シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

『くゆるひ』 ★★

20??年、日本、カラー、1:2.35、日本語、22分
【監督】宮原周平
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-41
2019/01/22(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2019/01/22(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 元子役の売れない俳優の笹原は、主演映画の役作りのため、鬼才監督の喜多村に倉庫に閉じ込められ、1か月も恫喝的な演技指導を受けた。
 精神が崩壊していった笹原は、喜多村に降板を告げられて殴りかかった。
  しかし、すべては俳優になれない笹原の現実逃避のための妄想だった。
【感想】
 実は、ストーリーが曖昧なので、妄想が「全部」か「一部」かは不明。
 『セッション』みたいな話なのだが、先生と生徒の関係と違って、映画監督にある作品への責任をないがしろにしてまで今どきあんなわがまま通るとは思えない、などの、現実性に対して引っ掛かるところがいくつかある。
 人と人とが生々しくぶつかり合うジャンルは、リアリティに関わる細部の完成度が重要で、難しいのかな?と思った。

『月とワイン』 ★★

2009年、日本、カラー、1:1.78、日本語、14分
【監督】渡邊世紀
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-39
2019/01/08(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2019/01/08(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 夫は妻を愛するあまり、妻が傷つくような料理を禁じ、自宅に閉じ込めてから出勤した。
 妻は不満が表情に出るようになり、夫婦愛がギクシャクする中、妻がパーティの用意をして夫を迎え、「母親になる」と言った。
 夫を眠らせて運び出して自宅に火をつけて、野原にバラックを建てて、作った寝床に夫を誘った。
【感想】
 夫の異常な愛情ぶりで始まり、妻がいら立ってサイコホラーの様相を帯び、でも観終わってみれば一番大きい要素は「恋愛モノ」で、短期間で目まぐるしく変化するのとスリラーっぽい雰囲気に引き込まれる。
 それでも、極端すぎる設定や、典型的なメロドラマのBGMが高らかに鳴り響いたりしたのには面食らったのだが、短編の短い尺の中に、効率的に解りやすい作品にしようとしたら、その手段もアリと思う。
 激しい展開だけど表現のトーンは安定していて、表情などで印象に残るような映像も用意しているなど、手堅い作りだと思った。

『つれない男』 ★☆

2018年、日本、カラー、1:1.78、日本語、6分
【監督】小川貴之
参照リンク:https://vimeo.com/272947690
https://www.ashitanoshow.net/blank-37
2018/12/25(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/25(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 男は出勤すると見せかけて妻に内緒で渓流釣りに行っていたが、薄々感づいていた妻に気づかれ、妻は釣竿を折って家から消えた。
 別の竿でいつもの場所に行ったが、そこでいつも居合わせていた釣り下手な男が折られた釣り座を釣り上げ、男は妻をないがしろにしながら趣味を楽しんでいたことがゴミみたいな幻のようだったと気づいた。
【感想】
 話の鍵を握る釣り下手な男がほぼロングでしか撮られていないので、彼が(流木?などの)ゴミしか釣れなかったり、折れた釣竿が川から釣ったものだというのが判りにくく、再生し直して2回目にやっと判った。
 全体的に省略されたようなあいまいなストーリーなのだが、割と意味があるシーンまで解りにくくすることはないのに、と思った。

『形』 ★☆

2018年、日本、カラー、1:1.78、日本語、6分
【監督】デトロイト城ケ崎
参照リンク:https://www.youtube.com/watch?v=BJ6fI8FeHFo
https://www.ashitanoshow.net/blank-37
2018/12/25(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/25(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 久しぶりに再会した大学生のタケバヤシとヨッシー
 タケバヤシはこれから小説家を目指すと言い出した。
 3日後にヨッシーがタケバヤシの家に行くと、和服にぼさぼさ頭で、原稿用紙にほとんど白紙のままだった。
 ヨッシーは、形から入るのはやめて、まずパソコンの使い方を勉強するように言った。
 その3日後、タケバヤシは今度はネット中毒者のようになっていた。
【感想】
 感想は上の『深すぎる面接』とほとんど同じ。
 違いは、『深すぎる〜』は6分間リアルタイムで進行するのに対し、この作品はシーンで日付が変わるので、「そのままライブで出来る」という訳にはいかず、「映画である必然性」が少しあるということ。

『深すぎる面接』 ★☆

2018年、日本、カラー、1:1.78、日本語、6分
【監督】デトロイト城ケ崎
参照リンク:https://www.youtube.com/watch?v=QhboW7svXJI
https://www.ashitanoshow.net/blank-37
2018/12/25(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/25(火)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 バイトの面接を受けに来た大学生のフカスギが、店主の質問の意図を裏読みしすぎて、奇妙なリアクションを取る。
【感想】
 芝居の形式は「コント」と変わりなく、芸人がライブで演じる代わりに、映像作品を作ってYouTubeに投稿するという、「発表の方法が違うだけ」に見える。
 形式上は確かに「ショートムービー」なのだが、そのままライブでもできちゃう感じで、映画らしさはほとんどなく、映画である必然性や映画への想い入れは果たして…?
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『ラヂオ幽霊』 ★★☆

201?年、日本、カラー、1:1.78、日本語、7分
【監督】森田博之
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-35
2018/12/11(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/12(水)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 ラジオDJの仕事にやりがいが感じられなくなり、仕事中も体調不良に悩まされる小梅の前に、彼女だけにしか見えない青年の幽霊が現れた。
 ファンだった小梅とラジオ番組の「妄想デート」のコーナーを体験すれば成仏すると聞かされ、自分のアパートでやって2人とも楽しんだ。
 幽霊は消え、小梅は仕事にやる気を感じるようになった。
【感想】
 始まって間もなく、突然幽霊が現れた時の小梅の怖がり方が、他のいかなるホラー作品よりもオーバーで直前の静かな芝居からの振り幅も大きく、ここだけで「良いものを見せてもらった」と大満足。
 最大の見せ場が冒頭に来てしまい、後半は雰囲気が変わってしまったのは、見せ場を最後に持ってきてキッチリ落ちをつける作品より損している気がする。(ホラーならなおさら。)
 TVドラマの「怪談新耳袋」とかは、5分間で作品が成立出来ていたから、ホラーは短編と相性がよさそう。

『海をわたる象』 ★☆

201?年、日本、カラー、1:1.78、アニメ、日本語、7分
【監督】植田千湖
参照リンク:https://www.ashitanoshow.net/blank-35
2018/12/11(火)04:00放送 TOKYO MXTV、2018/12/12(水)鑑賞
【ストーリー、ネタばれ有り】
 仕事にかかりっきりで帰宅しない父のことを砂浜で想っていた少女レベッカのところに、足輪をつけた象が海の向こうから泳いできて、仲良く過ごした。
 象に乗って海を渡り父のいる島に行って久しぶりに再会を喜ぶレベッカの姿を見た象は、小象の頃に仲良くしてた少年のことを思い出し、それを察したレベッカは一緒に少年を探すために海を渡って行った。
【感想】
 別の短編映画に対して、良し悪しは置いといて「雰囲気しかない映画」と評したが、数分ぐらいの尺だとストーリーは限られるのでむしろ「雰囲気を前面に出す」のは自然で宿命とも言える。
 この作品も甘くて優しい雰囲気で貫かれているが、そうなると「クラシック(の雰囲気)が好きか嫌いか?ロックはどうだ?」といった次元の話になってしまう。
 雰囲気以外の「独特なもの」が何かあったなら、好き嫌い以外の感想が出ると思うが…。
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