シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『日米関係を護れ!』」 ★☆

【原題】Butterfly(意味「蝶々(夫人?)」)
シーズン5、第7話
1970年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語&日本語、吹替、約47分
【監督】ジェラルド・メイヤー【脚本】エリック・バーコヴィッチ、ジェリー・ルドウィッグ【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、レナード・ニモイレスリー・(アン)・ウォーレン、グレッグ・モリス、ピーター・ルーパスジェームズ繁田、他
2017/10/30(月)17:58再放送、BSジャパン、2017/10/31(火)鑑賞
<ストーリー>
 日本の有力者で反米主義者のマサキが、日米経済協定交渉の責任者である在日アメリカ人のケレムと結婚した妹のミヨシを、自宅で開かれた柔道の対戦中に庭の人目のつかない場所に連れて行って刺し殺し、同行していたケレムに罪を着せて、その場にいたマサキと懇意のアキタ警部がケレムを逮捕した。
 動機は妹の結婚への不満と、日本からのアメリカの排除を狙ったものだった。
 パリス(ニモイ)は、マサキに招待された歌舞伎役者の中村タイゾウに成りすましてマサキの屋敷を訪ね、来日中の柔道家に成りすましたウィリー(ルーパス)とマサキのボディガードを対戦させるように仕向けた。
 ダナ(ウォーレン)がマサキに電話をかけ、彼が妹を殺すところを丘の上から撮影したと言い、マサキは警部に今後の逆探知を依頼した。
 マサキの屋敷にウィリーと付添人のジム(グレイヴス)が来て柔道の対戦が始まり、皆が注目しているすきに、パリスと忍び込んだダナがマサキと妹に変装して殺人を再現し、バーニー(モリス)が16ミリで撮影した。
 ダナが再度電話をかけ、逆探知で突き止めたダナの部屋にマサキの側近(繁田)が押しかけフィルムを奪取し、マサキは腕の傷がないことで偽フィルムだと見抜いたが、殺害の瞬間が写っている残りの後半部をお金と引き換えに渡すというダナの要求を受け入れた。
 ミヨシとケレムの娘ノブのアパートにダナが来て、父の無実を証明できるフィルムと引き換えにお金を要求した。
 ノブは親しくなっていたパリスに相談し、パリスは彼女を警部に会わせて、ノブがダナからもらった連絡先の電話番号を教えると、それは逆探知した番号だったので、警部は取り引きのためにマサキの屋敷に向かうダナを尾行した。
 マサキは買収した警部の部下に、留置場のケレムを殺して、アメリカ大使館の指図で薬を飲んで自殺したとの遺書を残すように命じたところに、ダナがフィルムを持ってきて、直後に警部とノブとパリスが現れ、フィルムを見ることになった。
 マサキはフィルムを途中で止めて自白したが、フィルムを確認したら前の物と同じ偽物だと気づき、買収しようとした警部に断られ連行され、ケレムは釈放された。
<感想>
 日本が舞台だが、実際の日本の映像はタイトルバックの(容疑者が留置されている)警視庁の外観の1カットのみで、他は米国内の日本風の建物でのロケや、一目でスタジオ内での庭園のセットだと判る場所などで撮影。
 この手の欧米作品にありがちな、変な漢字や柔道とは似て非なる武道なども満載なのだが、和服の着付けは問題なさそうだし、車はわざわざ日本車を調達(ただし左ハンドル)するなど、ちゃんとしている所もあった。
 レナード・ニモイはどう見ても日本人歌舞伎役者には見えないのだが、まぶたを張り付けて厚ぼったくみせていることに気付いた。
 ただし、そんなことはよく見ないと気付かないくらい、ほぼいつもの彼の容姿のまま。
 ウィリーは、いつもはガタイのいい肉体派でしかないが、今回は柔道経験があった事が判って達人といい勝負をしたり、その後同じ相手と格闘して倒したりと、初?の本格的な格闘シーンも見せる。(ただし、受け身は取ってないみたい。)
 今回はストーリーがかなり問題で、パーティ会場の脇で殺人するのは無理があり過ぎるし、フィルムが偽物だとバレた事がなぜ覆せたのかよく解らないし、自白への追い込み方も弱いなど、肝心なシーンが緩すぎた。
 容疑者の娘のシーンが多く、パリスが彼女と親密になるところも多目の尺を取って描いているのだが、そのことやその登場人物自身が作戦やストーリーにあまり役立っていないのも解らない。
 脚本のエリック・バーコヴィッチは『太平洋の地獄』(1968)や『将軍』(1980)など、他にも日本関係の作品も手掛けている人。
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