【原題】Ultimatum(意味「最後通牒」)
シーズン7、第10話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・バディ【脚本】ダグラス・ワイア【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、バーバラ・アンダーソン、ピーター・ルーパス、マーレイ・ハミルトン、ドネリー・ローズ、他
2018/06/05(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/06/06(水)鑑賞
<ストーリー>
クーパー博士(ハミルトン)と妻のアデルが、ロサンゼルス市庁舎の地下下水道に水爆を仕掛け、アメリカ政府に閣僚や政策の変更を要求した。
爆発予告の翌日正午までに水爆のありかを突きとめ爆発の阻止を命じられたIMFは、大統領が直接会って交渉するとクーパーに電話をかけ、クーパーは車で交渉場所に向かい、カーラジオで、IMFによる「強盗が2人殺してに逃走した」とのニセのニュースを聞いた。
ウィリー(ルーパス)が待ち構える山中のガソリンスタンドの手前で、ラジエーターに仕掛けた爆弾をリモコンで爆破して故障させ、クーパーは渋々ウィリーの修理を待った。
そこに、強盗に扮したジム(グレイヴス)とミミ(アンダーソン)が現われ、クーパーとウィリーを脅して立てこもった。
アデルは、夫の到着の電話がかかってこないので、家に来た配達人を殴り倒して彼に変装して見張られている家を抜け出し、仲間のモーガン(ローズ)に電話をかけ、クーパーを探すように頼んだ。
ガソリンスタンドの手前で道路が封鎖されていたので、モーガンは徒歩でガソリンスタンドに来て、中でクーパーが監禁されているのを知り、電話でアデルに報告した。
クーパーは約1時間後に迫った爆発を止めるため、電話をかける許しをジムに乞い、止める役割の仲間のロジャースに電話をかけたが、電話番号から突きとめたロジャースの場所に警察が到着するより早く、爆発を止めに向かおうとするロジャースをアデルが射殺して阻止した。
バーニー(モリス)が、ロジャースが射殺されたことをタジオで報じるように指示し、それを聞いたクーパーは、タイマーを止めると別のタイマーが作動して1週間後に爆発するという仕組みをジムたちに話して、爆発制止の協力を訴えた。
アデルの指示でモーガンがクーパーを狙撃して口封じをしようとしたところ、ジムが察知じて防ぎ、ウィリーが逃げ出してジムに射殺されたふりをして、モーガンの背後に回って倒した。
ジムとミミは、水爆で脅して金を得ることを条件にクーパーの爆破阻止に協力する取引をし、ジムの仲間に扮したバーニーが操縦してきた逃走用のヘリに3人で乗ってロサンゼルス市庁舎に着陸し、下水道に入って行った。
そこでアデルが待ち構えていたがジムたちが防ぎ、クーパーが爆発寸前でタイマーを外したところに警官隊が現われた。
<感想>
タイムリミットが迫っていて、水爆の場所もアメリカのどこかとしか判らず、協力者が誰かも何人いるかも判らないという、かなりハードルの高い使命。
案の定、アデルやモーガンなどのIMFも想定していなかった敵が入って妨害するという、予定外のことも起きてしまう。
そして、作戦が「水爆で脅して要求をのませる」の狙いを逆手にとって、「目的を果たせないのに水爆を爆発させたら意味がないから、そんな止めざるをえない状況を作る」というのも斬新。
.
冒頭の水爆作動シーンは、すでに下水道に設置してあった水爆本体に、クーパーがタイマーだけ持って行ってアタッチするという手順だが、マンホールより大きそうな水爆を、しかもピッタリの隠し場所にどうやって持ち込んだのだろう?
本来の作戦は「ロジャースが水爆を止めに行くところを尾行して水爆の場所をつきとめる」だったと思うが、彼が殺されたのでクーパーに停めに行かせることに変更した感じ。
でも、ロジャースだけならヘリを飛ばす必要性はなかったはずなのだが、まぁバックアッププランもちゃんと用意していたということにしよう。
.
IMDBによると、今回でミミの出演が最後のようで、ケイシー役のリンダ・デイ・ジョージが産休明けで戻ってくるためらしい。
.
モーガン役のドネリー・ローズは、過去の「スパイ大作戦」で何度か見た気がして調べたら、
「コールドスリープ」のターゲットのバレット役
「黒いファイル」のターゲットのメリック役
の2作品があった。
今年の1月に80歳で亡くなったとのこと。
.
マーレイ・ハミルトンも、「多くの作品で見た覚えはあるが、どの作品だったか思い出せない」俳優で、有名なのは『JAWSジョーズ』の市長役かな?
1986年に63歳で亡くなっていたのには気づかなかった。
「スパイ大作戦『将軍の仮面をはがせ』」 ★☆
【原題】Hit(意味「ぶつける(?)」)
シーズン7、第9話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・バディ【脚本】ダグラス・ワイア【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、バーバラ・アンダーソン、ピーター・ルーパス、他
2018/06/04(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/30(水)鑑賞
<ストーリー>
シンジケートのボスのサム・デクスターは、脱税で懲役1年の刑で収監される前日に恋人のヴィッキーの家にいたが、検事補のレイノルズからの電話で、脱税を垂れ込んだのはヴィッキーだと聞き、彼女の車のブレーキを壊して、運転する彼女を車ごと崖から落とした。
ヴィッキー殺害の証拠入手と、デクスターに代わってシンジケートを取り仕切る影のパートナー「将軍」の正体を突き止めることをジム(グレイヴス)は命じられた。
ヴィッキー殺しの再調査のためにワシントンから来た検事に成りすましたジムは、デクスターの親友のマードックを取り調べ、レイノルズに「殺人の目撃者がいる」と言った。
デクスターが収監されている刑務所に、囚人に成りすましたバーニー(モリス)とウィリー(ルーパス)が潜入し、ウィリーがデクスター達と喧嘩してバーニーがウィリーを倒した。
ヴィッキーとは同郷の知り合いの女に扮したミミ(アンダーソン)をジムとレイノルズが取り調べ、ヴィッキーの家の近くに来た時に殺人を目撃した話をした。
レイノルズはミミの部屋に行って「お前の証言はデタラメだ」と言って黒幕を聞き出そうとしたが、ミミ目撃は本当だと言い張り、彼と入れ替わりにマードックがミミを脅して吐かせようとしたが、ジムが彼を薬で眠らせた。
マードックに変装したIMFメンバーのジャックがミミの部屋から通りに出たところでウィリーが彼をひいて殺そうとし、搬送した病室でジャックは「将軍が目撃者をでっち上げて、自分もひき殺そうとした」とジムとレイノルズに言い残して死んだふりをした。
ジムとレイノルズはデクスターに面会して、デクスターを裏切った将軍の正体を聞こうとしたが答えず、ジムが席を外したすきに残った2人が密談してる録音を証拠にレイノルズをクビにした。
マードックとレイノルズを失ったデクスターは、脱獄計画のメモを書いていたバーニーと取引して、一緒に脱獄して将軍の所に行った後に刑務所に戻る計画を立てた
その夜、2人は刑務所の使われなくなった排水トンネルを通って脱獄したが、途中崩れていてIMFの車が待ち構えている出口と別の所に出て、車を奪って将軍のところに向かった。
これを知ったウィリーは、マードックを縛って将軍の場所を尋問し、マードックが縄をほどいて将軍に電話をかけたところで拘束した。
デクスターがバーニーと将軍の屋敷に行き、裏切った将軍とバーニーを射殺しようとしたところに、電話番号から屋敷の場所をつきとめたIMFが現われ、屋敷内のコンピュータも押さえた。
<感想>
終盤、将軍の屋敷へと向かうデクスターを見失うという予定外の展開が意外性があって期待したが、とっさにマードックを使って将軍の屋敷の場所を突きとめる作戦に切り替えたような展開にビックリ。
だったら、最初からそれをやった方がデクスターを脱獄させるより簡単だし、とっさに思いついた割には、かけた電話番号を遠隔地で探知する装置がつけられていた。
.
でも、この程度の辻褄が合わないのは「スパイ大作戦」にとっては問題にならない。
それより、特殊兵器がせいぜい変装のマスクぐらいの、ほぼ完全に人力のみによる作戦で、こうなると「スパイ大作戦」としては地味に見えてしまって、面白味に欠けたことの方が残念だった。
.
「スパイ大作戦『無意識での殺人(架空殺人事件)』」 ★☆
【原題】Crack-Up(意味「精神の崩壊」)
シーズン7、第12話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】サットン・ローリー【脚本】アーサー・ワイズ【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、マーリン・メイソン、ピーター・ルーパス、他
2018/05/29(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/30(水)鑑賞
<ストーリー>
殺し屋のピーター・コーデルに対し、背後で殺しを請け負わせているのがシンジケートの誰かを突き止めることをジム(グレイヴス)が命じられた。
チェスクラブのチャンピオンであるコーデルに、挑戦者の精神科医に扮したジムがクラブに現われ、コーデルの黒い駒に薬を塗って彼と対局し、無線機を通してコンピュータの差し手をバーニー(モリス)がジムに教え、対局に勝った。
帰り際のクラブの駐車場で、指から吸収された薬の影響で催眠術にかかりやすくなったコーデルがジムに催眠術をかけられ、決まった言葉を聞くと意識を失い、術が解かれるとその間の記憶がなくなるようにした。
そして、その駐車場でコーデルにかけた暗示が効いたうちに、IMFメンバーが口論の末にコーデルに殴り殺されたように見せかけ、暗示が解けたコーデルは自分が殺したと思ってすぐに立ち去った。
コーデルは、別の新興のシンジケートの幹部のハーパーと会う約束をしていたバーに向かい、そこに先に到着したハーパーをウィリー(ルーパス)が拘束して割り符を奪い、サンデイ(メイソン)が割り符でハーパーに成りすまして、今より高い報酬を出す用意があるとコーデルに持ち掛けた。
翌朝、チェスクラブの駐車場での殺人の新聞記事を見たシンジケートの男が、コーデルの兄のハリーに、コーデルが他から殺しを依頼されていると疑っているから、コーデルにチェスクラブに行かせるなと言い、ハリーはそのようにコーデルに注意した。
コーデルのマンションの空き部屋に部屋を借りたサンディがコーデルの部屋を訪ね、そこに刑事に扮したバーニー(モリス)がやって来て、チェスクラブの殺人のアリバイを調査して、サンデイは実際より早い時間にバーに着いたと言い、それを聞いてバーニーは帰った。
コーデルとジムの第2戦のために2人がチェスクラブに来て、対局の前にジムが、口論の末に殺人を犯す妄想に取りつかれた患者が本当に殺人を犯したとコーデルに話した。
コーデルは対局をキャンセルしてクラブを出たところに、バーニーが署に連行しようとしながら暗示をかけ、コーデルが気付くとバーニーが射殺された振りをしていて、コーデルは逃げ去った。
コーデルと、彼を見張っていたハリーがコーデルの自宅に行くと、そこにいたサンデイとジムがコーネルに暗示をかけ、ハリーを気絶させて血糊をつけて、暗示を解かれたコーデルがハリーを射殺したと思わせた後に薬で眠らせた。
外から施錠された個室で目覚めたコーディに、ジムは精神科医として囚人病棟で彼の治療をしていると説明し、ジムが出て行った後、看護師が入って来てコーディに襲い掛かった。
ボスが口封じのために刺客を送り込んだと思ったコーディは、面会にきたサンディに「ボスから電話がかかってくるのを待って、『ボスの正体をバラされたくなかったらすぐここから出せ』との言づてを会って伝えろ」と頼んだ。
言われた通りに待ち合せ場所にやってきたボスの車にサンデイが乗り、運転手の振りをしていた男の方がボスだと判り、かけつけた警官隊に教えた。
<感想>
「催眠術で心を操る」という設定は「何でもあり」になるので、おそらく一番やってはいけないこと。
さらに、真のターゲットである「ボス」を呼び寄せるために、彼と通じている「殺し屋」に対してあれこれ行う作戦で、結局は「ボスからの電話を待つ」だったので、終盤が何だか拍子抜け。
殺し屋相手の行為はすべて無駄で、単に殺し屋を拉致するだけでも良かったのでは?
あと、殺し屋中心の展開をしている最中は、作戦の狙いが解り難く、その解らな過ぎる状態で観ても、先の展開に期待もできず、面白味に欠ける時間が長かった。
殺し屋は腕利きの筈だったのに、催眠術に翻弄されるシーンが多くて腕利きに見えないのも残念。
そんなわけで、色々と残念か回だった。
.
ケイシーの代役のサンデイは、今回限りの登場。
「スパイ大作戦『戦慄“殺しの横顔”』」 ★★
【原題】Movie(意味「映画」)
シーズン7、第8話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】テリー・ベッカー【脚本】アンソニー・バウワー、アーサー・ワイズ、スティーヴン・カンデル【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、バーバラ・アンダーソン、ピーター・ルーパス、ジョン・ヴァーノン、他
2018/05/28(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/29(火)鑑賞
<ストーリー>
シールズ(ヴァーノン)は、ベンジャミン・ディーンがボスの座についているシンジケートの人間で、ロサンゼルスのレジャー産業に進出していた。
シールズの部下のブレントは、シンジケートから借金していたパンテオン撮影所の社長のパッカードの元で働いていたが、自殺に見せかけて社長を殺し、新社長にはベンジャミンの弟のテオが就任し、シールズが彼を補佐することになった。
ジム(グレイヴス)は、シールズが持っているシンジケートの資金の記録を入手することを命じられた。
テオが乗ったロサンゼルスへと向かう旅客機の中で、新人女優に扮したミミ(アンダーソン)がパンテオン撮影所の表紙が付いた新作映画「殺しの横顔」の資料を読み、テオが彼女に話しかけた。
2人が旅客機から降りようとした時、一緒に乗っていたジムがテオを薬で眠らせ、別の出口から密かに連れ出し、ジムがテオに成りすましてミミと降りた。
その頃、ベンジャミンからテオを見張るように言われて旅客機に乗っていたムーアが、機内に戻ってテオを探したが乗客は残ってなく、アナウンスで呼び出したところ、電話口に出たジムがテオに成りすましていることに気付いた。
アナウンスで見張りがいることを知ったIMFは、テオが公衆電話からベンジャミンにかけた電話に割り込んで、メンバーが声帯模写でベンジャミンに成りすました。
撮影所に潜入したムーアが、ジムを銃で脅して連れ去ろうとしたところ、ミミが機転で車で2人に突っ込み、ムーアが車に向けて発砲したので、ブレントの部下で警備員のヒースがムーアを射殺した。
パッカード前社長と「殺しの横顔」の監督に扮したバーニー(モリス)とが製作の契約を結んでいたように工作されていて、あらすじを見たシールズはそれが彼が手を下して取り調べも受けた実際の未解決の殺人事件とそっくりであることに気付き、始まった撮影の中止をジムに申し出るがジムは受け付けなかった。
シールズはベンジャミンに電話で相談し、監督のバーニーを始末することに決めたが、IMFは盗聴と声帯模写で、爆弾で殺そうとしていることを突き止めた。
ヒースがカメラのマガジンに爆弾を仕掛けたことに気づかないまま撮影が始まったが、感づいたジムがバーニーに電話で知らせ、バーニーは撮影に対して怒ったふりをして全員をスタジオから追い出し、爆発はしたが被害者は出なかった。
シールズの空手の個人指導の代役に扮したウィリー(ルーパス)が、稽古してシールズを気絶させたすきに、彼の拳銃をすり替えた。
ジムが夜にシールズをスタジオに緊急に呼び出し、シールズの殺人の証拠があると言い出したので、銃を取り出してジムに向けた。
ジムが発した信号で、すり替えたシールズの銃から弾が発せられてジムが撃たれて倒れ、シールズはその場を立ち去った。
その一連の様子をバーニーが撮影していて、本物のテオを横たわらせて、警察に連絡してテオを引き取らせた。
シールズはブレントと口裏を合わせて昨夜はスタジオに行かなかったことにしたが、翌朝2人の前にミミが現われ、ミミはスタジオで殺人を目撃していて、愛するジムが殺された腹いせにベンジャミンに知らせて呼び寄せたと言った。
ベンジャミンが、警察で仮死状態にされて死んだと見せかけたテオを確認した後に撮影所に来て、ベンジャミンは殺人事件そのままの映画をテオが作ろうとして揉めたはずみで銃が暴発したと説明した。
ベンジャミンは「殺しの横顔」の撮影フィルムを確認したいと言って、映写技師に成りすましたウィリーが、バーニーが撮影して声帯模写でテオの声をアフレコしたフィルムを映写し、2人が取り引き話をしている最中にシールズがテオを射殺したように見せた。
ベンジャミンはシールズの追放を決め、シールズに金の出し入れを記録したマイクロフィルムが入った腕時計を渡すように言った。
それを見ていたウィリーが連絡し、ベンジャミンが撮影所から出たところでジムたちが腕時計を奪って去っていった。
<感想>
作戦が適度に込み入っていて、前半はジムの成りすましがバレたりバーニーの暗殺が企てられる想定外の危機が迫ったりして緊張感が高かった。
しかし、その2つの危機が思ったよりも解決がすんなりし過ぎていたり、なにより後半に入って作戦の詰めの甘さが目立つようになった。
まず銃をすり替えるために確実に空手の稽古が行われなければならないことウィリーが上手い具合に気絶させなければならないこと、シールズがジムに銃を向けなければいけないこと、ベンジャミンが「『殺人の横顔』のフィルムを確認したい」と言い出さなければならないこと、手下を従えていたベンジャミンが1人で屋外に出たおかげでジムとバーニーの2人だけで腕時計を簡単に奪えたこと、以上のご都合主義が起こらないと成立しない作戦だった。
そんなわけで、残念な回だった。
.
ジョン・ヴァーノンって、冷酷な目つきがいい味を出しているのだけど、瞳も青かったのね。
それがまた良い。
「スパイ大作戦『脱出請負業』」 ★★
【原題】Underground(意味「地下」「秘密の[組織]」)
シーズン7、第7話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】デヴィッド・ローウェル・リッチ【脚本】リー・ヴァンス【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、他
2018/05/22(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/23(水)鑑賞
<ストーリー>
シンジケートの訃報金融業務のブレーンのシェルが、逮捕される直前にシンジケートの数百万ドルを隠したが、国外脱出を請け負う業者が刑務所への移送中に脱走させた。
脱出ではなく自白薬で金のありかを白状させることが目的の組織からシェルを奪還し金を回収することをジム(グレイヴス)が命じられた。
医師に扮したジムが殺人を犯して大金を奪って追われているとの記事を新聞に載せ、組織に接触できるバーに探偵に扮したバーニー(モリス)が現われ、ジムの脱出を依頼した。
ジムは組織と会って、脱出のためといってガスで眠らされ棺桶に入れられて運ばれるが、電波が遮断され、発信器で尾行していたIMFはジムを見失った。
バーニーは予定通りシェルを探しているシンジケートのラッツに会いに行き、組織と接触したことのある自分シェルの居場所を教える代わりに前金で5万ドル欲しいと言った。
組織の施設で目覚めたジムは、部屋を抜け出して地下の空調装置に薬剤を導入し部屋に戻った。
シェルに続いて、ジムが自白薬を打たれて尋問を受けるが、自白薬を打たれた時に耳に埋め込まれた受信器に言われたとおりのことしか言えないような催眠術にあらかじめかかっていた。
ジムがまいた薬で糖尿病患者の体調を急変させる薬でシェルに異変が起き、医師のジムが治療をするように脅され、ジムは手術するために麻酔医に扮したウィリー(ルーパス)を連れてくるように言った。
ウィリーが持ってきたカバンに仕組んだ催眠ガスで一味を眠らせ、ジムと共にシェルを連れ出し、探偵事務所にラッツを呼んで引き渡した。
金のありかを自白してないか気になったシェルたちは、隠し場所の倉庫に向かい、IMFが彼らを尾行するが、組織も逃げたジムを追って探偵事務所を張り込んでいた。
シェルが金を見つけたところにジムが現れるが、背後から脱出組織が迫っているのを鏡越しに見て驚いた。
しかし、背後に回っていたウィリーが組織を押さえ、警官隊がやって来て一網打尽にされた。
<感想>
ジムの耳に埋め込まれた発信器と受信器が、電波を遮断されて結局何も役立たなかった。
それでも問題なく進展したので、念には念を入れて不慮の出来事に対するバックアップまで考慮された高度な作戦と言えるのだが…。
一方で、ジムが密かに基地内をうろついて薬を撒いたところは、敵の見張りがあったら出来なかったので、やっぱり抜けがあって偶然頼みの危うい作戦だったのだが…。
発信器が役立たなかったことは、元々必要ないと判っていて、それが仕えなくなったことで観る者に心配をさせるという、サスペンスの強化の意図があって入れられた設定かもしれない。
でも、「スパイ大作戦」なら、少しのムダもなく狙いすました通りに進展するクールな作戦の方が本来の持ち味だと思うので、どちらが良いかの判断は簡単にできない。
.
ケイシーが久々に登場したが、結局は尾行の車に乗っていただけの参加。
シーズン7に入って出演が減ったが、ヨーロッパ長期出張の設定をちゃんと用意しているので、演じるリンダ・デイ・ジョージに何か事情があったとかの理由だろう。
「スパイ大作戦『麻薬合成計画(500万$麻薬合成計画)』」 ★★☆
【原題】Cocaine(意味「コカイン」)
シーズン7、第6話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・バディ【脚本】ハロルド・リヴィングストン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、バーバラ・アンダーソン、ピーター・ルーパス、ウィリアム・シャトナー、他
2018/05/21(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/21(月)鑑賞
<ストーリー>
中南米(?)の某国の麻薬業者ラローフからアメリカの麻薬ブローカーのリードの所に、3日以内に密輸される大量のコカインの押収をジム(グレイヴス)命じられた。
リードに買収されていることが警察に知られたレナード刑事を転勤させ、彼に代わって麻薬捜査を担当する刑事にバーニー(モリス)が扮し、「高級酒を装った百万ドルの麻薬を新任刑事が摘発した」と新聞に載せた。
新聞記事で自分以外の麻薬業者の存在を知ったリードの片腕のコンラッド(シャトナー)は、最近会員になった会員制クラブが高級酒の行き先だとレナードから聞き、クラブに行って探りを始めた。
クラブの本物のオーナーはヨーロッパで飛行機事故に遭って顔を整形して別人になって現地で静養中で、ジムがオーナーに成りすましてクラブでコンラッドを待ち受け、面識のないコンラッドはニセ者だと気づかなかった。
クラブにはミミ(アンダーソン)もウエイトレスに扮して潜入して、ジムとの関係がこじれているそぶりをして見せ、客のコンラッドに接近して、帰宅後に自宅に来るように誘った。
ミミが自宅の床下の隠し場所をコンラッドに見せたところにバーニーが家宅捜査て現れ、麻薬は見つからなかったがミミを逮捕し警察に連行して行った。
隠し場所にあったのがコカインだとコンラッドに聞かされたリードは、クラブのオーナーが社長を務める化粧品会社の内情が実は悪いので麻薬に手を出したと思い、調査会社に信用調査を依頼したが、データのテープをウィリー(ルーパス)が密かにすり替えていて、麻薬取引を行っているように見せかけた。
コンラッドはミミを保釈して自宅で待ち受けてジムの所に連れて行かせ、秘密を漏らしたミミをお払い箱にしようとしたジムに対してミミが発砲したが、はずしてもみ合ううちにジムがミミを射殺したかのように見せかけた。
コンラッドは射殺の秘密を守るのと引き換えにコカインを自分たちに流すようにジムに要求し、ジムは化粧品の工場に連れて行くと、そこで本物のコカインを使って、ウィリーが扮した研究者がコカインの合成に成功して、量産しているように見せかけた。
そこにバーニーが踏み込んできたが、コンラッドはリードを出し抜いて、翌日の夕方にリードから密輸コカインを買いに来るバイヤー達に、先により安値で合成コカインを売る話をジムたちにもちかけ、バーニーに多額の分け前を与えて抱き込んだ。
翌朝、バーニーと合成コカインの箱が待つジムのクラブにバイヤー達を連れてきて取り引きが始まったが、ジムと死んだはずのミミが現われて、バイヤーの5百万ドルを強奪して逃げ去り、コカインは偽物だと判った。
バーニーはバイヤーに対し、夜9時までにコンラッドが代わりのコカインを用意することで話をつけ、その場は解散になった。
コンラッドは朝の取り引きを隠しながら、リードのオフィスから取り引きの準備に向かったが、コンラッドの異変に感づいたリードは、部下のスティーヴに尾行させた。
ラローフがリードのオフィスに来て、コカインの隠し場所を知らせる電話番号をリードに教えて、リードから電話で番号を聞いた受取人がコカインの場所を聞くが、そこにコンラッドが現われて受取人を脅して場所を白状させた後に彼を撃ち、現場の美術店に行った。
スティーヴは、受取人が息を引き取る前に美術店の場所を聞き、彼の電話を受けたリードがそこに向かった。
IMFもコンラッドの車を尾行していたが途中で見失うも、リードの電話を盗聴していたミミから美術店の場所を聞き、リードがコンラッドに銃を突き付けているところに警官隊と共に突入して一網打尽にし、ヘロインが隠された美術品を押収した。
<感想>
今回の作戦は、無理な設定は無く段階を踏んて飛躍なしに展開していき、状況の変化も速く適度に込み入っていてダルさを感じず、ストーリーとしてはかなり洗練されていた。
矛盾があるとすれば1か所、コンラッドが受取人の所に行くとき、スティーヴが彼の直後を尾行していたのだが、IMFもその場所を突き止めるためにはコンラッドを尾行するしかなかったはずなのに、かなり離れていても見失うことなく、まるで前もって知っていて待ち構えていたかのように尾行出来ていたこと。
.
ヨーロッパに長期出張中のケイシーは、今回もヨーロッパにいるクラブの本物のオーナーがら許可を得る役割で作戦に参加。
冒頭のジムによるIMFメンバーへの作戦説明のシーンで、歴代の女性メンバーが不必要にドレスアップしていることに以前から気になっていたのだが、今回のミミの衣裳は完全に映画賞の受賞者みたいなドレスだった。
「スパイ大作戦『細菌兵器漏出 (細菌兵器TOD-5』」 ★★
【原題】TOD-5(意味「(細菌兵器の名称)」)
シーズン7、第5話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ルイス・アレン【脚本】ジェームズ・D・ブキャナン、ロナルド・オースティン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、バーバラ・アンダーソン、ピーター・ルーパス、他
2018/05/15(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/16(水)鑑賞
<ストーリー>
国立細菌研究所の研究員のモースは、元諜報員のホルトを介して、細菌兵器TOD−5をテロリストのアルファグループに売り渡そうとしていた
アルファの本部を突き止め世界征服の野望を粉砕する指令を受けたジム(グレイヴス)は、モースが隠し場所の車を回収したところを捕まえた。
モースが泊まっていたホテルの13号室を再度ホルトが訪ねると、フロントは「13号室はずっと誰も泊っていなかった」と言ったので、隣の12号室を借りた。
IMFは、自動車整備士に扮したウィリー(ルーパス)がホルトの車に細工をして動けなくし、電話交換手も市外につながないようにして、ホルトの動きを封じた。
その時、路上で伝染病らしい病気で倒れ、すぐにバーニー(モリス)が扮した救急隊員が現われて搬送していったが、ホルトはバーニーが白衣の下に軍服を着ていることに気付いた。
ホルトは、ホテルのバーでウエイトレスに扮したミミ(アンダーソン)と話して情報を得ようとし、出て行ったホルトと入れ替わりに来た猟銃の男がホルトのことを質問してきたので、不審に思ったミミは彼の指紋のついたグラスを検査に回した。
ホルトは、ホテルのガレージで隠されていたモースの車と、座席にあニセのTOD−5の容器があるのを見つけ、それに乗って町を脱出しようとしたが、保安官に扮したジムが道路を封鎖して町に追い返した。
ホルトは、再度ミミと話し、彼女から町に軍隊が現われ町が封鎖され病人が頻発していることを聞き出した。
部屋に戻ったホルトをミミが訪ね、ホルトを薬で眠らせたすきにホルトに肌がただれてしばらくすると仮死状態になる注射をし、時計を戻して目覚めた時に眠ってなかったように見せかけた
ミミが出て行った後、ホテルの窓からウィリーが発病して救急車で搬送されるのを見たホルトは、尾行して死体置き場にあった多数の死体の中にモースがいたのを見つけた。
そこにバーニーが現われてホルトを捕まえ、1万人に1人いる免疫体の人での研究が成功しないと細菌兵器で全員死ぬと言い、鏡でホルトの皮膚がただれているのを見せた。
ホルトは脱出して、患者の恋人とずっと接触していても何ともないと言うミミをアルファに連れて行って治療法を研究させようとし、感染して死んだふりをしたジムの保安官の車にミミと乗って検問を通過した。
しかし、途中で猟銃の男が待ち伏せしてホルトの車のタイヤを撃ち抜いて銃撃戦になり、ホルトは男を撃って、流れ弾で負傷したミミを連れて男の車で本部に向かった。
ミミが撃たれた時に腕時計の発信器が壊れて追跡不能になったので、指紋からアルファのメンバーのデイヴィスだと判った猟銃の男を、ホルトが置いていったTOD−5の容器を使って感染させる脅して本部の場所を自白させた。
本部に着いたホルトは、TOD−5をは自分が感染したことで持ってきたと言い、ミミを利用しての治療の研究を要求した後に仮死状態になるが、薬のトリックだと気づいたところにIMFが突入した。
<感想>
昨日の第3話「駆け引き」に続き、今回も「大規模な作戦だが、特に中盤の展開がモッタリして、画的にも面白くなくて盛り上がりに欠ける」という回だった。
テロリストの本部の場所を突き止めるために、
(1)場所を知るメンバーに対し、本部に行くように仕向け
(2)彼にミミを接近させて本部まで同行させ
(3)ミミに発信器をつけて尾行する
という作戦だが、回りくどくて余計に段階を踏んでる分だけ失敗する要因が増えると思われ、心もとない。
ホルトを眠らせたなら、その時に直接彼に発信器をつけちゃえばいいのに。
そして、実際にミミの発信器が壊れたので、当初の作戦は失敗だったのだが、その代用案が別のテロリストメンバーを脅すという、「スパイ大作戦」らしからぬ力業だということにもガッカリ。
そもそも、本部の場所を知るのがターゲット1人しかいないという前提だった筈なのに、指紋を紹介しただけでターゲットのテロ組織のメンバーだとすぐ判るのなら、その情報元のメンバーのリストを全部当たればいいじゃん。
.
それ以外の、些細だけど明らかなミスは、ホルトとデイヴィスが撃ち合いになった時に、後を追ってきたIMF3人がデイヴィスの背後の草むらから隠れて見ていたのだが、ミミが撃たれた時に上を見上げて目線で合図を送ると、IMFがいつの間にか彼女を見下ろす所に移動していた。
IMFの位置関係も変だが、ミミはIMFが尾行していることは知っていても、タイヤを撃たれて予定外に止まった場所で、隠れているIMFがどこにいるかは判らないはずなのに、一発で目線を合わせられた。
.
シーズン7の第3話で、ケイシーがヨーロッパで長期勤務中だと判ったが、今回の第5話で、アルファグループのヨーロッパ支部に関することが任務の1つだと判った
ちなみに、第4話の「愛しのレオナ」ではケイシーが作戦に参加していたので、「一時帰国」だったのかな?
でも、ちょっと変装しただけの参加だったけど、ヨーロッパの任務が継続中なら仕方ないかな?