュアル的な要素において、完璧と言いたくなるような仕事振りで素晴しい。
(さらに詳しい感想がこちらに載るかもしれない。==> http://www.ceres.dti.ne.jp/~kwgch/kanso_2008.html)
『うん、何?』 ★☆
(読み=うんなん、映画の舞台の雲南市にもかけている)
2008年、日、カラー、1:1.85、35ミリ上映、35ミリ撮影、ドルビーデジタル、123分、日本語
【監督&脚本&原案】錦織良成
【出演】橋爪遼、柳沢なな、宮崎美子、松澤傑、平田薫、岡太一、加藤侑紀、菅田俊、甲本雅裕、伊藤幸純、大方斐紗子、虎牙光揮、荒谷清水、栗田よう子、氏家恵、中村麻美、黄川田将也、田山涼成、長谷川初範、他
2009/01/02(金)11:00-13:10鑑賞、シアター・イメージフォーラム1、約10人/64席
例えば、「米は何千年も前から日本人が食していて、他の食べ物とは違って日本人にとっては特別で神聖な存在」などという言葉でごばんの素晴らしさを訴える人がいるが、私にとってはそんな言葉や稲荷神社の存在に象徴されるような神格化されたイメージとは無関係に、「食べたくなる食べ物」だから好きだということの方がはるかに重要。
「言葉」を重要視する人なら宗教的なものに惹かれるのだろうが、自分の「感覚」を信じることを重視する私は、感覚的に訴えてくる「映画」の方にむしろ惹かれる。
だから、『うん、何?』が映画として作られているにもかかわらず、「故郷は大事」「伝統は大事」「家族は大事」などということを言葉レベルの表層的にしか描かれてなく、それらが「どう大事」なのかということを「実感」できる映画ならではの表現になっていないことが不満。
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『その日のまえに』 ★★★☆
2008年、日、カラー、1:1.85、35ミリ上映、DTSステレオ、139分、日本語
【監督&撮影台本&編集】大林宣彦、他【原作】重松清【主題歌】クラムボン
【出演】南原清隆、永作博美、筧利夫、今井雅之、勝野雅奈恵、原田夏希、柴田理恵、風間杜夫、宝生舞、寺島咲、厚木拓郎、森田直幸、斉藤健一、窪塚俊介、高橋かおり、並樹史朗 喫茶店、油井昌由樹、小林かおり、吉行由実、柴山智加、鈴木聖奈、村田雄浩、山田辰夫、左時枝、小日向文世、根岸季衣、入江若葉、峰岸徹、他
2008/12/26(金)13:35-16:05鑑賞、角川シネマ新宿2、39番/約45人/56席
この地上に天国があるとすれば、それは大林監督作品の中にあると思えてしまう。
人々が生きている世界は現在だけで成り立っているのではなく、記憶の中にある過去の風景やそこにいた人々、過去の存在の証として遺された品々、そしてさらには既にこの世にはいない人々までもがこの世に影響を及ぼしているということを、映画の力を借りて可視化させてみせている。
映画を作る目的は、現実の再現や小説の映画化など作り手それぞれだが、「天国」のような世界を作り上げる(もしくはでっち上げる)ことをやってのけているのは、大林監督ぐらいしかいないと思われ、映画監督として彼が別格たるゆえんである。
1つ贅沢な難点を言えば、「過去」「死者たちの世界」は大林作品ではおなじみの要素で、それらを中心にすえることでこんな素晴しい映画ができてしまうことが、当たり前すぎてちょっとつまらなく感じてしまうこと。
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『GOTH』 ★★
(GOTH:読み=ゴス、意味=暗黒、猟奇)
2008年、日、カラー、1:1.85、35ミリ上映、35ミリ撮影、DTSステレオ、96分、日本語
【監督&作劇】高橋玄、他【原作】乙一「GOTHリストカット事件」
【出演】本郷奏多、高梨臨、長塚圭史、柳生みゆ、奥田恵梨華、松尾敏伸、山中聡、鳥肌実、夏生ゆうな、中田圭、二階堂智、他
2008/12/26(金)16:30-18:20鑑賞、渋谷シアターTSUTAYA1、約30人/264席
硬質な画面と主人公2人のスカした芝居の凝った演出で、観る者をスクリーンに惹きつけようという意気込みは感じられるが、スカシ芝居が結局最後まで収束しないままなので、スクリーンとの距離感が近づかないままに終わったような印象を受けた。
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『ワールド・オブ・ライズ』 ★★
【原題】Body of Lies (意味:「嘘の数々?」「偽りの体?」)
2008年、米、カラー、1:2.35、35ミリ上映、35ミリ撮影、ドルビーデジタル/DTS/SDDS、128分、英語(日本語字幕:林完治)
【監督&製作】リドリー・スコット、他【原作】デイヴィッド・イグネイシアス「ワールド・オブ・ライズ」
【出演】レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、他
2008/12/20(土)15:40-18:05鑑賞、WMCつきみ野3、約30人/約200席
どういうわけか、いい感想も悪い感想も出てこない。
何故だろう?
とりあえず感じたのは、普通の「CIA諜報員の諜報活動モノ」。
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『1408号室』 ★★☆
【原題】1408 (意味:「1408号室」)
2007年、米、カラー、1:2.35、35ミリ上映、35ミリ撮影、104分、英語(日本語字幕:栗原とみ子)
【監督】ミカエル・ハフストローム【原作】スティーヴン・キング「一四〇八号室」
【出演】ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、他
2008/12/01(月)18:05-20:10鑑賞、WMCつきみ野1、約10人/約300席
まあ退屈しなかったので良かったのだけど、ホテルの一室に宿る「呪い」の実態が、主人公の心の奥底の罪悪感を刺激して苦悩させるというもので、呪いをそんなふうに「筋の通った」ものにしちゃうと、なんかスケールが小さくなっちゃって物足りなさを感じてしまう。
理由も理屈も無く、とにかく人間を無差別に呪っちゃっう方が面白いと思うのだが…。
(さらに詳しい感想がこちらに載るかもしれない。==> http://www.ceres.dti.ne.jp/~kwgch/kanso_2008.html)
『ハッピーフライト』 ★★★☆
2008年、日(東宝)、カラー、1:1.85、35ミリ上映、35ミリ撮影、103分、日本語
【監督&脚本】矢口史靖
【出演】田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、田畑智子、寺島しのぶ、岸部一徳、笹野高史、田中哲司、ベンガル、田山涼成、正名僕蔵、平岩紙、中村靖日、肘井美佳、森下能幸、江口のりこ、小日向文世、竹中直人、木野花、柄本明、他
2008/12/06(土)レイト鑑賞、WMC海老名、約30人/約200席
矢口史靖監督は、今や「ハズさずに面白い映画を作る」ことに関して、世界中のどの監督よりも高い確率で出来るのではないだろうか?
それを実現している秘訣は、脚本、芝居、映像などの各要素において、あらを見せずに面白いものを目指すことにおいてひたすら完璧を目指すという、特別なことではない当たり前のことをしているだけのようである。
そんな当たり前のことの具体例はというと、あれだけたくさんの面白い人々が数々のドタバタエピソードで笑わせてくれるというのに、作り手はどの登場人物も見下していないし、それどころか一番とんでもない綾瀬はるかの役ですら最終的には素敵に見えるし、悪役っぽい登場人物でも映画自体を不愉快な印象にさせることはないなど、そんなレベルまで突き詰めている。
映画を楽しく気持ちよいものにするという明確な目的を持っていて、それを実現するために何をどうすればいいかということを全部把握しているようである。
これって当たり前のことのはずだが、実情はというと、ここまで出来ていない映画の方が当たり前だったりするから、「矢口監督が特別凄い」のか?「他の監督が見劣りし過ぎ」なのか?いったいどっち?
(さらに詳しい感想がこちらに載るかもしれない。==> http://www.ceres.dti.ne.jp/~kwgch/kanso_2008.html)