シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

「スパイ大作戦『顔のない暗殺者』」 ★★★

【原題】Orpheus(意味「(スパイの暗号名)オルフェウスギリシャ神話の登場人物)」)
シーズン4、第22話
1970年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ジェラルド・メイヤー【脚本】ポール・プレイドン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、レナード・ニモイ、グレッグ・モリス、ピーター・ルーパスジェシカ・ウォルター、他
2017/09/20(水)17:58再放送、BSジャパン、2017/09/21(水)鑑賞
<ストーリー>
 敵国の暗殺者ストラボスが、2日後の午後4時に誰かを暗殺する司令を受けたとの情報を得たが、彼の唯一の連絡先である保安局のバーグマン大佐を含め、だれもストラボスの顔を知らなかった。
 西欧のアメリカ人スパイへの給与支払い担当に成りすましたジム(グレイヴス)が、アメリカ人スパイのウィリー(ルーパス)に監視されながら、東側に情報提供を持ち掛けてるとの情報がバーグマンに届き、バーグマンは半信半疑ながら応じて振り込んだ。
 バーグマンの側近のデイターがジムに会いに来て、踏み込んだウィリーをジムが空砲で射殺したようにみせかけ、でイターは亡命を嫌がっていたジムを東地区に連れて行き、バーグマンはジムを監禁室に入れた。
 中央委員会からの幹部に成りすましたIMFメンバーのヴァレリー(ウォルター)がバーグマンを訪ね、バーグマンが彼女の身元を通信で照会するが、保安局に忍び込んでいたバーニー(モリス)が回線に割り込んでニセの照会結果を送り、資料の調査を要求する彼女に対し、バーグマンは疑問を感じながらも応じた。
 ヴァレリーは、資料室でストラボスの暗殺の記録を見て、バーグマンに対し、西地区にいるパリス(ニモイ)を連れてくるように命じた。
 ヴァレリーに尋問されたパリスは、微電流を流す指輪でうそ発見器をごまかし、自分の正体はストラボスに暗殺されたはずの西側の科学者で、殺されたとみせかけて整形手術で別人になったと白状し、ヴァレリーはその情報を漏らしたのはバーグマンだと詰め寄った。
 麻薬の禁断症状が出る薬を飲んでいたジムが、薬欲しさにバーグマンに二重スパイ「オルフェウス」の存在を白状していて、バーグマンは真犯人がオルフェスだと証明するためにジムからオスフェウスへの給与支払い日を聞き出したが、その日付はバーニーが見たストラボスの資料の暗殺の日であり、バーグマンは暗号のラジオ放送でストラボスに連絡させた。
 ジムとパリスはニセの護送車で脱出し、ストラボスが会合場所に指定したホテルにバーグマンに成りすましたパリスが先回りし、やってきた本物のバーグマンから合言葉を聞き出して、パリスがストラボスに暗殺中止命令を出して、ストラボスが時限爆弾を仕掛けた場所を言って、ターゲットは退避して爆発を逃れ、ストラボスは捕らえられた。
<感想>
 ターゲットに関する事前情報がほとんどなく、だます相手も日頃からスパイの謀略を警戒してる人だという、最大限に困難な任務の回。
 殺し屋の正体が誰か?暗殺がどのように実行されるのか?の謎で引っ張るのかな?という予想ははずれて、それらを冒頭でいきなりバラシてしまうのだが、それでも1時間の尺を十分すぎるくらい持たせられる量のサスペンスがあった。
 「特殊装置などを多用した見た目の派手さがないと面白くならない」がこれまでの「スパイ大作戦」のセオリーだったが、今回は「任務が困難であるほど面白い」「作戦がスパイものならではの緻密さがあるほど面白い」という、正攻法のアプローチをとっていて、そんな渋い本格派路線が地味に終わらずに成功できていて、「スパイ大作戦」にしては稀有なケースだと思う。
 バーグマンが側に置いている茶トラのネコが勝手に動き回って、バーニーが見つかりそうになるシーンが面白いが、「猫にヒスイ」の回で活躍した茶トラのネコと似てる(同じかな?)。