シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『戦慄“殺しの横顔”』」 ★★

【原題】Movie(意味「映画」)
シーズン7、第8話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】テリー・ベッカー【脚本】アンソニー・バウワー、アーサー・ワイズ、スティーヴン・カンデル【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、バーバラ・アンダーソン、ピーター・ルーパス、ジョン・ヴァーノン、他
2018/05/28(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/29(火)鑑賞
<ストーリー>
 シールズ(ヴァーノン)は、ベンジャミン・ディーンがボスの座についているシンジケートの人間で、ロサンゼルスのレジャー産業に進出していた。
 シールズの部下のブレントは、シンジケートから借金していたパンテオン撮影所の社長のパッカードの元で働いていたが、自殺に見せかけて社長を殺し、新社長にはベンジャミンの弟のテオが就任し、シールズが彼を補佐することになった。
 ジム(グレイヴス)は、シールズが持っているシンジケートの資金の記録を入手することを命じられた。
 テオが乗ったロサンゼルスへと向かう旅客機の中で、新人女優に扮したミミ(アンダーソン)がパンテオン撮影所の表紙が付いた新作映画「殺しの横顔」の資料を読み、テオが彼女に話しかけた。
 2人が旅客機から降りようとした時、一緒に乗っていたジムがテオを薬で眠らせ、別の出口から密かに連れ出し、ジムがテオに成りすましてミミと降りた。
 その頃、ベンジャミンからテオを見張るように言われて旅客機に乗っていたムーアが、機内に戻ってテオを探したが乗客は残ってなく、アナウンスで呼び出したところ、電話口に出たジムがテオに成りすましていることに気付いた。
 アナウンスで見張りがいることを知ったIMFは、テオが公衆電話からベンジャミンにかけた電話に割り込んで、メンバーが声帯模写でベンジャミンに成りすました。
 撮影所に潜入したムーアが、ジムを銃で脅して連れ去ろうとしたところ、ミミが機転で車で2人に突っ込み、ムーアが車に向けて発砲したので、ブレントの部下で警備員のヒースがムーアを射殺した。
 パッカード前社長と「殺しの横顔」の監督に扮したバーニー(モリス)とが製作の契約を結んでいたように工作されていて、あらすじを見たシールズはそれが彼が手を下して取り調べも受けた実際の未解決の殺人事件とそっくりであることに気付き、始まった撮影の中止をジムに申し出るがジムは受け付けなかった。
 シールズはベンジャミンに電話で相談し、監督のバーニーを始末することに決めたが、IMFは盗聴と声帯模写で、爆弾で殺そうとしていることを突き止めた。
 ヒースがカメラのマガジンに爆弾を仕掛けたことに気づかないまま撮影が始まったが、感づいたジムがバーニーに電話で知らせ、バーニーは撮影に対して怒ったふりをして全員をスタジオから追い出し、爆発はしたが被害者は出なかった。
 シールズの空手の個人指導の代役に扮したウィリー(ルーパス)が、稽古してシールズを気絶させたすきに、彼の拳銃をすり替えた。
 ジムが夜にシールズをスタジオに緊急に呼び出し、シールズの殺人の証拠があると言い出したので、銃を取り出してジムに向けた。
 ジムが発した信号で、すり替えたシールズの銃から弾が発せられてジムが撃たれて倒れ、シールズはその場を立ち去った。
 その一連の様子をバーニーが撮影していて、本物のテオを横たわらせて、警察に連絡してテオを引き取らせた。
 シールズはブレントと口裏を合わせて昨夜はスタジオに行かなかったことにしたが、翌朝2人の前にミミが現われ、ミミはスタジオで殺人を目撃していて、愛するジムが殺された腹いせにベンジャミンに知らせて呼び寄せたと言った。
 ベンジャミンが、警察で仮死状態にされて死んだと見せかけたテオを確認した後に撮影所に来て、ベンジャミンは殺人事件そのままの映画をテオが作ろうとして揉めたはずみで銃が暴発したと説明した。
 ベンジャミンは「殺しの横顔」の撮影フィルムを確認したいと言って、映写技師に成りすましたウィリーが、バーニーが撮影して声帯模写でテオの声をアフレコしたフィルムを映写し、2人が取り引き話をしている最中にシールズがテオを射殺したように見せた。
 ベンジャミンはシールズの追放を決め、シールズに金の出し入れを記録したマイクロフィルムが入った腕時計を渡すように言った。
 それを見ていたウィリーが連絡し、ベンジャミンが撮影所から出たところでジムたちが腕時計を奪って去っていった。
<感想>
 作戦が適度に込み入っていて、前半はジムの成りすましがバレたりバーニーの暗殺が企てられる想定外の危機が迫ったりして緊張感が高かった。
 しかし、その2つの危機が思ったよりも解決がすんなりし過ぎていたり、なにより後半に入って作戦の詰めの甘さが目立つようになった。
 まず銃をすり替えるために確実に空手の稽古が行われなければならないことウィリーが上手い具合に気絶させなければならないこと、シールズがジムに銃を向けなければいけないこと、ベンジャミンが「『殺人の横顔』のフィルムを確認したい」と言い出さなければならないこと、手下を従えていたベンジャミンが1人で屋外に出たおかげでジムとバーニーの2人だけで腕時計を簡単に奪えたこと、以上のご都合主義が起こらないと成立しない作戦だった。
 そんなわけで、残念な回だった。
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 ジョン・ヴァーノンって、冷酷な目つきがいい味を出しているのだけど、瞳も青かったのね。
 それがまた良い。