シネサルの「映画のブログ」

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 『ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女』 ★★

【原題】The Girl(意味「女性」)
2012年、イギリス=南アフリカ=アメリカ、1:1.78、フィルム撮影、92分、英語(日本語字幕)
【監督】ジュリアン・ジャロルド【出演】シエナ・ミラートビー・ジョーンズ、他
2013/09/12(木)鑑賞、WOWOW放映
 女優ティッピ・ヘドレンから見た『鳥』と『マーニー』の舞台裏を描いた作品で、この元作品を観ていなければ、ヒッチコックって性格悪い女の敵としか思えないだろう。
 ヒッチがティッピに振られた後、腹いせに彼女が傷だらけになりながら鳥に襲われる1つのカットを、何日間も撮影し続けるのが最も執拗なエピソード。
 はたして、これが実際にあったことなのかは判らないが(ヒッチがある時ティッピに手を出して嫌われたというのは本当らしいが)、出来上がった『鳥』を観る限りでは、ティッピの怯える表情を引き出せたヒッチの演出は成功だったとしか言えない。
 映画監督が俳優を追い込むことがどこまで許されるのか、会社の上司と部下の場合と比べれば監督の力が強いと思うが、一般人にはよくわからない。
 1つ考えられるのは、俳優が苦しい目にあっても、出来上がった作品が良ければ報われたと思えるのではないかということ。
 そんな「作品の出来次第」なのは、こうした舞台裏モノ作品にも当てはまり、元作品が優れてなければ、舞台裏を描いたところで興味が湧かないだろう、とは思う。

 2013年は、『サイコ』の舞台裏を描いた『ヒッチコック』も公開されたが、あっちが綺麗事が多かった分、この作品の方が上だと思う。
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