シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『ナイトフォール計画(暗殺計画ナイトフォール)』」 ★★

【原題】The Pendulum、意味「【テロ集団の名前】ペンデュラム(振り子)」)
シーズン7、第20話
1973年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ルイス・アレン【脚本】カルヴィン・クレメンツ・ジュニア【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、他
2018/07/31(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/07/31(火)鑑賞
<ストーリー>
 ウエストン将軍が車で移動中に密かに殺され、彼そっくりに整形した男を送り込んで、アメリカ軍を乗っ取ろうとする「ナイトフォール作戦」が、テロ軍団「ペンデュラム」によって開始された。
 「ナイトフォール作戦」を開始ペンデュラムの幹部がマルストロムだということだけをつかんだ当局は、ジム(グレイヴス)に計画の阻止を命じた。
 レストランにいたマルストロムにケイシー(ジョージ)が接触して会話した後、「今回のテストに合格したかはバーニー(モリス)が決める」と言って去った。
 翌日、マルストロムのオフィスに、ペンデュラムの幹部の指輪を携えたバーニーがやって来て、「ペンデュラムのリーダーに会いたい」と要請したが、マルストロムはペンデュラムを知らないふりをした。
 マルストロムはケイシーに会ってバーニーのオフィスに連れて行くように言い、バーニーとケイシーが「マルストロムが嗅ぎまわると邪魔だから殺す」と話していたのを盗み聞きしたので、オフィスを抜け出してビルの中の会議室にたどり着いた。
 そこでは、ウィリー(ルーパス)とバーニーが「モスク計画」の結果を各国代表に話す国際会議を開いていた。
 その計画は、戦争を起こして儲けを得ようとするもので、バーニーは出席者に「ペンデュラムのマルストロムが来ている」と紹介した。
 バーニーたちはウソ発見器を仕込んだ椅子にマルストロムを縛り付けて、2つの組織の同盟を持ちかけたり、「ナイトフォール計画を知っている」と言ったりして、会話しながら計画を探ろうとした。
 そして、ウエストン将軍の暗殺が絡んでいることを突きとめ、組織のチーフに扮したジムがマルストロムにナイトフォール計画を止めさせることを条件に幹部に採用するとスカウトしたが、彼は疑って断った。
 一方、偽のウエストン将軍と彼の副官に扮したペンデュラムのリーダーは将軍の屋敷に入り、そこで軍の機密会議を開いて、幹部たちを部屋ごと爆殺する計画を進め、バーニーのオフィスに行ったマルストロムの口封じを、彼の秘書のボックに命じた。
 ケイシーはマルストロムに「ここに来るのを見たペンデュラムにあなたは殺されるかもしれない」と言って寝返るように説得しながら、彼の上着にマイクを仕込んだ。
 ジムがウエストン将軍の家に行き、偽の将軍に「将軍の暗殺の計画がある」と警告し、ジムは会議に参加して警備するように言われた。
、ジムが送った合図により、ウィリーがマルストロムを離れに移動させる時に、ボックに変装したIMFメンバーがマルストロムを助けにくるが銃撃戦で射殺され、マルストロムに車を奪わせて脱走させる作戦が開始された。
 しかし、本物のボックが潜入して偽者を気絶させ、移動中のマルストロムを狙撃しようとしたが、ウィリーたちが取り押さえて、マルストロムを作戦通り車で脱走させた。
 マルストロムは、会議が開催中のウエストン将軍の家に行って偽将軍を呼び出し、将軍は3分後に爆発する時限爆弾お指導させて会議室を退室した。
 別室でマエストロムが将軍とリーダーに向かって「俺を捕まえた巨大組織の実態が判るまで計画を中止すべきだ」と言った。
 マルストロムを尾行してこの会話を隠しマイクで聞いていたバーニーは「将軍は偽者で爆弾を作動させた」とジムに無線で知らせ、ジムは爆弾入りのアタッシュケースを窓から放り出して出席者を救った。
<感想>
 今回の敵は、アメリカ軍の幹部を暗殺して乗っ取りを狙うテロ集団で、しかも「ナイトフォール計画」が躯体的にどんな計画も不明な状態で阻止しなければならないという、いつもより難敵であることを予感させる。
 ところが、その予感に反してペンデュラムとの接点であるマルストロムには大物感がなく、ケイシーが簡単に接触できてしまうし、拉致もあっさりできてしまう
IMFの作戦も、拉致したマルストロムをウソ発見器にかけることがほぼすべてという寂しさ。
 まあ、それでも、先が読みにくい展開であることと、IMFがニセのテロ組織をでっち上げるのに大規模なセットと大勢のエキストラを動員する大げさな感じは、ちょっと面白い。

「スパイ大作戦『市街地大爆走(市街大追跡)』」 ★★

【原題】Speed(意味「【薬物の名前】スピード」)
シーズン7、第19話
1973年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ヴァージル・W・ヴォーゲル【脚本】ルー・ショウ【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、他
2018/07/24(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/07/25(水)鑑賞
<ストーリー>
 違法薬品「スピード」が化学工場から大量に強奪され、首謀者の薬物業者ヒビングが売りさばく前に奪還することをジム(グレイブス)が命じられた。
 ヒビングの娘で、父の悪行に反発して自ら重度の薬物中毒になったバイクレーサーのマーガレットの家にウィリー(ルーパス)が忍び込み、彼女のバイクに細工をした
 ヒビングが開催予定のスピードの競りに参加するデイトンに、ニューオーリンズから来た業者に成りすましたバーニー(モリス)が接触し、デイトンがバーニーの資金を預かって自分を連れて競りに参加することを持ちかけた。
 マーガレットがバイクで出かけるのを路上で待ち受けていたジムが、無線でバイクを故障させて彼女を薬で眠らせて拉致し、ケイシー(ジョージ)が彼女に変装して入れ替わった。
 ヒビングが車に乗ろうとしたところにケイシーがバイクで現れ、ラリってバイクを暴走させたのでヒビングが車で追いかけ、ケイシーは事故に見せかけて転倒し、病院に運ばれた。
 ケイシーが病室で1人になった時、マーガレットの恋人と思われる未知の男のジンクが現れ、ケイシーに約束のお金を渡せと言い、彼の存在に気付いたジムがマーガレットの友達に成りすまして現れるとジンクは逃走した。
 ジムは、療養所に入れたマーガレットからジンクについて教えるように説得したが、マーガレットはしゃべらなかった。
 ケイシーがジムを連れて退院して自宅に戻り、家にいたヒビングは部下のファレンにジムのことを調べさせ、ジムの小型飛行機の会社に潜入すると、従業員に扮したウィリーが、ジムが兵役中に上官を殺した過去を話した。
 スピードの競りが始まり、デイトンとバーニーが1千万ドルで落札し、バーニーは明朝までニューオーリンズまで配達するように要請した。
 ケイシーが、マーガレットと結婚することを狙っていた薬物配達人のスネリングに電話をかけ、競りに出ていた人の中に、スネリングの配達の仕事を奪おうとしている人がいるから話したいと言って家に呼んだ。
 ジムが家に来た時に、ケイシーの狂乱の声が聞こえ、一同が部屋に駆け込むと、ケイシーが「部屋にいたスネリングからスピードをもらった」と言ったので、ジムが怒ってスネリングに殴りかかりながら仮死状態になる薬を打った。
 ヒビングが「死んだスネリングに代わってニューオーリンズまで荷物を運こべば警察に言わない」と言い、ジムはそれを受け入れて、スネリングを車のトランクに積んで出ていき、荷物用のトラックを用意して、スピードの保管場所に向かった。
 ケイシーを尾行して家の前で見張っていたジンクが、部屋に忍び込んでケイシーにキスをすると、変装がバレてケイシーは家を逃げ出した。
 それを見ていたヒビングは車でジムを追い、トラックにスピード積み込もうとしたところでジムに銃を向けて止めようとするが、バーニーとウィリーが現れ、一味とスピードが抑えられた。
<感想>
 今回も、「判り易い『辻褄の合わない点』」が目立つ。
 マーガレットを拉致すると同時に、同じ衣装で変装したケイシーが入れ替わる。
 「ジンク」のことは知らないはずのケイシーが、いつの間にか名前を知っている。
 それでも、ジンクのように想定外の人物が現れると、バレそうになる緊張感が一気に高まって先が読めなくなるので、上手い手だと思う。
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 今回の舞台は、いつもと違ってサンフランシスコ。
 その理由は、猛スピードで逃げるバイクと、それを追う車のカーチェイスでを効果的に見せるために、シスコの坂道でロケをする為かな?
 この作品の5年前の『ブリット』(1968)のカーチェイスの二番煎じ狙い。
 『ブリット』も「スパイ大作戦のテーマ」も作曲はラロ・シフリンで、『ブリット』の曲が「スパイ大作戦」に流用されたことがあったと思う。

「スパイ大作戦『不老長寿の泉(怪奇!不老長寿の水)』」 ★☆

【原題】The Fountain(意味「泉」)
シーズン7、第17話
1973年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】バリー・クレイン【脚本】スティーヴン・カンデル【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、他
2018/07/17(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/07/18(水)鑑賞
<ストーリー>
 シンジケートの幹部のバックマンは、彼に取って代わろうとした幹部のドレイクを拘束し、組織の活動のデータのテープを持ち出して、自分の部下もろともアジトを爆破した。
 左手を失って生き延びたドレイクらから追われるバックマンから、データを奪うことをジム(グレイヴス)は命じられた。
 IMFは、バックマンを高飛びさせるマロリーが操縦する小型飛行機がメキシコ北部の滑走路に着陸したところを待ち受けてマロリーを拘束し、バーニー(モリス)がマロリーに成りすまして、近くの村で待つバックマンに会った。
 2人が乗った飛行機が故障してコントロールを失ったように見せかけ、バックマンが気を失った後にバーニーが元の滑走路に着陸した。
 バックマンが目覚めると、墜落したと見せかけるための飛行機の残骸と脚を怪我したバーニーがいて、2人が山中を歩くと、建物にたどり着いた。
 そこはIMFがでっち上げた「太陽教」という宗教施設で、どんな怪我も治すことができ、バーニーの脚も治って、ケイシー(ジョージ)は100年以上前から若いままの姿だとバックマンに思い込ませた。
 隠し扉の中に入ったケイシーの後をつけたバックマンは、地下に泉があるのを見つけ、ケイシーを問い詰めると、48時間効果のある泉の水を飲み続けて若さを保ち続けて、今は140歳だと言った。
 現れたジムに、バックマンは自分にも水を飲ませることを要求し、ジムは水に睡眠薬を入れて飲ませた。
 バックマンが眠っている間に、彼に特殊メークを施し、目覚めて鏡で自分の顔が若返ったことを確認した。
 そこに、バックマンを追跡したドレイクの部下が現れ、バックマンはケイシーと一緒にドレイクに会いに行くと言った。
 ドレイクの屋敷で、バックマンはドレイクに不老不死の水の話をし、48時間が経ったケイシーに瓶入りの水を与えず、データを返すことと水で腕を治すことと引き換えにドレイクに命乞いをした。
 ケイシーが薬を顔と手に塗って、老婆の姿に変わって死んだように見せかけ、それを見て不老不死の水を信じたドレイクは、まずアメリカ国内のデータの隠し場所にバックマンと向かい、データのテープを取り出したところでIMFと警官隊が突入して全員逮捕した。
<感想>
 今回も、残念ながら「ターゲットが思う通りに行動してくれないと成り立たない作戦」で、かなりご都合主義なストーリーだった。
 「バックマンがドレイクに会いに行くときにケイシーを連れて行くこと」「ケイシーが顔を手に密かに薬を塗るスキがあること」がその代表例
 あと、バックマンが不老不死に惹かれる理由が「健康オタク」だからというのも苦しい。
 特殊兵器が、「一瞬で老ける」という非現実的な薬しかないのも絵的にさびしい。
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 54歳という設定のバックマンを演じたジョージ・マハリスは1928年生まれで撮影時には44歳。
 「特殊メークで若返った」というストーリーだが、実際には老けメークをして54歳の役に扮したのではないだろうか?

「スパイ大作戦『ブードゥー教の怪』」 ★☆

【原題】Incarnate(意味「化身」)
シーズン7、第14話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】バリー・クレイン【脚本】バック・ホートン、スティーヴン・カンデル【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、キム・ハンター、他
2018/06/25(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/06/25(月)鑑賞
<ストーリー>
 犯罪組織のボスのハンナ・オコンネルは、裏切って告発した息子のロバートを殺して海に沈め、もう一人の息子のトーマスとジャマナ島に逃げた・
 ジム(グレイヴス)は彼女をアメリカに連れ戻し、盗んだ金塊を奪還する事を命じられた。
 ハンナの屋敷の使用人として潜入したケイシー(ジョージ)は、やってきたハンナとトーマスに、屋敷はブードゥーに呪われていて、他の使用人はブードゥーの太鼓の音に恐れて全員前日に出て行ったと言った。
 ジムが屋敷に現われて、麻薬を飛行機で密輸するので買い取ってほしいと持ち掛けたが、ハンナは断った。
 屋敷の隠し部屋に潜んだバーニー(モリス)とウィリー(ルーパス)が、ハンナの寝室にロバートの幻覚を映してハンナに見せた。
 ケイシーは、使用人を探すハンナを、仲介人に扮したバーニーの骨董店に連れて行き、ハンナはそこで最近船員が持ち込んだロバートの指輪を見つけ、バーニーは呪いの現象を起こして「人が水で死ぬ」と予言して、指輪をハンナに譲った。
 ケイシーは、ハンナの寝室の外で見張っていた部下に睡眠薬入りの飲み物を飲ませ、翌日彼は庭の池で水死体で見つかり、ケイシーと深い中の医者に扮したウィリーが屋敷に呼ばれて「心臓発作で池の中に倒れたのだろう」と言った。
 ハンナはバーニーの店に行って予言が当たったと言って更に問い詰め、バーニーは「あなたの中に死んだ人に嫌われている邪悪な物があり、水と空気と火による死が起こす。追い払うには儀式を行うしかない。」とハンナに言った。
 ハンナの留守中に、屋敷でジムとウィリーがもう一人の部下を拉致し、現われたウィリーにケイシーがトーマスに心移りしたように見せかけた直後に、ハンナが部下の首つりしたいを見つけ、彼女はバーニーに儀式を依頼した。
 ケイシーとトーマスが2人でいたところに、ウィリーが乱入してきてトーマスに襲い掛かり、ケイシーに手渡された銃でトーマスがウィリーを射殺したように見せかけた。
 トーマスは逃走するために金の隠し場所に行き、ケイシーが彼を薬で眠らそうとしたが、トーマスは逆にケイシーを気絶させて逃走した。
 その夜、屋敷でバーニーがブードゥーの儀式を始め、「俺の魂は金に縛られているから、隠し場所を言え」と言うロバートの映像を映し、ハンナを薬で眠らせ、彼女が持っていた銃の弾丸をすり替えた。
 死んだはずのウィリーがジムに電話をかけているのを、トーマスが窓の外から見た。
 ハンナが翌日目を覚ますとそこはとある村で、ウィリーが解剖に回したはずの部下の遺体があり、現われたケイシーの車で一人で屋敷に戻り、バーニーを銃で脅して「誰の仕業でだました?」と尋問し、バーニーは「トーマスが金を奪う目的依頼した。昨夜、金の隠し場所をうわごとで彼に教えた。」と言い、ハンナはバーニーに発砲した
 ハンナは金塊の隠し場所に先回りするために、ジムを電話で呼びつけ、飛行機でアメリカに密入国させる事を依頼した。
 その様子をトーマスが庭から見ていたが、バーニーが彼を見つけて気絶させて動きを封じた。
 ハンナとジムは金塊が残っている事を確認したが、警官隊が現われてハンナは捕まった。
<感想>
 「ターゲットがオカルトを信じることにより、思ったように行動させる」のパターンの作戦で、この設定だと何でもありだし、IMFがリ危機にさらされることもほとんどなくなって、必ずと言っていいほどつまらなくなる。
 他にも「ターゲットがこのように行動する筈だ」という予測が当たらないと成立しない作戦でもあり、この点でも都合の良すぎるストーリーだった。
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 前回のロディ・マクドウォール出演の13話の感想でキム・ハンターを取り上げたら、14話で彼女が登場。
 1922年生まれだから、この時は50歳ぐらい。

「スパイ大作戦『包帯の下の顔(カラクリを叩きつぶせ)』」 ★★

【原題】The Puppet(意味「人形/傀儡」)
シーズン7、第13話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ルイス・アレン【脚本】リー・ヴァンス【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパスロディ・マクドウォール、他
2018/06/19(火)17:58再放送、BSジャパン、2018/06/19(火)鑑賞
<ストーリー>
 シンジケートのボスのポールに対し、新分野への進出を訴えた弟のレオ(マクドウォール)は、却下された腹いせに兄を猟銃で撃ち、ポールは顔面が包帯ぐるぐる巻きで寝室にこもり、レオがボスの代理になった。
 レオの動向をつかんでそれを粉砕する指令をジム(グレイヴス)が受けた。
 ジムは、ポールが偽者だとにらみ、バーニー(モリス)が新たなコックとしてポールの屋敷に潜入した。
 レオがポールの寝室で、ライバルの組織のボスのラリー・ガルトンを含む約十人の同業者に、秘密の国際犯罪に百万ドルを出資すれば元本保証で12倍にして返すと持ちかけて出資金を得た。
 その会合と入れ替わりに、銃の事故の前に儲け話をポールに持ち掛けていたと言い張るジムとケイシー(ジョージ)が屋敷に現われ、ホテルにいる中東の長官に百万ドルのワイロを渡せば石油の闇取引ができると説明した
 レオの側近でラリーのスパイのオーギー・リーチは、ラリーにその話と、ケイシーの腕に麻薬の注射後があったことを話した。
 レオがホテルに来て、中東の長官に成りすましたIMFメンバーのカリッドと会って取り引きを進め、ケイシーが長官の本国からの書類を取りに行くと言ってホテルを出たところ、ラリーの部下がケイシーを拉致して、麻薬の禁断症状を利用して彼女の尋問を始めた。
 ポールの飲み物にバーニーが薬を入れ、ポールの体調が急変したのでリーチが主治医を電話で呼び出したのを、電話線を細工したウィリー(ルーパス)が代理の医者に扮して電話を受け、代わりにポールの往診に来た。
 飲み物を疑ったレオに言われて、飲み残しを飲んだバーニーは、キッチンに戻された後に解毒剤を飲んで、辛うじてバレずに済んだ。
 ケイシーは自白した振りをして、レオが4百万ドルをスイス銀行に振り込んで、ジムと一緒にスイスに飛ぶ予定だとラリーに言った。
 ポールに変装したIMFメンバーのハンクを、バーニーがウィリーの車のトランクから出して、寝室の見張りがいないすきにポールと入れ替え、ウィリーが金庫を開けて出資金をウィリーのカバンに入れた。
 石油の書類の確認のために、ジムとレオがホテルから持ち出したところ、待ち構えていたラリーが2人をポールの屋敷に連れて行って、疑いをぶつけて説明を求めた。
 レオは石油の書類を見せようとすると、仕掛けのあるジムのカバンから書類ではなく4百万ドルと搭乗券が出てきた。
 次に、ポールに説明を求めると「石油の事は知らない」と言い出したので、レオが包帯を力ずくで外すと、ポールの替え玉だった筈が変装したポールが現われた。
 金を返せと迫るラリーに、レオは屋敷の地下で南アフリカのニセ札を刷っている秘密を話した。
 出資者一同が地下に見に行ったところを、バーニーの通報で警官隊が突入した。
<感想>
 「秘密を白状させるために、レオのライバルにレオを追い詰める役割を担ってもらう。そのために、レオが不審な行動をしていると思わせる情報をライバルにチラつかせ、彼れに感づいてもらう。」という作戦。
 この設定は、過去の「スパイ大作戦」でも何作もあったと思うが、ライバルが思い通りに動いてくれるかに係っている心もとない作戦で、上手くいくのはご都合主義に思えてしまう。
 あと、権力者をでっち上げて、彼からの美味しい話にターゲットが載ってくるのを期待する作戦も、過去作にあったはず。
 でも、今回のように「中東の閣僚」をでっち上げる儲け話って、まるっきり詐欺の手口そのもので、「スパイ大作戦」のスマートなイメージにそぐわない泥くささ。
 仮にも、犯罪組織のボス代行が、一般人向けの詐欺に騙されるのか?も疑問だし。
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 飲み物に心臓発作の症状が出る薬が入っていることを、バレないようにするためにバーニーが知ってて飲んじゃうのが斬新だった。
 ただ、ちゃんと解毒剤が用意されていたのは都合が良いけど。
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 腕に注射の跡をつけて麻薬の禁断症状に苦しむケイシーに、ラリーが麻薬入りの注射器を見せびらかして、秘密を白状させようとするのだが、1972年頃は「麻薬の注射といえばヘロイン」だったから暗黙の了解が成り立ったのかな?
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 『猿の惑星』のコーネリアス役でおなじみのロディ・マクドウォールの身長が低いように見えたのが意外だったか、調べたら178cmなので、周りのピーター・グレイヴスとかが大きかったみたい。
 コーネリアスの妻のジーラ役のキム・ハンターは小さいのは知っていた。
 調べたら161cm。

「スパイ大作戦『私を愛した暗殺者(暗殺目標変更!)』」 ★★

【原題】The Question(意味「問題/質問」)
シーズン7、第16話
1973年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レスリー・H・マーティンソン【脚本】スティーヴン・カンデル【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、ピーター・ルーパス、エリザベス・アシュレイ、ゲイリー・ロックウッド、他
2018/06/18(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/06/18(月)鑑賞
<ストーリー>
 敵国の諜報組織KGNの殺し屋のニコラス・ヴァーシー(ロックウッド)がアメリカに入国し、空港で取り引き相手と会ったところを、FIS(連邦情報局)に逮捕されたが、その場で亡命の意志を訴えた。
 ジム(グレイヴス)は、敵の諜報員が潜入している可能性のあるFISからヴァーシーを連れ出し、ヴァーシーの目的を突きとめることを命じられた。
 FISが空きビルでバーシーを尋問していたところ、バーニー(モリス)が窓から爆弾を放り込んで爆発させ、見張りの警官に扮したジムとウィリー(ルーパス)が駆けつけて、ヴァーシーを薬で眠らせその後の爆発で傷ついたとみせかけたウィリーに変装させ、バーニーが運転する救急車で運び出した。
 目覚めたバーシーに、ジムはバーシーに指令を出すケマー大佐の仲間に成りすまし、亡命を訴えたことについて尋問し、ヴァーシーは「逮捕されたから、任務遂行のために嘘をついた」と答えた。
 ヴァーシーが閉じ込められた地下室に、同じくFISからジムたちに連れ出され審問を受けているFISの女に成りすましたIMFメンバーのアンドレア(アシュレイ)が入れられ、ヴァーシーは彼女の正体を疑いながらも会話に応えて惹かれていった。
 ジムは、ヴァーシーを信用すると言って任務に向かわせることにし、ヴァーシーはアンドレアを人質として同行させた。
 車中で、アンドレアがジムたちの尾行用の発信器を作動させるが、電器屋で電波探知機を買ったヴァーシーに見破られた。
 アジトに着いたヴァーシーは、アンドレアを拘束してケーマを待ったが、目を離したすきに、アンドレアがジムに電話をかけ、モールス信号で居場所を知らせた。
 そこに現れたケマーの正体は、ヴァーシーを逮捕したFISのネルソンで、ヴァーシーは亡命してネルソンを差し出すと言って彼に狙撃用の銃を向けるも、弾が出ない銃を用意していたネルソンに逆に撃たれ、ネルソンは窓からターゲットを狙撃した後にヴァーシーを殺して罪を擦り付けようとした。
 そこにジムとウィリーが突入してネルソンは捕まり、ヴァーシーは救急車に乗る前にアンドレアに正体を聞くが、彼女は微笑んで答えなかった。
<感想>
 ヴァーシーが亡命したいのか?それはウソで殺しが目的なのか?が終盤まで判らないストーリー。
 さらにその上、彼がアンドレアに対して自分のことを気安く喋るのは殺し屋らしくないが、彼女に一目ぼれしたのかも、という可能性も加わる。
 「亡命か?頃しか?」不明な設定はサスペンス的にも良いのだが、恋愛要素を加えたたため殺し屋の設定が甘々になったのは、手強さが後退してマイナスだったかな?
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 原題の"The Question"は、敵国の諜報組織KGNの合言葉の"To be or not to be, that is the question"からも来ていると思う。
 ところで、合言葉の台詞の言語を確認したら、
  ヴァーシー、原語「That's the answer」、吹替「それが問題だ」
  ジム、原語「Normal word is the question」(?)、吹替「課題だ」
だったが、Answerが「問題」となっているのは翻訳ミス?
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 ケイシーの代打のアンドレア役のエリザベス・アシュレイは、シーズン6の『死を招くセラピー(暴力共同組合)』で、ケイシーが変装したターゲット側の女の役で出演し、「スパイ大作戦」での出演は2作品だけ。
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 ゲーリー・ロックウッドといえば『2001年宇宙の旅』(1968)の宇宙飛行士フランク・プール。他の出演作はよく知らない。
 元々はいかつい外見で、この作品の方に向いている。

「スパイ大作戦『美しき妻の犯罪とその報酬(空中大爆発)』」 ★☆

【原題】Boomerang(意味「ブーメラン」)
シーズン7、第15話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レスリー・H・マーティンソン【脚本】ハワード・ブラウン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、他
2018/06/11(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/06/11(月)鑑賞
<ストーリー>
 組織の台帳を自家用機でロサンゼルスに運んでいたジョニー・ヴェイルを、妻のイヴが途中の空港で待ち合わせ、ジョニーを気絶させて台帳を奪い、仲間の男ガースがジョニーを飛行機に乗せて空中爆発させた直前にパラシュートで脱出し、イヴは台帳を当局に届け出ないことを条件に組織のボスのルチェックを脅迫した。
 イヴから台帳を奪うことを命じられたジム(グレイヴス)は、自宅の玄関でイヴを狙撃し、イヴに付きまとっている刑事に扮したバーニー(モリス)が彼を捕まえて、イヴの前に突き出した。
 ジムの持ち物のホテルキーからイヴが彼を訪ね、ワイロを渡して解放されたジムを殺す代わりに、倍の報酬で殺しを依頼した首謀者を探るよう依頼した。
 ウィリー(ルーパス)がイヴの家に忍び込んで、金庫を開けて札束から紙幣を抜いたり金庫のダイヤルにジョニーの指紋を残すなどの工作をしたり、クリーニング屋に扮してジョニーが殺された時のスーツを届けたりして、ジョニーが生きているようにイヴに思わせた。
 イヴは、ガースの潜伏先のホテルに確認しに行くと、フロントに扮したウィリーが「チェックインもしていない」と答えた。
 ケイシー(ジョージ)がクリーニング屋に成りすまして、電話でイヴにスーツの届け先を話し、イヴとジムがそのアパートに行くと、そこにはジョニーの写真などがあり、住人のケイシーが現われ、ジョニーの指示でジムに殺しを依頼したと話した。
 その夜、イヴの寝室にジョニーに変装したIMFメンバーが忍び込み、目覚めたイヴに「欲しいものはもらった」と言い残して出て行った。
 翌日、バーニーがイヴを死体安置所に連れて行くと、そこにジョニーの遺体に扮した男が横たわっていた。
 バーニーは「ジョニーからわいろをもらう関係だったが、今朝現れて『イヴが寝ている間に自白剤を打って台帳の隠し場所を聞き出して手に入れた』と話し、自分がジョニーを殺して台帳を奪った」と言って、台帳が入っていたカバンを見せ、イヴに分け前を要求した。
 帰宅したイヴは、ジムに「ジョニーが簡単にカバンを持って来ない。バーニーのハッタリだ。」と言って、2人でカバンを隠した砂漠に行くと、そこにはちゃんとカバンがあった。
 そこに、ルチェックが現われて台帳を奪い返そうとするが、バーニーとウィリーが取り押さえ、イヴは企みに気付いた
<感想>
 主要登場人物が全員「仲間だった誰かを裏切る」「敵対関係だった相手と取り引きして組む」という役柄なので、人間関係が複雑になりストーリーが理解し難い。
 その上、「ありえない程の大仕掛けなトリック」「特殊機器」といった「スパイ大作戦」ならではの見た目の面白さがこの作品では欠けていたので、込み入ったストーリーを台詞だけで説明した結果、地味で面白くなくなった。
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 台帳がどんな状態になっていたかは、カバンに入っていたことすらIMFは知らないはずなのに、実際のカバンとイニシャル入りのデザインまでそっくりな偽カバンを用意していたのは、明らかなミス。
 でも、ストーリーが複雑なおかげで、「なんか変だけど、見落としてただけかな?」と思ってスルーしてしまった。