シネサルの「映画のブログ」

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 2008/09/05(金)の日記、「そんなに力の入った映画じゃないぞ」

 今日で上映が終わる『それぞれのシネマ』(★〜★★)の夜の回を観に行くことにした。
 仕事が終わらなくて、ギリギリ間に合う電車に乗り、ユーロスペースまではだいぶ距離がある渋谷駅に開映5分前に着くが、109でチケットを手際よく買い、早歩きで渋谷のノロノロ歩きの人並みをかき分けていき、ユーロスペース2に予告編上映中に入場。
 整理番号26番で、お客さんは約30人。
 終映の21:00以降にハシゴできる適当な映画がなかったので、チラシを収集して帰ろうと思っていたのだが、チラシの棚の上のほうに映画館のスタッフが貼り付けた記事や感想などをずーっと読んでいる人たちが立ちはだかっていたせいで、チラシを取りづらかった。
 どんなことが書かれていたのかは判らないけど、『それぞれのシネマ』ってどう考えても監督たちが気楽に3分間の映画を撮ったという感じで、そんなに真剣に考察する映画じゃないと思うけど。
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 深夜、TBSテレビのR30、ゲストは『パコと魔法の絵本』の公開を控えた中島哲也監督
 トークの主な内容は、中島監督が撮影現場でとにかく厳しくていつもピリピリした雰囲気だということ。
 厳しくする理由は何かというと、
  「スタッフは、笑うだけの心の余裕があるなら、その余裕を最善を目指すために使って全力で仕事に当たるべき。」
  「スタッフと親しくなると、きついことを言い難くなるので、親しくならないようにしている。」
  「俳優の芝居を誉めるのは失礼。なぜなら、俳優はプロで、いい芝居をしようとするのは当然だから。俳優の芝居にOKを出すことが、彼らを評価していることを意味している。(つまり、不満があればOKしないから、OKは満足していることを意味している。)」
とのこと。
 『嫌われ松子の一生』の現場で、監督が中谷美紀をしょっちゅう怒鳴っていて、中谷も記者会見で「監督に反発することもあった」みたいな話をしていたのを受けて、「不仲」と報じたメディアが多かったけど。
 でも、そんなことを当人が公言できることからして、根に持っているとは思われず、むしろ2人はあの大傑作を共に作り上げた「戦友」みたいだという印象を受けた。
 少なくとも、監督や俳優が何のために勢力を注ぐかといえば、「作品の出来をより良くすること」であり、決して現場で和気あいあいとする「仲良しクラブ」の関係を結ぶためではない。
 それなのに、作品の出来には言及せずに、仲が良いか悪いかばかり話題にするメディアなんて、芸能や仕事に関する認識がまるっきり子供程度だよな。