シネサルの「映画のブログ」

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 『ゼロ・グラビティ』 ★★☆

【原題】Gravity(意味「重力」)
2013年、アメリカ、カラー、1:2.35、3D、91分、英語(日本語字幕)
【監督&脚本&製作&編集】アルフォンソ・キュアロン、他
【出演】サンドラ・ブロックジョージ・クルーニーエド・ハリス、他
2013/12/24(火)鑑賞、TOHOシネマズららぽーと横浜12
<感想>
 結論から言えば、感情移入が難しかった。

 直感的に連想した映画は『ポセイドン・アドベンチャー』だった。
 両作品とも「生き抜くこと」がテーマの作品。
 しかし、乗っていた船に沈没の危機が迫る話なら生々しく思えるが、宇宙空間だと実感するのが難しいことが色々ある。

 劇中で描かれただけでも、無重量状態、酸素不足など、台詞による状況説明が大半で、映像による表現では実感することが難しかった。
 (例えば、無重量状態とはいえ宇宙服はものすごく重いので、劇中の映像のように2人分の質量を腕の力だけで支えきれるか、疑問。)
 地上からの人工衛星の爆破もスペースデブリも実在するし、スペースデブリが重大な事故の原因になることも予測されていることではあるが、今では見慣れた宇宙映像は平穏なものばかりで、劇中のカタストロフィックな映像はあまりにかけ離れていた。
 音が聞こえない宇宙空間での事故の音の表現は、迫力がそがれることを覚悟の上で無音を通すのか?科学考証を無視して爆発音を入れるのか?、どうするのだろうと思っていたら、爆発音に似た音楽を映像にかぶせるという折衷案を採用していたが、作為が目立っていたことは否めなかった。

 以上、今いち乗れなかった理由を挙げてみたが、過去にない映像をリアルに再現しようとしたり、冒頭のカメラマンが宇宙遊泳しながら撮影しているように見える長回しなど、映像的にチャレンジブルだったことにはとても感銘を受けた。

 でも、蒸し返すようだけど、映画で重力や無重力が表現できてたら、ラストの感じ方が全然違うんだろうなぁ。
 その点、3Dでもまだ不十分だと思った。