2010年、日本、カラー、1:1.85、35ミリ上映、ドルビー、118分、日本語&英語
【監督&脚本】行定勲【原作】吉田修一【撮影】福本淳
【出演】藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介、竹財輝之助、野波麻帆、中村ゆり、正名僕蔵、キムラ緑子、石橋蓮司、波岡一喜、黄川田将也、森下千里、水崎綾女、他
2010/05/14(金)12:10-14:20鑑賞、WMC多摩センター2、約15人/約200席
赤の他人の5人が同居するマンションの1室は、劇中で「参加したい者たちが集まっていて、離脱も当人の自由である、ネット上の掲示板のような場所。」という台詞で形容される。
これに従って、ネットを介した人間関係を具現化した映画だとみなすとしっくりくる。
良い悪いは別として、不特定多数の中から友人(=同居人)を選べる状況というのは、相手が自分にとって有益かどうかが重要になる。
反面、自分とは相容れない人間が多数存在することも知ることになり、そんな人たちが自分の周囲の人間関係と違って自分のコントロールがまったく効かず、世の中を悪化させるという思い込みによる苛立ちを覚えかねない。
しかし、そんな考え方は自分の立ち位置が他者とは違うということの上に成り立っているが、現実には客観的に見て自分も不特定多数の中のありふれた1人に過ぎない。
自分が他者のことを覗き見たり人物像を決め付けようとしていることは、同様に自分も誰かによって見られたり思われたりしていると考えるのが妥当である。
以上のようなネット上で日常頻繁に行われていることを、ドラマの形で表現している、クレバーな映画だと思った。
出演者は自然な演技で概ね好演。
(もっと詳しい感想がこちらに載るかもしれない)
.