シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 中居くんと裸の王様(「中井正広のブラックバラエティ」)

 昨日中井正広のブラックバラエティ」(★★☆)について、さらにいろいろ考えてみた。
 解りやすく言うと、「高いものが良い」という考えは、「逆もまた真なり」とは言えない、つまり、「安いもの、ありふれたものは良くない」とは限らないということで、「高いものが良い」という考えを簡単に否定できる。
 この家電特集で起こっている流れって、「裸の王様」の話に当てはまると思った。
 「裸の王様」ってどんな話かといえば、「人間は自分自身の五感よりも他人の情報やうんちくの方が正しいと思うことがあり、そんな人間の心の弱みにつけ込んだ詐欺についての話。」ということになる。
 あの番組の恐らくかなりの視聴者は、高い調理器具を使ったほうが絶対に美味しいと思ってしまったのではないか?
 実際には食べてみて確認したわけでもないのに。
 そこに、自分の五感に素直な少年が「王様は裸だ!」と言ったように、中居くんが「味違わない」と言ったことも、まさにその少年のようなことだったと言える。
 「裸の王様」の話の方は、少年の言葉によってみんなの考えが変わって「王様は裸だ」と思うようになったのだが、果たして「黒バラ」の方は今後同じように展開するのだろうか?
 まあ、王様が裸なのは誰でも確認できることだけど、味の違いの有無は視聴者には確認のしようがないから、同じように展開するのは難しいけど。
 でも「あるある大辞典」の例を引き出すまでもなく、テレビなどが詐欺の発信源になりうることだけは確か。
 それどころか、CMなんかは視聴者の五感に頼らず情報の力で物の価値を上げて高く買わせようとしているのだから、内容的にはまさしく詐欺となんら変わらない。
 違いは、裁判所が詐欺と認めるか認めないか、違法か合法かの違いだけ。
 だから、CMという詐欺を収入源にしたり、CMに限りなく近い生活情報番組を製作している民法テレビ局は、「王様は裸だ」と言い出す少年が現れたら困ると暗に思っている。
 今まではそんな少年が現れない状況で、「自分たちの発信する情報には価値がありますよ」という態度で番組を発表してきた。
 だから、中居くんが「黒バラ」で「王様は裸だ」と言ったことによって、テレビの持つ悪い意味での嘘臭さに風穴を開けてくれるんじゃないかと、密かに期待している。
 でも、その命運を左右するのは視聴者の方で、もう一度思い直して「王様は裸」だったと認めるか、それとも自分がだまされているなんて夢にも思わずに「王様が裸なわけないじゃん」と受け流すか、どっちを選ぶかにかかってくるだろう。
.....................................
 と、ここまで書いて「何を突飛なことを言ってるんだ」と思われるかもしれないので、もっと現実的な話を。
 高価格の電子レンジや炊飯器についていろいろ説明していたけど、中居くんのように高機能にこだわらない人には、2万円ぐらいの低価格のものをすすめるのが良心というもので、メーカーや販売店はそんな人にも利幅の大きい高いものを売って設けようと思っては決していけない。
 そのしっぺ返しが起きたのがパソコンで、日本のPCメーカーは日本向けに高機能高価格のAVパソコンを売っていたが、そこに低機能の安いネットブックが海外から入ってきてあっという間にかなりのシェアを持っていき、海外向けのPCを作っていない日本のPCメーカーはジリ貧傾向にある。
 海外に比べて日本史上だけ突出して高機能志向になると、携帯電話が「ガラパゴス」と言われて海外で勝負できないのが有名で、テレビですら海外で苦戦を強いられている。
 日本のメーカーが海外向けの製品を開発する上で、日本の市場が特殊だと足かせになってしまうということである。
 そしてこの流れって、アメリカのビッグスリーが間違った路線を進んだせいで結局2社も経営破たんしたことと似ている。
 だから、ユーザーの意識が高機能志向になるのは危険な話で、家電芸人の語る内容も専ら高機能志向なので、あれを真に受けずに自分の使用目的にあったレベルのものを選ぶことが、自分の無駄な出費をなくするだけでなく、将来の日本を今のアメリカのようにしないことにも役立つだろう。